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殺処分ゼロ 先駆者・熊本市動物愛護センターの軌跡

殺処分ゼロ 先駆者・熊本市動物愛護センターの軌跡
藤崎童士、三五館、2011
2375冊目

日本は犬猫の殺処分大国なのか?

日本で2012年度、全国の自治体に捨てられた犬猫の数は22万2883匹。うち殺処分されたのが17万2360匹。殺処分率は77.33%にのぼります。そして、新たな飼い主に引き取られていった犬猫は3万3096匹。
http://grapee.jp/23833

40年前は115万匹も。

「最近では、北海道・旭川を始め、神奈川県・川崎_、平塚などの動物保護センターで殺処分年間ゼロを達成するなど着実にその数は減っています。」

日本全体で飼われている犬猫は2000万頭ほど。1%が捨てられ、殺処分されているということになる。1割から考えると、ずいぶん減って来たものだ。

まずは、殺処分ゼロという意識を社会が持つこと。

そして、この本が紹介している熊本市の事例が可能になったのは「地方分権一括法」1995年がある。

自治体によって、大きな差が、いま、殺処分を巡って起こっているのだ。
熊本市では2006年まで。

殺処分は炭酸ガスで行われる。

そして、焼却。それが基本のあり方だ。

2000年、それまで食肉関係の仕事をしていた獣医師の資格を持つ淵邉さんが、所長として動物愛護センターに赴任。仕事に疑問を持ち始めたときに、2000年12月、動物の愛護及び管理に関する法律が改正されたのだ。

(基本原則)
第二条  動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。

この条文に淵邊さんはくぎづけになった。

そして、組織改革をすすめるためにも、当時動物園で働いていた松崎さんをいれる。いまは松崎さんが所長である。

犬猫を受け入れた時にワクチンを打つ。
協議会をたちあげて、動物愛護の取り組みを推進する体制をつくる。
引き取った犬猫についての情報は写真入りで公開する。
犬舎の改善。

そして、引き取り先探し。

国の法律も変わった。立役者は、松野頼久民主党議員である。152

終生飼養の義務。平成25年9月からの改正だ。
http://www.fukukan.net/paper/1310/topic_pet.html

譲渡前講習会では動物愛護の義務が徹底される。

途中、ALIVE 地球生物会議作成のビデオ上映。
https://www.youtube.com/watch?v=dONzRUOCWV0
http://www.alive-net.net/material/video/al-dvd-1.html

すごい。野上ふさ子さん、がんばっているなあ。

まさしく、市民の運動や協力とセンターの姿勢、法律の改訂などが一体となって、殺処分ゼロへの道が歩まれて来たのだ。

これだけの殺処分の背景には、日本社会のペット事情がある。ペット産業は1兆円産業。

ペットショップって、欧米じゃ、当たり前じゃないんだあ。
by eric-blog | 2015-10-19 17:22 | ■週5プロジェクト15
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