『途上国の人々との話し方 国際協力メタファシリテーションの手法』
和田信明・中田豊一 みずのわ出版(2010年)3,500円 【感想】佐藤宏幸さんより 著者の2人はNGOムラノミライ(元ソムニード)のメンバーとして途上国での開発活動に従事しつつ、JICAを通じた国内研修コースの実施や2013年イラク、2014年タジキスタン等のファシリテーション技術指導の業務実施案件を受注している。 競合他社の強みを知るために、また1月から農業普及へのコーチングやファシリテーション技術の応用を調べている私には必読の書と思われた。 441ページの重みのある本書には、途上国の農業農村開発に関わるコンサルタントとして持っていたい社会や開発、人間に対する深い洞察や哲学が書かれてあり、大変読みごたえがあった。以下のように抜粋したフレーズが412個あることがその証拠と言える。112番は特に印象に残る。 セルフエスティーム、メタ認知、アナロジー、コンテクスト、予断、事実質問、対等感、省察、エンパワーメント等、ERIC国際理解教育センターのワークショップと同じ用語が使用されていたので内容の理解が深まったと思われる。「傾聴」という言葉は出てこなかったが…。 長期で現場に入る時は持参しようと思う。まずは、国内で開発従事者や市民を対象にしたメタファシリテーションの研修を受講したいと思う。 目次 序章 曇りガラスが晴れるとき –“なぜ?”と聞くのは間違いの始まり 第1部 メタファシリテーションの成立 第1章 「なぜ?」を聞かない対人援助コミュニケーション手法 第2章 思い込み質問の迷路から「簡単な問い」へ 第3章 簡単な質問の先の壁 第4章 メタファシリテーションの成立 第2部 メタファシリテーションを囲む「枠」 第1章 コンテクストが見えてきた 第2章 「コミュニティー」に至る道 第3章 マクロとミクロの間 第4章 国際協力のコンテクスト=近代化に伴う貧困現象の発生 第3部 メタファシリテーションの実践 第1章 メタファシリテーションの技法解説 第2章 メタファシリテーションのプロジェクトへの応用 終章 結論に代えて 抜粋 1.部外者でもある「私」の、村人との関わり方の稚拙さ 14-15 2.「私」の愚かさ、拙さ、さらには傲慢が、村人の現実を覆い隠し、主体性を損なった元凶 15 3.村人の現実を理解すること、本当の声を聞くこと 16 4.執拗に細かな事実を尋ねていく 18 5.お互いに立ったままで30分近くも細かなやりとりが続き 18 6.やり取りを重ねているうちに、必ずと言っていいほど、人々の本音やことの真相が相手の口から飛び出してくる。 19 ⇒古河のコミュニティー・ワークに使おう! 7.「長時間、お付き合いしてくださってありがとうございました。本当にお疲れさまでした。」「いいえ、全然疲れませんでした。それより私のことを聞いてもらって本当に嬉しかった。」20 ⇒人は聞いてもらえるとうれしい。傾聴の実践は重要。故に研修ではスキル・トレーニングとして毎回行う。 8.現地語と日本語の通訳を介して行う20 ⇒内容が深いため言葉の壁はない。 9.シンプルなインタビュー。単純な事実を芋づる式に一問一答の形でただ聞くだけ。21 10.インタビュー術の底にある人間観、あるいは人間心理の仕組みの洞察 21 11.メタファシリテーションと名づける 22 12.参加者の気づきを「促す」 22 13.対話を通して常に相手の気づき引き出そうと意図している。これこそワークショップなどの設えられた場にとどまらない、現場でのやり取りにおいて必要かつ有効な真のファシリテーションである 22 14.人為的な場作りなしに、いかなる場でも対話を通じて気づきを促すこと、つまりファシリテーションは可能であるという事実。23 15.メタ認知とは自分が何かを認知(理解)しようとしながら、同時にそういう自分自身を認知(理解)する行為や機能のことを指す。23 16.「それは何ですか?」「いつですか?」27 17.「朝食には何が好きか」「普段、何を食べているか」「今朝何を食べたか、昨日は、一昨日は」 18.思い込み=本人の「考えや意見、錯覚」30-31 19.事実を軸としたものではなく、答え手の思い込みや考えが強く反映されてものになる。31 20.事実を尋ねる質問だけで構成。簡単な事実を積み重ねながら現実を浮かび上がらせる方法 31-32 21.考えを尋ねる質問と事実を尋ねる質問の違いをはっきり意識し、意図的に使い分ける。32 22.現実を構成する三要素=「事実」「観念/考え/意見」「感情/情緒/気持ち」 33 23.「事実」=基本にある物理的な要件 24.「観念/考え/意見」=人間独自 25.「感情/情緒/気持ち」=動物的な要素 26.村人は多くの場合、政府の役人やNGOの職員を前にすると、自分ではなくその人の位置から見える形を答えてしまう。35 27.相手が期待しているのではないかと思うことを、自分の答えにしてしまう。37 28.