6度目の大絶滅
エリザベス・コルバート、NHK出版、2015
The Sixth Extinctionオリジナル2014出版
2356冊目
いま、国立科学博物館で「生命大躍進」展が開催されている。これまで、生命には五度の大絶滅があり、その危機が生命を進化させてきたという。
[プロローグ]生命誕生
[第1章]カンブリア大爆発
[第2章]海から陸へ
[第3章]哺乳類の出現と多様化
[第4章]人類への道
[エピローグ]受け継がれたDNA
この本は、いま、六度目の大絶滅時代を、人間が起こしているという警告の書である。ジャーナリストである著者が、現場を専門家らとともに尋ねた貴重なレポートでもある。
最初の大絶滅は4億5千万年前のオルドビス紀後期。
デボン紀後期。
次の大量絶滅は約2億5千万年前のペルム紀末。
三畳紀後期。
白亜紀の終わり頃に起きた大量絶滅では、恐竜、アンモナイトなどが消滅。20
いま、両生類、カエルが絶滅にひんしている。カエルツボカビBdという菌が、人間の輸送能力のおかげで、世界に広がったせいだ。
ダーウィンは『種の起源』で、「ある種が完全に絶滅するのは、一般にその誕生よりゆるやかな過程だ」と書いている。新種の誕生を己の目で見た者はいないし、それらの緩慢な変化が起きるのを見届けることはできない、と。81
しかし、人類は、多くの種の絶滅を見てきた。
オオウミガラス、世界で最初に「ペンギン」と呼ばれた鳥。
肉、羽毛、燃料として活用された。1800年代には絶滅したと考えられている。
サンゴ礁は、地球温暖化に伴う海水温の上昇でダメージを被っている。
植物は温暖化の影響で棲息域がせばまる、あるいは消滅する危険にさらされている。
2050年までに9-13%が絶滅すると予測している研究者チームもいる。
気候変動は「保護区」という考え方すら、無効にしてしまう。
ネアンデルタール人が絶滅したように、大型類人猿たちも、いま、絶滅の危機にある。
絶滅の昔と今。
人新世という時代に、いま、わたしたちは生きてる。地球が何かがわかったときには、それを壊してしまっているかも知れない時代。