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■□ 連載「ESDの10年を終えて、次へのステップに踏み出そう!」 □■

■□ 連載「ESDの10年を終えて、次へのステップに踏み出そう!」 □■
第一回 PLTのGreenSchools!  みどりの学校をESDで進めよう!

角田 尚子

今年は、国連ESD推進の10年の最終年ということで、日本政府も「多様な主体によるESDの推進」をキーワードに、岡山と名古屋でさまざまなイベントを開きました。
2014年11月10日から12日に名古屋市で開催された世界ユネスコ会議に併設されたフォーラムには36の分科会がもたれ、それぞれの分科会は本当に多様な主体によってリードされていました。
会場の外にはブース展示の場所もあり、それぞれふだんの活動の一端をかいま見ることができました。
わたし自身は、国土緑化機構と経団連自然保護協議会が共催したエクスカーション、ワークショップ、パネルディスカッションと、名古屋のファシリテーター仲間たちが主催したワークショップの二系列に参加。それぞれの印象は、この連載で紹介していきたいと思います。

特に印象に残ったのは、小学校における「緑の学校」の取組でした。PLTのGreenSchools!とのコラボで、ESDとしての質を高めることができるのではないかということを実感しました。

この連載では、特色ある学校の取組を紹介していきたいと思いますが、第一回は、PLTのGreenSchools!について、紹介いたします。

PLTのGreenSchools! は、生徒が彼ら自身の学校、家庭、地域の環境を改善する一人ひとりの責任に目覚めるためのものです。PLTのGreenSchools!に登録することで、生徒主導のGreen Teamを中心に、より健やかな学校を実現するために必要な道具、情報などの支援を受けることができます。PLT GreenSchools! は生徒の学問的な能力を高め、クリティカルな思考スキルを発展させ、リーダーを育てることに役立ちます。
https://www.plt.org/about-project-learning-tree-greenschools-program

活動から得られるもの:
・学校のランニングコストを削減できる
・生徒の学び、特に科学と数学の分野における学びの質を向上させる
・生徒のリーダーシップ・スキルを伸ばす
・あなたの学校の成果を広く地域社会に認めてもらうことができる
・生涯を通して環境保全に取り組むしっかりとした基盤をつくる。
・より健やかな学校環境が得られる

GreenSchools!のすすめ方(例)
1. Green Teamを結成する。メンバーには以下の人々が入っていること。
  ・生徒
  ・PLT指導者育成ワークショップを受講した教員が一人か二人以上
  ・学校職員(営繕、保健、カフェテリア関係者など)
  ・学校管理職
  ・保護者と地域のボランティア

2. チームで学校の環境的な質、健康さ、安全を改善するためにできることは何か、探索する。エコロジカル・フットプリントを減らすことは、環境にやさしいだけでなく、学校予算を削減することにもつながることが発見できるでしょう。

3. 生徒主導で行われる五つの実態調査がGreenSchools!の鍵です。どの項目から取り組んでも構いませんし、複数の項目に取り組むことももちろん、OKです。

  ・エネルギー調査
  ・水調査
  ・学校立地調査
  ・廃棄物およびリサイクル調査
  ・環境の質調査

4. 五つの調査の中から一つ、あるいはそれ以上の調査を行ったら、行動へと移ります。調査のデータに基づいて、あなたの学校環境を改善するために何をしたいかを決め、その目標に向けてとれる手だてを考えることができます。
行動計画は生徒が主導してたてるのが基本です。

  ・優先順位を決める
  ・現実的な、そして計測可能な目標をたてる
  ・計画を実効した後、改善の度合いを測ることも計画の中に入れておくこと。
  ・あなたの学校のエコロジカル・フットプリントの改善につながること
  ・生徒や職員にとっての健康さや学習機会となること

5. 行動計画に従って活動をし、評価・改善をしていく。

ざっと、以上のような手順ですすめていくのがPLTのGreenSchools!です。

現在の小学校などでの取組をPLTのGreenSchools!は以下の三つの観点から高めることができると思います。

1. 生徒主導のチームで取り組む活動を支援するので、生徒の主体性がのびる。
2. 「地域調査」「学校調査」などの調査用紙が学問的にしっかりと作られているので、それに従って行うことで、調査の方法が身に付く。
3. 行動計画を立案し、それに従って活動を進める実践的「サービス・ラーニング」のすすめ方が身に付く。

そしてこれらの特徴によって、「三つのキーコンピテンシー」を総合的に伸ばすことにつながるのです。

そして、PLTのGreenSchools!には、PLTが実践している優れた教授法のトレーニングを受けた教育的指導者がチームに入っていることで、「よりよい質の教育」が保障されることです。

まずは五つの調査項目の中から「学校立地調査」の調査票を翻訳し、共有していきたいと思います。

英語版は、PLTのウエブサイトで「登録」することで見ることができますので、英語版でこそトライしたいという中学校・高等学校の場合は、ぜひ、ご参考にしてください。

林野庁や国土緑化機構、「森林環境税」をもっている都道府県の緑化推進担当部署などとのコラボレーションで、「支援が得られる」仕組みづくりを、日本でもすすめたいと思います。


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視察先の一つ、若林西小学校のニュースに、早速紹介されました!

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by eric-blog | 2014-11-17 09:45 | ■週5プロジェクト14
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