「あなたの位置から何に見えますか」37 29.事実の確認方法 where, when, what, who 38-39 30.あらゆる事実は、時間と場所を伴って生起する whereとwhenを特定する質問ができれば、事実。 39 31.現地人材の育成に貢献 43 32.事実質問を重ねていくうちに、それに答えている側が、いつの間にか、自分から気づきを語り始める 44 33.簡単な事実質問が本質的に持っている機能 44 34.簡単な事実質問が持つファシリテーション機能 44 35.「対話型ファシリテーション手法」:質問者からの働きかけを軸に対話を通じて気付きを促す手法のこと 45 36.メタファシリテーションの手法の基礎中の基礎であり、同時にその中核をなすもの 45 37.一切のパーセプション質問を排して、事実質問だけでやり取りを組み立てる 45 38.事実質問のパターン ①いつ、どこ、何、誰 ②~したことがありますか(経験)、~を知っていますか(知識)、~がありますか(何かの有無、存在を尋ねる)47 39.思い込みと事実を区別しないまま「思い込み」のほうを答える 48 40.相手のものであれ自分のものであれ、問題を解決するためには、まず問題の構造を見極める必要がある。ファシリテーターの力量が最も問われるのは、この分析作業のファシリテーションにおいてであり、ファシリテーションの必要性が最も高いのもこの作業においてなのである。49 41.自分の都合のいいようにものごとを解釈する強い傾向がある。 49 42.「先生、お腹が痛いんです」と言う患者に対して、医者が「どうしてですか?」と聞くはずがないということだ。患者の自己分析など尋ねないで、医者は、「いつからですか?」「今朝は何か食べましたか?」という具合に問診、すなわち事実質問を重ねてゆく。Whyを使うのを避けるべき。51 43.「なぜ?」という疑問詞の使用を自らに堅く封印してみた。51 44.Whyやhowを使わなくても、たいがいのことは尋ねられるようになった。 51 45.課題分析を手助けするためには、問題そのものについても、こちらからは尋ねないのが対話型ファシリテーションの原則。 52 46.もし相手がこちらに聞いてほしい問題があれば、必ず相手から語り始めるはず。だからこちらは、何でもいいので、相手の周辺で目に付いた物の中から意味のありそうなものを選んで、「それは何ですか?」「何でできているのですか?」「いつ手に入れたのですか?」など単純に聞き始めればよい。52 47.相手が勝手に気付く 53 48.「なぜ?」の代わりに「いつ?」と聞く 53 49.「いつ」という事実質問が、当事のことを改めて思い出す作業を促している。 54 50.whenと聞かれれば、思い出そうとする。54 51.whyの代わりに whereで尋ねる 54 52.「考えさせるな、思い出させろ。」対話型ファシリテーションの鉄則。55 53.人が本当に学ぶためには、自己の経験を分析する、つまり「私が経験を通して知っていると思っていることを、私は本当に知っているのだろうか」と自らもう一度問いかけるところから、真の学びは始まる。 57 54.考えさせるのではなく、正確に思い出させることで記憶のたな卸しを手伝う。57 55.私が期待した通りの答えが返ってくる。70 56.「で、今は何をしているのですか?」74 57.私の持っている前提そのものが間違っているという自覚 76 58.「で、この家に住んでいるのは何人ですか?」79 59.相手が簡単に答えられる質問をすると、その答えの中に、かならず次の質問につながるネタがあった。 80 60.インタビューする相手になったつもりで具体的なイメージを描きながら話を聞く 82 61.外部の人間に、断りもなしに一方的に話をされることに慣れきっていた。 82-83 62.自分たちの話を、こんなに熱心に聞いてくれて嬉しい。 85 63.まず相手の許可を得る86 64.自分が誰で、どんな目的で来ているのかをまず話し、そして発言する、語りかけるときは相手の許可を得るということは、単なる最低の礼儀であるだけでなく、実は、住民主体の活動を作り出していくための最初の一歩を踏む大事な「テクニック」 87 65.相手が簡単に答えられる質問をする難しさ 88 66.相手が簡単に答えることが出来る質問というのは、実は問いかける方が予断を持ちにくいという利点もある。89 67.質問を「考える」代わりに、質問する内容を自分がするつもりでイメージする。89 68.「やかんでお湯を沸かす」ということについて、何も知らないというところから始める。89 69.「やかんでお湯を沸かす」という命題から、「やかん」という道具、「お湯、すなわち水」という材料、そして「沸かす」に関わる燃料、といくつかの階層化された次の命題が出てくる。90 70.村人の持っている道具をネタに話に入る。 92 71.貧困の定義、生活向上の定義がない。根拠がない。 94 72.