子どもたちにしあわせを運ぶチョコレート :世界から児童労働をなくす方法
白木 朋子、合同出版;東京 2015.2
2490冊目
「チョコレート、ロッテ」というメロディが口をついて出るとき、「ガーナ」という国の名前も思い出す。
世界のカカオ豆生産の70%を生産しているのがアフリカ諸国。
コートジボアールがダントツに多い(世界の38%、アフリカの54%)のだけど、ガーナと合わせて80%以上にもなる。
そして、『ワールド・スタディーズ』の「コーヒー豆の生産」と同じく、カカオ豆生産者に入るのはわずかに0.5%。児童労働や低賃金は、この構造から来ているのだ。
フェアトレード認証を受けている農園での児童労働の実態も明らかにされ、認証取り消しなども起こっている。
NHKの番組では、児童労働があるからと言って、チョコレートを食べるのを止めるのではなく、現地での児童支援、生産者支援を通じて、改善を求める姿が紹介されている。
■NHK BS 世界のドキュメンタリー番組「甘いチョコレート 苦い現実」について
2010年12月18日
この本は、そのような取り組みをすすめている団体の一つ、ACEの「スマイル・ガーナ・プロジェクト」を紹介している。
https://acejapan.org/choco/smile-ghana
どうつながるかが課題だよね。
チョコレート一つをとってもこんなにたくさんあるフェアトレード商品。
http://www.fairtrade-jp.org/products/products/cacao.html
身近なところで、いつでも買えるようにしていくことかなあ。意外に、東京に住んでいる方が、フェアトレード商品を扱っている店へのアクセスは遠いように思うなあ。
北海道は意外に多くて、人口30万人に一店舗。
東京都も28万人に一店舗だが、東京の商圏を考えると、実際には1/3ぐらいに考えるべきだろう。
フェアトレード製品のすべてが有機とはかぎらないが、生産者のことを考えると、有害有毒な減農薬は必然だろう。
それに対して「有機野菜」の販売店は、倍ぐらい。人口15万人に一店舗。
http://munouyaku.m47.jp
つまりはまだまだ基本的な消費の傾向は変わっていないということ。
一方で、世界的にはカカオ不足になるだろうという予測もある。
チョコレートの価格はこれからも上がり続けることだろうが、その公正な配分が生産者に届く仕組みづくりが必要だ。
「学校に行けた」という子どもたちの笑顔が、広がりますように。