高学歴女子の貧困:女子は学歴で「幸せ」になれるか?
大理 奈穂子、栗田 隆子、大野 左紀子、水月 昭道著監修、光文社、2014
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博士課程まで行って、ホームレスやらフリーターやらになる高学歴者の貧困問題。
栗田さんは雑誌「フリーターズ・フリー」にも関わった人だ。
http://ericweblog.exblog.jp/7708028/
では、高学歴女子の場合、特別な違いがあるのだろうか?
第2章 なぜ特に女子が?
読んでみて、特に「女子」の貧困が、男性の高学歴者非常勤勤務の人より厳しいとは思えなかった。タイトルにも違和感があった。「幸せ」になれるか?
わたし自身、高学歴貧困女子のカテゴリーにばっちり当てはまるが、「幸せ」について考えたことは、30歳すぎまでなかった。そうかあ、人は「幸せ」になりたくて生きているんだあ。
不幸ではなかった、からだとは思うが、幸せは人生の目標でも、求めるものでもなかった。ま、それはともあれ。
もう一つの違和感は、なぜ「男社会」で認められたり、そこに居場所を得られたりすること、しないことだけを論議しているのかなということ。博士課程まで行って、既存の組織依存だけでいいのだろうか?
思うに、女性の問題は「持続可能な組織」を作ることができていないことなのではないか。
会社も、行政も、学会も、NPOも、学校も、組織を創立しているのは「男」なのではないか。
持続可能な組織を考えるための二つの指標で「女」の動きをチェックしてみよう。
一つはピーター・センゲの「学び続ける組織」である。
○自己習熟
○チーム学習
○ビジョンの共有
○自己イメージ
○システム思考
うーーん、これはあまり役に立たないなあ。もう一つ、「環境教育推進」の枠組み。
○プログラム
○体制
○資金
○人材
○評価
女性の貧困について、個別の支援団体は存在する。【プログラム】
しかし、その支援を持続的に行うための体制づくりはどうだろうか? 「女」の組織づくりは、いつも自転車操業のような気がする。
例えば「天下り」、たとえば「学会」。すべての組織や体制、システムがうまく行っているわけではないだろうが、「女」のシステムで、「女」や弱者以外をテーマにしたNPOや体制には、どれほどあるだろう。
「女」が組織の構成員である場合、それはそのまま「資金」力に直結する。会費を集めたくとも、カネがない。ないところから集めるのだから大変だ。
大学院に百五十万円などを払うぐらいなら、いろいろなことができると思うんだけどなあ。10人集まれば1000万円だよ? 起業した方がよくないか?