「ひきこもり」考
河合俊雄、内田由紀子、創元社、2013
2329冊目
対人恐怖や葛藤なしに、「ぽん」とひきこもりになってしまういま。
共同体の衰え、集合体としての「他者」の眼に対する恐怖がなくなっている。
子どもたちが、不特定多数と性交渉を持つ。
接点を求めるような事件がない。
歴史的な課題への視点や社会の中で大人になるイニシエーションの知恵や知識が失われていっているのではないか。129
第五章「日本における若者の病理の変化」より
ひきこもりを病的にとらえたり、あるいはひきこもりに「意味」を見いだしたりしすぎない方がよい。
日本人に最も典型的な神経症である対人恐怖が減っている!
ジーレジンガー『ひきこもりの国』でも読んでみるか。
求められるべき手だては、文化なのか、それとも個人へなのか? その部分において、「教育」があまりにも語られなさすぎることにいらだつ。