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ESDコンピテンシー 学校の質的向上と形成能力の育成のための指導指針

ESDコンピテンシー 学校の質的向上と形成能力の育成のための指導指針
トランスファー21、明石書店、2012
2374冊目

ESDについては、推進母体であるユネスコの以下の教員養成のためのプログラムがいちばん参照されるべきだろう。
TEACHING AND LEARNING FOR A SUSTAINABLE FUTURE
http://www.unesco.org/education/tlsf/

何が持続可能な開発であるかという基準や原則など、そしてコンセプト、合意されたものは見当たらない。しかし、確かなことは

「現在において支配的な生産・消費モデルを根底から変化させないままで人間の生活様式を大幅に変えることなんてありえない」

そのためには「精神面での大幅な改革が重要であれば、各個人の意識改革まのための教育が必要であるが、それは学習を通じてのみ実現される」20

理解と決定のプロセスへの参加と自制についての相当なコンピテンシーが求められる。

行動可能性の学習プロセスを改善することと、提案された行動戦略に向けて各個人の参加を統合すること。21

貧困撲滅、性差別の撤廃、エイズの撲滅などもESDの課題領域に含まれているし、持続可能な生活様式、消費、環境汚染、気候変動なども。

結果、ESDの拡散および過剰な負担が起こっている。22

そこで、問題解決能力としてのコンピテンシーと課題領域との接点で、考え方を整理していく。

コンピテンシーをつけるESDとは
「持続可能性の領域における主要な問題に根本的に取り組み、いくつかの解決案を知り、評価することを学び、行動可能性を得るという能力を身につける。これらの目標は「学際的知識」の伝授、「参加型学習」という形態、「革新的構造の構築」によって達成される。

「参加型学習」とは、すべての社会集団の関与が持続可能な開発のプロセスに求められるのであり、この関与の準備をするものである。60

「形成能力」とは、持続可能性に関する知識を応用し、持続可能でない問題を認識することができる能力。61

学校外のパートナーとの体系的な共同学習。62

授業における持続可能性のテーマの選択基準。63

・持続可能な開発という理念に向いているか(多次元の統合)
・ESDのコンピテンシーとの明確な関連づけ
・長期的な意義
・学問における幅広く多様な知見に基づいて特定のテーマについての研究と政策を根拠づける
・生活世界との関連性とグローバルな世界観を持たせる
・個人および共同体に、利害関係者に、政治、経済、学問、科学技術に対して望みのある行動可能性を示さなければならない
・自己組織的学習とパースペクティブ変容に有利な前提を与えなければならない
・学習者たちの教育目標にとっての重要性を明示しなければならない
・授業中に獲得される各教科のコンピテンシーと結びつけられなければならない

学校全体で取り組むための「ESDを取り入れた学校教育計画」p.120-

学校プロフィールづくり
ESDの理念の確認
現状把握
目標と計画
評価

「ESDを重視している学校の理念には、学校宇の質的向上に関するさまざまな分野において、持続可能な開発をめざす目標や価値観、ビジョンが明記されている。」131

以下、点検の視点をいくつかピックアップして紹介しておく。
・どのようなコンピテンシーを育成することが大切だと考えるか。
・「形成能力」を促進することの重要性をどうとらえているか。
・自分の学校では未来の課題に取り組むことの重要性についてどのように考えているか。
・適切な場づくりや参加型の学習文化が重視されているか
・授業や場づくりは、どのような方針や方法、コンセプトを参考にしているか
・校風はどのような点に現れているか。
・協力して創り上げていくということについて、どのように考えているか。
・環境にやさしい学校づくりや社会的公正を考慮した人間関係づくりに主体的にかかわることについて、すべての関係者は、どのように考えているか。
・学校を地域社会に開放し、学校外のの組織と協力体制を築いているか。
・社会的な課題に取り組むために共同で責任を担うにあたって、学校宇を開放し、学校外のパートナーと協力することはどのような役割を果たしているか。
・学校改善は何に寄って示されるか。
・リソースの投入は、どのような理念や方針に従っているか
・教職員の継続的な質的向上において、特に重要な点は何か
・理念が実質的な機能を果たすためには、作成段階で、学校関係者、児童生徒や保護者の参加が重要である。参加者全員で一緒に未来像や価値観を描けるようなグループワークの方法を用いる必要がある。
・未来会議における理念づくりのながれ  (Future Searchのこと)
➢共同での反省: 前年の主な「出来事(ハイライト)」のふりかえり
➢「象の全体像を把握する」:内外からみた自分の学校
➢未来像を描く: 強み、願望、ビジョン
➢共通の価値観や目標
➢理念を定式化する

by eric-blog | 2014-12-04 17:18 | ■週5プロジェクト14
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