日本軍と日本兵 米軍報告書は語る
一ノ瀬俊也、講談社現代新書、2014
2355冊目
まだ米国の国防省が「戦争局」War Departmentだった頃、「Intelligence Bulletin」という雑誌がありました。1943年創刊かな? 1944年版がvolIIになっているから。
そこに、米軍兵士たちがみた日本軍についての観察が報告されている。この本はその報告を読み解いたもの。
日本兵はファナティックで非合理な戦闘員という日本側の分析に対して、米側はどう見ていたのだろうか?
○勝てるとなると勇敢だが、負けると死を恐れる。
○個人的敢闘精神や自発性は少ない。
○軍隊内での制裁や捕虜になった時の身内の被る不名誉に敏感。
○射撃は下手だが、壕堀はうまい。待ち伏せや「びっくり箱」戦術など。
戦争も終わりに近づくにつれ、士気が落ち、捕虜になるものも増えてきた。79
さらなる「くさび」という具体的な方法があげられている。80
直属の体調、上官の能力に対する疑いを持たせる。
最高軍事指導者の、個人に死を要求する価値に疑いを持たせる。
日本の戦勝能力に疑いをもたせる。
戦死の意味に疑いをもたせる。
硫黄島以前の戦いでも、日本軍は壕で戦っていたのだ。
オトリや偽装など、かなり「卑怯」な戦法も編み出している。それらは同じ著者による『米軍が恐れた「卑怯な日本軍」』に詳しい。
そうだよねぇ、白旗あげて投降して来るように見せかけて、横から攻撃されたら、たまらんわね。