「あなた方の過去の経験から導きだして、架空の村をイメージし、その村がどのような課題を持っているか、考えてみて下さい。ただし、その架空の村は、行政的にできたものではなく、昔からあった村という仮定です。」 95 73.そもそも村が理解できていなかったら、その村で「住民たちが主体的に自分たちの問題を解決していく能力向上を導く」ことなど、できるわけがない。 95 74.村の貧困を検証することなしに、96 75.「貧困」という言葉が、ある意味でなじみがあっただけに、それだけでその言葉に実体があると、検証なしで思い込んでいたわけだ。96 76.根拠もなければ目標もないということは、出発点も到達点も曖昧だということ。96-97 77.「自立」するということはどういうことなのか、厳密にどころかまともに考えたこともなかった。101 78.開発援助プログラムの決定的な改善に繋がるほどのファシリテーション 107 79.セルフエスティームが上がると心が開かれる 111 80.事実質問を重ねることで、対等な関係を築くと共に、現実を具体的に共有する。111 81.対等感を生じされる方法 112 82.自尊感情:自分のことを尊い、価値があると感じること。112 83.相手の本音を引き出すことなしに、現実に迫ることはできない。113 84.自分の役割を真剣に演じる。114 85.明確な役割意識の上に立って、本気で誠実に役割を演じる。これがファシリテーターなのである。 114-115 86.鳥瞰的な視点 115 87.しゃべっている自分を客観的に観る (自己観察) 115 88.舞台の上の役者と演出家 115 89.「自分を外から観る」というのはファシリテーションに限らず、自覚的な活動を必要とするすべての場面において、最も重要な能力である。 116 90.自分に対して自覚的であり続けること 116 91.事実質問の練習が「メタ認知」能力を上げる 117 92.セルフモニタリング=メタ認知 117 93.「私は今の質問をすることによって、何を知りたがっているのか?」「私がそれを尋ねることで、相手にどのような意味をもたらすのか?」118 94.二重構造を持った対話術=メタ認知理論に基づくファシリテーション手法⇒メタファシリテーション 120 95.自分を相手の立場に置き換えて、質問を考えている。121 96.時間的なプロセスに沿って、できる限り詳細かつ具体的に想像する。121 97.その場の光景と自分の行為の可能性をいくらでも思い浮かべる 121 98.「もし自分が聞かれる立場であったとして、こう聞かれたらどう答えるだろうか」というふうに常に想像力を働かせる。121 99.自己と他者との「入れ子構造」122 100.「知ったことは知ったこととし、知らないことは知らないこととする、それが知るということ。」 孔子 124 101.自分を村の農民に置き換えて考える。「もし自分がこの人のよさそうなお爺ちゃんだったら、私の存在をどう受け取るだろう。どういう語りかけ方をされれば心を開いて自分のことを話す気になるだろう」127 102.「私にもこれまで同様の体験はなかったろうか。あるとすれば、その時、自分はどう感じ、どう振る舞っただろうか」自分自身の経験の中から類似の体験を取りだす。127 103.常に具体的な事実だけ問う 130 104.相手が必ず正確に答えられる質問をするためには、相手の立場に自分を置いて、どの質問であれば答えられるかを常に問う必要がある。130 105.家族みんなの話ではなく、ひとりの父親としての農民Aさんの生活全体においてそれがどのような意味を持つのかを、Aさん固有のライフヒストリーの中で浮かび上がらせようと努める。その意味を彼自身に語らせるための質問を組み立ててゆく。132 106.それぞれの持つ固有の意味を浮かび上がらせようとする試みは、国や時代をこえた大きな歴史的、社会的な文脈をも浮かび上がらせることに繋がっていった。 133 107.やみくもに職員たちの研修をやった 135 108.数量的把握が欠けているがゆえに、事業の到達目標が明確に設定できず、結果が曖昧に終わる。 136 109.たくさん比喩を使いながら、すこしずつトレーニングしていく 136 110.問いを発しながら、身近な例を引きつつ、相手から答えが返ってくるようなやり方 136 111.自分が伝えたいことが伝わったとするボトムライン 137 112.どのような集会であれ、話しかける相手は、お年寄りとする。彼/彼女が分からない話ならば、結局村人たちの大部分は理解しない。逆に、彼らが理解すればみんな理解する。 138 113.「80歳のオバチャンにも10歳の子どもにもわかるように話せ」139 114.貧困は状態ではなく現象 144 115.近代化という大コンテクストに状況を落とし込むという方法論的意味 152 116.