人気ブログランキング | 話題のタグを見る

連載 緑の学校 第四回 実践事例2 豊田市立若林西小学校「花だけじゃない緑と花いっぱいの学校づくり」

連載 緑の学校 第四回 実践事例2 豊田市立若林西小学校「花だけじゃない緑と花いっぱいの学校づくり」

38年前、新興住宅地の開発などで、子どもの数が増えて、近隣の小学校から分離して作られた小学校。真っ平らな田んぼのど真ん中の校庭は、風が吹くと砂埃が舞い上がるような環境だったそうだ。

初代校長は、「緑と花の豊かな学校づくり」を校是に、取り組みを始めた。

それがいまやどうだ。目立ったものだけでも次のような緑と花壇であふれている。
◎校門から入って、階段を下ったところにある「アーチ」。緑のトンネル。
◎入って左手に「緑のバトン運動」の挿し木箱が置かれた木立
◎アーチに続くフラワーポットの列
◎せせらぎ池の周りの緑
◎意匠をこらしたメイン花壇は、FBC花壇賞を受賞!
◎ゴーヤで育てたグリーンカーテン、こちらもコンクール受賞。
◎いこいの森
◎わくわく広場
◎藤棚
◎くすのき
◎果樹園「かじゅまる」
など、ネーミングも楽しいスポットでいっぱいだ。学年によって、どの場所で活動するかの活動内容が決まっているので、きっと子どもたち一人ひとりは「お気に入りの場所」を持っているに違いない。

また、春秋、年に二回、近くの駅舎にフラワーポット6個をプレゼントする活動も継続している。

育ったドングリの苗は、東北の被災地支援のために送られている。

若林西で育った緑や花は、地域だけでなく、もっと遠くの土地までも緑でうめているのだ。

若林西小学校の特色は、学校カリキュラムにしっかりと位置づいていることだろう。
・生活科
・理科
・図画工作
・総合的な学習

などの教科への取り入れに加えて、「行事」や「委員会活動」「部活動」でも緑化が取り入れられているのだ。

行事や特別活動の時には「ファミリー班」という一年から六年までの縦割りの班活動が行われている。危ない生き物や危険な植物など、子どもから子どもへと、受け継がれていく知恵が、そこにはあるのだ。

ドウダンツツジの挿し木体験は、地域の専門家が指導に当たってくれて、根が出たものを、六年生が卒業の時に、ポットに植え替えて自宅に持ち帰るのだ。「花」だけではない長期的な展望が「樹」を育てることにはあるのだと、実感した。

グリーンウッド委員会(みどりの少年団)活動、わくわくフラワー委員会、緑花部まであって、どの活動も子どもたちに人気だというのだから、どれだけ「戸外活動」が好きなんだ、ここの子たちは! ランドセルを背負ったまま、学校に来たらまず水やりという姿が、すべてを物語っている。

子ども一人あたりの緑と花の量で言えば、確実に人口よりも緑と花密度が上回っているはずだ。手をかけるということ、観察するということ、楽しむということ。

とても心地よい体験でした。

校庭の隅で、暗くなっても明かりがついている学童の建物の周りも、子どもたちの緑が増えるといいなあ。

学童保育の活動に「緑化」ってどうだろう? 子どもたちが「自分の居場所」感を育てることにつながらないかなあ。支援したい「緑化活動」の一つにあげたいね。

こちらの頁に、「若林西小学校」のニュースが乗っています。
http://ericweblog.exblog.jp/20390124/

これまでの連載はこちらから。

連載 第一回  「PLTのGreenSchools!  みどりの学校をESDで進めよう!」
http://ericweblog.exblog.jp/20403205/
連載 第二回  「緑の学校を持続可能な地域の拠点に」
http://ericweblog.exblog.jp/20414625/
連載 緑の学校 第三回 実践事例1 豊田市立西広瀬小学校「丸根山ビオトープ」http://ericweblog.exblog.jp/20469179/
by eric-blog | 2014-12-05 11:01 | ☆PLTプロジェクト
<< 日立財団 「環境NPO助成」第... 環境の学習と観測にもとづいたグ... >>