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政治のなかの保育 スウェーデンの保育制度はこうしてつくられた

政治のなかの保育 スウェーデンの保育制度はこうしてつくられた
バルバーラ・マルティン=コルピ、かもがわ出版、2010
2342冊目

教育は、経済成長の鍵となる労働力の質の向上、および平等を志向する自律的市民の育成の両面で、重要な鍵をにぎっている。14

スウェーデン保育政策の基本理念の一つは、労働生活と家庭生活の両立を可能にすること。20


保育所は、人々が職をえるために農村から都市へと流出したことにより、子どもを育てるためのさまざまな社会制度が必要になったのだ。23

貧困層の子どもを対象とした「子どもクラブ」がつくられた。・・・貧困の化レッテルが1950年代まで続く。

フレーベルの教育思想にもとづく幼児教育が「子ども園」としてドイツから伝来。

保育所と幼稚園の二つのルーツが生まれた。

1968年の「保育施設調査委員会」が「近代的子ども観」を確立し、先進的な教育法を取り入れることがめざされた。37
・インテグレーションとノーマライゼーション
・対話的教育法
・テーマ学習を行う
・遊びの重要性
・空間構成
・教材
・両親との協働体制

答申で「職員がチームで保育を行う」「子どもの自発的テーマ学習」「異年齢集団をクラス編成の基本とする」「競争によってできなく、共同作業を通じて学ぶ」

民主主義、ジェンダー平等、連帯

1974年に「家族支援調査委員会」
・幼児は母親以外にも複数の他者と深い関係を構築することができる。
・親との根源的なつながりは失われない。
・父親の存在が重要
・子どもは他の子どもと一緒にすごすことで多くのものを得る

育児休業中の所得補償として母親手当。それが父親も利用できる「両親保険」へ。1975年44

70年代に保育拡大計画。

まずは、コミューンが推進。

80年代に「よりよい質」

1985年から91年は「プレスクール全入構想」が。
就学年齢が引き下げられる。

しかし、1990年代の経済危機により、質が低下。

現在、質的向上がめざされている。「ジェンダー平等」と「多文化の尊重」106

保育モデルは速い時代から確立した。そしてそれを何年も維持してきた。そのことがすごいことだと。

解説に、奥野隆一さんは指摘する。「1980年代が分岐点であった」と。
・民営化についての議論
・幼保一元化

いま、日本でも幼保一元化の議論はされているが、「学びの共同体」的な方向性は、政府での議論には見当たらないなあ。
by eric-blog | 2014-10-27 14:10 | ■週5プロジェクト14
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