プロジェクトの5つのステージ ①Partntership Building パートナーシップの構築 ②Community-Based Issue Anaysis コミュニティに基づいた課題の分析 ③Action Plan 行動計画づくり ④Implementation and Monuitoring 実施とモニタリング ⑤Evaluation and Feedback 評価とフィードバック 117.使える水をいかに増やすか。 169 118.農業は、土と水があればできる。その点、森がいかに土壌の生成に必要であるとか、あるいは短期的な森の経済効果など、農民とともにじっくりと学ばなければならないことに焦点があてられていないきらいが、共同森林管理のプロジェクトにみられる。169 119.「市場」とは創出するもので、もとからあるものではない。 170-171 120.伝統的農村が市場経済に組み込まれていく過程でよく起こることは、入ってくるお金の監理ができなくて、・・・ ファイナンス・マネジメントができない。171 121.コスト意識なしに必要な構造物を作ったり植林したり、さらにそれを維持したりすることはできない。さらに、その過程をファシリテーションする側が、その最低の知識を持たないことには、コミュニティーにまともにかかわることもできない。170 122.時間軸と空間軸の二つの交わるところでコミュニティーを観ていく。171 123.村を包むマクロ 172 124.コミュニティーが認識しているべきこと。175 ①何がコミュニティーだけでできることか 何を資源として管理運営していくか ②何が、コミュニティーと行政が一緒にやらなければできないことか ③何が、行政がやるべきことか 125.(オバチャンたちは)普段いかに計画というものから遠いところにいる。 191 126.何かを集団でするときは、最低プロジェクトとしての見通しを持たねばならないし、時系列にしたがって行動することと、それにかかる経費を明らかにする計画性を持たねばならない。 191 127.ミクロ・レベルで使える方法論と人材 192 128.どうしたら市場は開拓できるか、帳簿はどうつけるか、コストはどう計算するか、ビジネスをするにあたって知っておかねばならないこと 192 129.自分たちの役割と他の人の役割との線引きが明確になされる=言語化される 193 130.村人と一緒に「植物図鑑」を作成する。 195 131.村人の暗黙知を言語化するうえで支援をするのが、外部から来たコミュニティー・ファシリテーターの決定的役割ではないか。196 132.機能によって意思決定される場合は、多くはその決定事項が法的拘束力を大なり小なり持たされる、つまり権力の行使であるということに対して、伝統的な村の意思決定は、多くは権威を与える場合が多い。 198 133.現状の把握と言語化のプロセス 201 134.村を訪れる。村人の許可を取って村を歩く。同行してくれる人がいたら感謝しつつお願いする。201 135.植物について教えを乞う。202 136.土を観察する。203 137.「植物図鑑」として記録する。フォーマットでサンプルを作る。204 138.最初の村のボランティアがインストラクターとなって他の村でトレーニングをしてもらう。206 139.得る知識は自分たちのものであり、自分たちで取扱いできる。そのこと無しにオーナーシップの意識は持てない。206 140.測量は村人たちが感じている数量を言語化する第一歩。なぜ数値として言語化するのか。「外」とのコミュ二ケ―ションのため。暗黙知を形式知にする作業。このような「技」を身に付けなければ、最終的には計画ということができない。211 141.外部者のコミュニティーの関わり方。 212 142.伝統的な村での行動変化は、新しいコンテクスト(文脈)への対応という、これまでとは次元の違う変化を起こさなければならない。213 143.新たなコンテクストの中で自分たちは何を残し、何を新たに取り入れるのか。新たなコンテクストの中でいかに持続可能な資源の利用を行うのか。圧倒的な力を持つマクロ社会とどのように付き合っていくのか。213 144.マクロとミクロをつなぐ役割を自覚したファシリテーター、すなわち、コミュニティーに介入することの歴史的な意義を明確に意識したファシリテーターが必要なことも明白である。214 145.貧困の感じ方も相対的 217 146.「解放の神学」貧しい農民が自らの状態に気づき、自分たちのおかれた境遇から抜け出すよう側面から援助してゆく。これを「意識化」と呼び「意識化」は「対話」を通して行われる。219-220 147.啓発のための寸劇 220 148.「あなたたちは貧しくない。だから自信を持って」というところから、関係づくりは始まる。225 149.外部の人間の予断 226 150.「貧困」を問題としているのに、「非」貧困がどういう状態であるかという基準がない。お菓子づくりによって達成できるはずの「非」貧困の状態がどのようなものであるかという明確なビジョンがない。