ERIC NEWS 431号 ともによりよい質の教育をめざして  2015年3月30日

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ERIC NEWS 431号 ともによりよい質の教育をめざして  2015年3月30日
at ERIC/from ERIC 主催研修/受託研修のプログラム
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(文責: かくた なおこ 角田尚子
http://ericweblog.exblog.jp/
twitter : kakuta09  FBもやってます。)

今週号も「遅れまして」で失礼します。東京のサクラは、例年より五日も早い満開を迎えて、今日明日が咲きそろうピーク。満開一番乗りでした。

わたしも、昨日の日曜日に染井桜まつりから巣鴨並木通りなどを自転車で回って、堪能しました。

2014年度最後のニュースは、いくつかのまとめをお送りします。

◆◇◆目次◆◇◆
1. 第3回国連防災会議 学び続ける社会としてよりよく生きる
2. 北京女性会議から20年、戦後70年をふりかえる
3. 2014年度をふりかえる
a ERICニュース
b 主催研修 ESDカレッジ
c TEST教育力向上講座
d ESDファシリテーターズ学び舎 まとめ
4. 2015年度 主催研修ESDファシリテーターズ・カレッジ予定
5. ご寄付のお願い

◆◇◆1.  第3回国連防災会議 学び続ける社会としてよりよく生きる◆◇◆

国連防災世界会議が仙台市で開催されました。2015年3月14-18日。

第3回となるこのthe World Conference on Natural Disaster Reductionの第1回は横浜で、国連自然災害削減10年(IDNDR)の中間年として1994年5月23-27日に開催され、その翌年に阪神淡路大震災がありました。
http://www.unisdr.org/we/inform/publications/8241

減災、防災のための横浜戦略が行動計画に盛り込まれたものの、その必要性と実践的な内容を求める動きは、翌年の震災をきっかけに広がったと言えるでしょう。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php

第2回は、その神戸市で、震災後10年を期して2005年1月18日から22日まで開かれました。
http://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/disaster_reduction/second/

今回の開催地、仙台市も東日本大震災で被災した地域です。日本と自然災害は切っても切れないものなのです。

リスク・コミュニケーション研究会の時にご紹介した「クロスロード」も、1000人の規模で実践されました。
http://www.bosai-sendai.jp/article/?c=100409

ERICの研修でも、取り入れたことがあります。
http://ericweblog.exblog.jp/14610649/
http://ericweblog.exblog.jp/14146258/

市民参加の促進についての意識化ができていない。行政は、市民参加のファシリテーター。だからこそ、人権感覚を身につけて欲しいし、人権尊重のために「参加」が大切だという視点を育てたい。

それが、このシュミレーション・ゲームを実践してみての実感でした。

■「ふくしまから世界へ」10の教訓

そのことは、「ふくしまから世界へ」プロジェクトが発行したブックレット『福島 10の教訓~原発災害から人びとを守るために~』でも指摘されています。

防災計画、避難計画、復興計画など、計画の段階から、あらゆる段階で、住民が参加し、情報を得、自分で判断できることが、実効性の上でも、住民自身のエンパワメントの面からも、大切だということです。

1 「原発は安全」という宣伝にだまされてはいけません 16
2 緊急時にはまず逃げることが基本です 20
3 情報アクセスと記録を残すことが重要です 23
4 包括的な健康調査と情報開示は被災者の権利です 29
5 食の安全と農林漁業を守るには市民参加の検査・測定と情報公開が重要です 33
6 完全な除染はできません 39
7 作業員の待遇改善と健康管理がなければ、事故収束のめどはたちません 42
8 被災者の生活とコミュニティの再建が不可欠です 46
9 被災者を守るための法律の制定・運用に被災者参加を求めましょう 50
10 賠償の負担は国民が背負わされています 54

教訓10 賠償の負担は国民が背負わされています

この項目には、具体的な
「原子力損害の賠償に関する法律(原賠法)」によって、原子力発電所の事故被害は賠償されるのですが、「今回の原発事故について政府が決定した損害賠償の枠組みは、事故に責任をもつはずの東電の存続を前提として、全国の電力会社と政府がそれを支援するというものです。最終的には電力料金の値上げと税金の投入により国民にその賠償費用が転嫁されています。」p.56

高濃度汚染水の処理や廃炉にするための費用、そして原発外にばらまかれた放射性物質の除染や廃棄物処理費用(移染、中間貯蔵施設での保管など)も同様です。
さらに、まだ最終処分にかかるお金、被ばく労働者の健康管理にかかわる費用は、考慮に入れられていません。

ふるさとを奪われたり、家族が共に住む場を奪われたり、生業を奪われたり、そのコストはどう計算するのか? 誰が負担しているのか? 将来の健康被害への不安と精神的苦痛は、拭いがたい。」

とあります。

教訓10 事故被害を「原発のコスト」に算入しなければなりません p.60

経験から学び、よりよく生きようとすることは、個人でも社会でも変わらない向上心なのではないでしょうか?

