ヒトはいかにヒトになったか ことば・自我・知性の誕生
正高信男、岩波書店、2006
2319冊目
正高さんの本は何冊も読んできて、また紹介もしてきている。とても感銘を受けた本のもじりのようなタイトルであるが、ディーコンの本のタイトルの「ヒト」と「人」との使い分けは秀逸だし、そちらに軍配をあげたくなる。
ヒトはいかにして人となったか−言語と脳の共進化
テレンス W. ディーコン、金子隆芳訳、新曜社、1999年
http://ericweblog.exblog.jp/746537/
しかし、ヒトはあくまでも一匹の生き物なのだという、気持ちも込められた、タイトルなのだ。
ことばは、人間にとって必須である。
サン族のクリック音が、現生人類の言語を飛躍的に発達させた。それは、「分節化しているからだ。
一音ごとにシャッターが働いている。そのことで文字が可能になる。
まねるということも、人間以外にはないのだそうだ。青島のサルが海水で洗ってイモを食べるというのも、人が「学習する」というようなまねる行為で広がったのではなく、ほとんど一匹一匹の個体の経験学習の繰り返しに近い形で、時間をかけて広がったのだという。191
ことば、文字、学習
結果として優劣が生まれるという。まねるべき価値のあるものとそうでないものがあるからだ。
子どもの言語習得は、状況まるごとだ。運動性言語中枢、からだとことばもともにあるのだね。