日本の中でイスラム教を信じる
佐藤兼永、文芸春秋、2015
2369冊目
2001年12月、大塚のモスクを訪ねる取材から始まって14年。日本に暮らすイスラム教徒、日本人も含む人々を取材した結果である。
9.11以降、日本でのイスラム教についての理解は広がりつつある。いまがチャンスだと著者は言う。
男女ともに「お祈り」の時間、そして「断食」、節酒などのイスラムの実践をどうするかが課題だ。女性の場合はヒジャーブという目立つ服装が課題だが。
自己責任の宗教、イスラム。それらの宗教的実践と日常生活をどう折り合わせるかは、それぞれが考えることだという人もいる。
各地のモスクではイスラム教徒としての教育も行われている。アラビア語とコーランなどがその内容だ。
この本を読んで、「なぜ入信するのか?」の追求が少ないと感じた。
ま、わたしたちも、いい加減な無宗教、いい加減な仏教徒らしいから、なんとも言えないが。
放送大学の「アラビア語講座」が始まった。高橋和夫さんの「アラビア語とイスラム」の整理がおもしろかった。
1. アラビア語を母語として取り入れ、ムスリムになる
2. アラビア語は取り入ないが、ムスリムになった。
3. アラビア語は取り入れるが、ムスリムにはならない。
4. アラビア語も取り入れず、ムスリムにもならない。しかし、単語や標記は取り入れる。クルドウ語、トルコ語、スワヒリ語、ハウサ語。それぞれアラビア文字にない文字を作っている。
おもしろい。