■学び続ける組織として、成長する

LO; Learning Organization、ピーター・センゲさんがまとめた「長生きしている組織の特徴」を、再度、共有しておきます。

1. メンバー一人ひとりが「自己習熟」を果たそうとしている。
2. チーム全体で学ぼうとしている。「チーム学習」
3. 自分たちが何ものであるかについて、囚われない。「自己イメージの変革」
4. これからどうなりたいかについて「ビジョンの共有」がある。
5. 経験から学び、改善していく「システム思考」

学び続ける組織が、よりよく生き残ることができるのです。

社会も同じだと思います。戦後70年を迎える今年、戦前の日本が経験した過ちを繰り返すことがあってはならないと思います。

■共生のための原則「万民の法」

ジョン・ロールズの「万民の法」を、過ちを糾すための視点として、共有しておきます。http://ericweblog.exblog.jp/778955/
1. 拡張主義をとらないこと。
2. 法治主義であること。
3. 基本的人権が尊重されていること。

加えて、国際理解教育の観点からは「アジアの他国に対する侮蔑的な態度、傲慢な優越感」を持たないことというのも、大事なことだと思います。そんな態度は取っていないと言う方がほとんどだと思いますが、攻撃的な言説を「しない・させない・見逃さない」こと。

植民地主義という膨張主義より、見えにくい膨張主義がグローバリゼーションなのではないでしょうか?

点検の視点を持って、「こうなりたい未来」に向けて、毎日毎日をよりよく生きることができるといいですね。

◆◇◆2. 北京女性会議から20年、戦後70年をふりかえる◆◇◆

アジア女性資料センター発行の『女たちの21世紀』no.81, 2015.3号は「特集 世界女性会議から20年 女性たちはいま」を載せています。

1995年のことである。

1985年の第3回世界女性会議(ナイロビ)から10年後の北京会議は、1992年のリオデジャネイロ・地球サミット以来の勢いに乗って、世界から5万人も集まったアジアで初めての女性会議となった。

1992年の地球サミットは、平行して開かれたNGOサミットへの日本からの参加も多く、NGO元年と呼ばれました。1995年は、阪神淡路大震災への支援の盛り上がりで「ボランティア元年」とも呼ばれました。

そのような盛り上がりの中開かれた北京会議。
第4回世界女性会議行動綱領は、「20世紀最高の人権意識に基づく国際文書」と評価されていると船橋邦子さんは紹介しています。
http://www.unwomen.org/~/media/headquarters/attachments/sections/csw/pfa_e_final_web.pdf
翻訳はこちら。
http://www.gender.go.jp/international/int_norm/int_4th_kodo/index.html

今年、国連では「北京+20」国際会議が開催され、この北京宣言の再確認が行われました。9 to 20 March 2015
16. Resolve to use all opportunities in 2015 and beyond in the areas of sustainable development, peace and security, human rights, humanitarian action, and climate change to take historic action for irreversible progress on gender equality, the empowerment of women and the human rights of women and girls.
http://www.unwomen.org/~/media/headquarters/attachments/sections/csw/59/declaration_draft_20_jan%202015.pdf

その後、世界女性会議は開催されていますが、北京会議の盛り上がりと成果を超えるものはないようです。

http://www.gender.go.jp/international/int_kaigi/int_women_kaigi/index.html

女性の地位のいまをインフォグラフィックスでまとめたものが、北京+20で紹介されています。

http://beijing20.unwomen.org/en/infographic/beijing-at-20
簡易翻訳はこちら
http://ericweblog.exblog.jp/21064228/

長くなるので、「戦後70年」については次回にでもします。
◆◇◆3. 2014年度をふりかえる◆◇◆
a ERICニュース
今年も51本のニュースを、毎週送ることができました。編集者のみなさま、ありがとうございました。そして、1300人の読者のみなさま、読み続けて下さっていることが、応援です。ありがとうございます。

