レッド:1969-1972
山本 直樹、講談社、2007
2474冊目
連合赤軍の殲滅武装闘争の展開を、日々、刻々、追い続けている実録風。
登場人物に「○番号」がふられている。緻密な画風なので、十分描き分けられていると思うのだが、何分登場人物が多い。
20名ほどの人間が密室で繰り広げた凄惨な追い込み。
8巻まで読んでも、まだ「山荘」には至っていない。
名前は、フィクションである。
もしも、実名だったら、まったく見方が変わるんだろうなあ。どきどきするし、自分のすでに持っている情報から、絵を観てしまうだろう。すごい仕掛けだ。
☆アフター・ザ・レッド:連合赤軍兵士たちの40年
朝山 実、角川書店、2012
こちらも合わせて読むといいだろう。こちらは、実名で、生き残った4名に対するインタビュー。インタビューはできたが、掲載を拒んだという人が誰か、ほとんどわかってしまうほど、少ないのだ。いまも生きている人は。獄中で自殺したり、病死したりも含め。
1971年、72年、21歳や27歳のあの頃から40年。
彼らはまじめだったのだと、逃げ出した一人は言う。
「総括」は、本人のためなのだと信じて、疑わなかったのだと。
確かに、漫画も、その辺りを克明に描いている。ちょっとしたノリや遊び心、好奇心で関わりだした軟弱な精神が、突き詰められて行く。革命へ、革命へと。
2015年3月22日 東京新聞