228 151.「貧困」はある特定の人々の属性ではなく近代化の進行のプロセスにおいて出現した過渡的な現象に過ぎない。231 152.自分が知らないという自覚に立ち、観察、対話、分析を積み重ねていく。 233 153.自ら直接経験していないことをいかに理解するか、というのがメタファシリテーションの神髄。233 154.定義を考えさせてはいけない。参加者の注意を目に見えるものに引き戻す。234 155.近代化→産業化→企業の発達 156.セーフティーネットをストックという概念で捉える。つまり、相互扶助も自然資源も村人にとっては貯蓄=ストック。247-248 157.「教育は本当に村のためになるのだろうか?」253 158.村人から得た情報を(近代化の)コンテクストの中に落とし込みながら次々と検証を重ねてゆく。 255 159.伝統的なセーフティーネットを形成する2つのストック、相互扶助と共有自然資源が近代化の進行の過程で衰退し、貧困という現象が発生する。255 160.人口増加の要因 256 161.定住型の農業が発達すると社会集団が大きくなり、分業が生まれ、全体としての生産力が高まることにより、人口も確実な右肩上がりを見せる。258 162.日本の村落社会には、相互扶助の仕組みは残っていたが、それを支える人が決定的に不足していた。261 163.身近な他者に対する信頼感 263 164.過去と未来のストックを使い尽くそうとしている 263 165.開発援助劇場(Development Theater)271 166.①事実、②意見・考え、③感情のうちどれを尋ねようとしているのか。 273 167.事実質問の練習 その2 身の回りの「もの」を取り上げ事実質問を30考える 274 168.これは何ですか、いつから持っているのですか、どこで手に入れたのですか、いくらでしたか、材料は何ですか、使ったことがありますか、274-275 169.ひとつのものやことには、多様な側面があることに気づく。276 170.事実質問の持つファシリテーション力 277 171.あやふやな全体像よりも確実な部分を捉えるほうが、現実に近づける 280 172.①セルフエスティームが上がるような話題を見つけること、②とにかく事実質問に徹すること、③提案しない、助言しない、の3つが基本中の基本。 281 173.途上国の人々の現実に必ずや直に触れるぞという執念 284 174.現場型対話式ファシリテーションの技法 284- (1) 最重要基本姿勢 ①事実質問の力を信じる ②一対一の対話が基本 ③提案しない ④信じて待つ: ファシリテーションの真髄 (2) 具体的な手順と考え方 ①セルフエスティームが上がるようなエントリーポイントを見つける=道具をほめる ②課題を整理する:それは本当に問題なのか ③一番最初に(最近)それが起こったのはいつですか?⇒時系列で質問を組み立ている ④課題・問題の起点に遡る ⑤解決方法を探る(1):自己の類似体験の追跡にこだわる ⑥解決方法を探る(2):身近な他者の類似体験に学ぶ ⑦相手から質問を受けたらチャンスだと思え ⑧結論は絶対に当日者に言わせろ! 175.人は自分に関心を持って事実を聞いて来る者にこそ心を開く 285 176.相手への関心と共感 285 177.簡単な事実質問それ自体の中に、エンパワーメントを実現するためのファシリテーションツールとしての機能が備わっている。286 178.相手が長々と脈絡のない返事をしてくることが続くようであれば、簡単な事実質問ができていないということ 286 179.対話型ファシリテーションの構造は、相手が何人いようと、一対一のやり方を基本にしている。286 180.周辺に位置すると思われる人物に話を向ける 287 181.扱おうとしている課題について、よく知っている人に聞くのではなく、あまり知らない、関心がないと思われる人に尋ねてみることで、その集団におけるボトムラインというものが、より明確に浮かび上がってくる。287 182.相手に語らせるために質問する 287 183.ファシリテーションの役割は、当事者自らが、「あるもの」「持っているもの」を発見していくための場をアレンジし、そのプロセスを側面から手助けすることにある。287 184.参加型開発の研修においても現場においても、私たちは当事者各自の持っているもの、とりわけ豊かな経験を分析することを中心に作業を進めていく。そこで最も重視するのは、それぞれが自分で何かを発見するということである。289 185.Peck the egg skillfully, Trust it and wait, change comes from inside! 290 186.外から刺激を与えることはできるが(これがファシリテーション)、変化は常に内側から起こるもの。292
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