これまでの「連載」をまとめてみました。

3a-1. 202020 

*:.。.:*202020 子どもに対する公的支援を高めよう! プロジェクト*:.。.:*
======2012年 202020 シリーズ===========
1. 世界に誇れる「子どもは宝物」だと示せる指標はどこにある? 2012年1月30日
2. 参加型学習を継続的に、かつ日常的に行なうのに適切な規模は何人? 2012年3月11日
3. 「学習からの逃避」と高等教育修了率の低さ 2012年5月6日
4. 子どもを自然の中に連れ出す、地域との連携を深める。必要な指導者数は? 2012年6月17日
5. 民主主義と教育。明治時代に始まった「兵舎型」校舎の「集団の規律」中心形式の限界 2012年7月22日
6. 近代のパラダイムを超える「教育の人間化」が近代の人間化につながる。2012年8月19日
7. 超えていくために教える
2012年10月1日
8. 学習性無力感とポジティブ・シンキング 2012年11月4日
9. 何を考えるかの「暗記型」教育から、どのように考えるかの「スキル習熟型」教育へ 2012年12月9日
10. 個別化教授法の工夫いろいろと、学級マネジメント 2013年1月13日

3a-2.  市民性教育を考える

1 気づきから行動へ-市民性教育とワールとスタディーズの本質 130217
2 価値観とビジョン-わたしたちはどこへ行くのか?         130324
3 市民としての行動力を育てる-政治的リテラシー、アドボカシーへ 130428   
4 4つの教育は一つ-共通する課題   130602
5 社会科教育は、市民性教育か?130811
6 倫理、道徳は、市民性教育か? 130915
7 市民性教育と消費者教育や反貧困教育、労働者としての権利の教育-セーフティネットとしての教育  131023
8市民性教育とESD-未来のための教育へ「ケアする心を育てる」 131124

3a-3 民主主義の学校
■民主主義の学校、第一行「法律の制定と民主主義」
http://ericweblog.exblog.jp/19244804
■民主主義の学校 第二行 パブコメを書こう
http://ericweblog.exblog.jp/19249118
■ 民主主義の学校 第三行 政治運動をしよう
http://ericweblog.exblog.jp/19331921/"
■民主主義の学校 第四行 一次資料を読む
■民主主義の学校 第五行 司法への参加
■民主主義の学校 第六行 改めて人権第一を再確認する
■民主主義の学校 第七行 アクション・リサーチに取り組もう!
■民主主義の学校 第八行 4A's 気づきから行動へ
■民主主義の学校 第九行 参加型民主主義のデザイン
■民主主義の学校 第十行 避難計画をたてよう
■民主主義の学校 第十一行 緑の学校を持続可能な地域の拠点に
■民主主義の学校 第十二行 これまでのふりかえりと展望
■民主主義の学校 第十三行 学校全体で取り組む
■民主主義の学校 第十四行 ESDの推進=機関包括型支援アプローチ
http://ericweblog.exblog.jp/20978542/

未完の連載もあります。PLTのアクティビティ紹介や連載「Check 9」ESDの実践を8つの視点でチェックする」などです。仕切りなおして、連載再開したいところです。

2015年度からは、「グリーン・スクールズ」を切り口として、再び、インタビューや実態調査などに取り組みたいと思います。理論と実践・現場の往復運動として「W型」の学びにつながれば嬉しいです。

b 主催研修

ホームページにアップしているものは以下。

3b-1 テーマ「国際理解」
http://ericweblog.exblog.jp/19968319/
3b-2 テーマ「環境」
http://ericweblog.exblog.jp/20045012/
3b-3 テーマ「人権」
http://ericweblog.exblog.jp/20240973/
3b-4スキル「対立」
http://ericweblog.exblog.jp/20363333/
3b-5 TEST2015教育力向上講座
http://eric-net.org/news/TEST2015kiroku.pdf

3c 今回のTESTで絶対まとめておきたかった視点の一つ。

あかん。力つきた。

互いから学び合う3つの意味を、もっとも深く、わたしは学びました。
1. 自ら発言する。受け止めてもらう。自信になる。他者を知る。広がる。
2. 互いの鏡になる。まねる。鏡を観て、自分に気づく。他者の視線からの自己確認。「ジョハリの窓」としての気づきの深まり。
3.  その場で起こっている事柄、ことばや行動などから学び合う。ゲシュタルト心理学やアレクサンダーテクニークのように、「Inhibition」「Means Whereby」立ち止まる、ふりかえる、なぜそうしたのかを省察する。自分が意図したことは、その方法で最善に表現されていたかどうかを吟味する。他の方法でやってみる。

この3つを行う力を伸ばすことで、「互いから学び合う」力は格段に伸びると思います。お試しあれ!


3d ESDファシリテーターズ学び舎 まとめ

自分でも信じられないから、確かめていないけれど、今日はすでに力つきているので、ネットの情報を信じてまとめておきます!

全部で604本の投稿。このニュースもアップする予定なので、605本。一年365日。どんなにひまやねん!
その内「週5プロジェクト」291本。これは絶対信じられない。
で、どの本がお勧めか、「2014年度選」をお届けしたかったのだけれど、 これも、次回にします。

夜桜見に行きたいので。

みなさまも、よい花見日々をお過ごしください。


◆◇◆4. 2015年度 主催研修ESDファシリテーターズ・カレッジ予定◆◇◆

御案内はこちらからダウンロードできます。
http://www.eric-net.org/news/ESDfc2015pamph.pdf

■2015年(平成27年)6月27日28日テーマ「国際理解」 
■2015年(平成27年)7月25日26日テーマ「PLT木と学ぼう・環境」 
■2015年(平成27年)9月26日27日テーマ「人権」 
■2015年(平成27年)10月24日25日スキル「対立から学ぼう」 
■2015年(平成27年)11月28日29日スキル「未来を学ぼう」
■2016年(平成28年)3月下旬予定TEST教育力向上講座


◆◇◆5. ご寄付のお願い ◆◇◆
1989年誕生の参加型学習老舗のERIC国際理解教育センター。
これまで続けて来られたのも、企画委員、運営委員、理事、テキスト購入者、ファシリテーター育成事業参加者など、みなさまのおかげです。感謝です。
これからもよりよい「指導者育成のための実践」推進のための情報提供、研修プログラムの提供などに努力していきたいと思います。
どこにもない価値を創造し、提供していくNPOとしての活動をぜひ支えて下さい。
◆◇◆ 以下のような活動に「25周年記念」として取り組みました。◆◇◆

■アクティブな教育を実現する対話と共考-ESD的教育力向上を目指して
インタビュー10 本、ブログ http://ead2011.exblog.jp/
■リスク・コミュニケーションを対話と共考の場づくりに活かす
日立環境財団からの助成金プロジェクトおよびテキストの翻訳
 http://focusrisk.exblog.jp/
■PLT Focus on Forest 一部翻訳 「森の健康診断」
ForestHealthCheck.pdf ERICホームページにアップ予定
■PLT大学生ショートプログラム
http://www.eric-net.org/news/PLTForestNova2014.pdf
■Learning to Care
http://ericweblog.exblog.jp/18988618/
PDFはERICホームページ「新着テキスト」より

■平和の文化への道を拓く平和教育 翻訳プロジェクト
http://pepathway.exblog.jp
最終的なネットでの提供は2014.3.18http://www.eric-net.org

■インフォグラフィックス研究会(ERIC主催)

■ゆるキャラ「リカリン」! 

■PLT 『世界の森林』 Forest of the World
これは現在も継続中プロジェクトです。近々、ホームページで提供開始。
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ゆうちょ銀行口座: 
10020-3288381 名義:トクヒ国際理解教育センター(ゆうちょ銀行同士)
◯◯八(ゼロゼロハチ)店008-0328838 名義:トクヒ国際理解教育センター(他の金融機関から)

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  (特定非営利活動法人)国際理解教育センター
ERIC:International Education Resource & Innovation Center

〒 114-0023 東京都北区滝野川1-93-5 コスモ西巣鴨105
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  ホームページ http://www.eric-net.org/
  Eメール   eric@eric-net.org
  blog 「 ESD ファシリテーター学び舎ニュース http://ericweblog.exblog.jp/
  blog  「PLT 幼児期からの環境体験」
http://pltec.exblog.jp/
  blog 「リスク・コミュニケーションを対話と共考の場づくりに活かす」
http://focusrisk.exblog.jp/
  blog アクティブな教育を実現する対話と共考-ESD的教育力向上を目指して
http://ead2011.exblog.jp/
  blog 平和の文化への道を拓く平和教育 翻訳プロジェクト
http://pepathway.exblog.jp/
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by eric-blog | 2015-03-31 10:45 | ERICニュース | Comments(0)
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