ERIC NEWS 407号 ともによりよい質の教育をめざして  2014年10月12日

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ERIC NEWS 407号 ともによりよい質の教育をめざして  2014年10月12日
at ERIC/from ERIC 主催研修/受託研修のプログラム
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(文責: かくた なおこ 角田尚子
http://ericweblog.exblog.jp/
twitter : kakuta09  FBもやってます。)

台風二過、被害にあわれたみなさまに、お見舞い申し上げます。東京はまだこれから、です。
秋の運動会など、楽しみにしていた行事もお流れになるなど、影響が大きかったですね。後半の週末、多いに楽しみましょう! 

ERIC主催研修も、前半の「テーマ」型3本を終了し、後半の「スキル」系へと展開します。

関係性、コミュニケーションのスキル「対立から学ぼう」の研修は今月末、10月25-26日開催です。ぜひ、ご参加ください。

これまでの報告は、このニュースの「主催研修」の項目をご覧ください。

■□■1. atERIC「わたし」「あなた」「みんな」のスキルを伸ばす  ■□■

ERIC主催研修 ESDファシリテーターズ・カレッジの後半は、参加のスキルに焦点をあてていきます。

参加型学習が成立するには「参加」の態度姿勢行動が調っていなければうまくいきません。
コミュニケーションなしで参加型学習は成り立ちませんが、コミュニケーションを破壊的破滅的なものにすることも、わたしたちにはできるのです。

ヘイトスピーチや罵倒、ののしりなど、いったいどこで学んでくるのか、どこで身につけたのかと思うほど、人を貶める、卑しめる、へこませることばは、たくさんあります。

そういう言葉で、参加型学習の場はくずれてしまいます。

『学習の本質』において、よい学びには以下の条件が大切であるとしています。

学習者を中心とする
学習の社会性を重視する
感情が学習にとって重要である
個人差を認識する
すべての生徒をのばす
学習のアセスメントを活用する
水平的な関係をつくる

一人ひとりを大切にする、「対等」な関係、水平な関係性を大前提とする参加型学習は、「学習の本質」にもかなっているのです。
http://ericweblog.exblog.jp/17830509/

一方で、日本語のコミュニケーションをふりかえってみましょう。

『敬語で解く日本の平等・不平等』で著者の浅田秀子さんは、日本語の特徴を「階級遵守語」だと指摘しています。その上で、閉鎖的な地域社会で生きているわけではない現代社会における新たないいパターンの敬意表現が大切だと提案しています。

「乱暴なののしりは「ウチ」でしか許されない。「ウチの関係」の拡大では良好な人間関係にはつながらない。
・まず自分の不安を克服すること
・まわりを味方で固めなくても大丈夫なだけの確固たる自我を確立すること
そうすれば、少数のウチ以外の人は大切なソトの人間として丁重に扱わなければならないという気持ちになるだろう。」p.221

さらに第22期国語審議会は、これからの敬語について「敬意表現」を中核としていくことを提言しています。

自己を同定し、自己と他者の関係を同定し、その関係のおかれた文脈を同定し、語用を選択し、決定する。

浅田さんは、以下の四つの方法で、上下関係が決定されていると指摘します。
・下位者が上位者について使う尊敬語が、直接明示的に上位者を確認し、間接含意的に下位者が確認される。
・自分の行動について使う謙譲語が、直接明示的に下位者を確認し、間接含意的に上位者が確認される。
・自敬語=上位者が自分のことについて
・命令語=上位者から下位者

上下の関係性を明示しなければコミュニケーションがなりたたないとすれば、わたしたちは前近代を越えられないのではないでしょうか。

参加型学習とは「ウチ」の親密な関係を作るためのものではありません。あるいは上下関係を固定するものでもありません。

一人ひとりは、互いに異なる価値観、異なる考え方、異なる論理をもつ異質な存在であることを大前提に、どのようにそれぞれの考えや意見を共有することができるかを、学ぶ場であるのです。

「ウチソト」「上下」のない言語表現。それが参加型学習を成立させるコミュニケーションなのです。

「未来型」とERICが名付けたコミュニケーションのスタイル。対立から学ぶためには、そのような未来型コミュニケーションの場が必要なのです。

日本語の階級遵守性は、上下による力関係を固定化した、序列的で、ともすればへりくだった謙譲語が自己卑下的で自虐的な考え方に結びついたり、逆に加虐的な態度になってしまったりするのです。

過去型コミュニケーション。名付けた通りの現実が、実現されていきますように。

「わたし」「あなた」「みんな」、個性・関係性・社会性を伸ばすための基本は3つのAです。
Awareness「気づき=意識化する」
Attitude「肯定的な態度を育てる」
Action「より望ましいパターンの行動を学ぶ」

コミュニケーションを意識化し、自分自身、他者、そして社会に対する肯定的な態度を保つ、そして、いいパターンの行動を学び、実践する。

そのようなコミュニケーションが、未来のコミュニティをつくり出すのです。

「対立から学ぼう」

未来を築くためのコミュニケーションの力を、身につけて、実践力を高めましょう。スキルを磨くためのアプローチは三つ。

> 自己習熟アプローチ
> カリキュラムアプローチ
> 学校全体アプローチ

今回の「対立から学ぼう」では、特に「カリキュラム」アプローチに焦点をあてたいと思っています。

ぜひ、ご参加ください。


■□■2. 主催研修参加者へのアナウンス ■□■

今年度の研修には、「化学物質過敏症」の方が参加されています。電磁波過敏症も併発しているとのこと。研修室の中でどこに座るかにも配慮を必要としています。

参加者のみなさまには、以下のことをご留意いただき、ご協力お願いいたします。

○ 合成洗剤・柔軟剤・消臭剤(ファブリーズなど)を使用した衣類
○ ヘアケア(シャンプー類含む)用品
○ クリーニングしたばかりの衣料
○ 制汗剤・整髪料、香料の入った化粧品
○ ヘアパーマ、カラーリングして一週間以内(ヘナも含む)
○ 普段合成洗剤・香料入り洗剤をご使用の方は、50℃以上の湯で4回ゆすぎ洗いすると多少は化学物質を緩和することができます。(下着も全て)
○ ブレスケアなどの内服剤は厳禁。

わたし自身は洗剤を使用しない洗濯機を10年以上使っています。「心地よい」と思う洗剤のにおいも、化学物質なんですね。

工業的に生産される化学物質は10万種、大量に生産されているものだけでも5000種類が存在します。いまの科学技術産業社会の文明を支えている化学物質。まさに、わたしたちの生活は化学物質の複合汚染状態で成り立っているのです。

いまの文明の中で、化学物質過敏症というのは、わたしたち全員が体内に蓄積している化学物質の閾値を越えた時に発症してしまう文明病なのではないでしょうか。誰に発症してもおかしくない「文明病」であり、たまたま、鉱山のカナリアのように、その存在と危険性の警鐘をならしているのが、その患者なのです。

文明病の痛みと負担は、誰が担うべきなのかを考えたワークショップの記録はこちらです。
http://ericweblog.exblog.jp/19526903/

ぜひ、ご理解ご協力をお願いいたします。


■□■3. ワークショップの場  ■□■
ERICの主催研修は、基本的にERIC事務局で行います。事務所は全体で100平方メートル。資料だなやキッチン・トイレなどのユティリティを除けば、50平方メートルほどの、ちょうど教室サイズ程度の空間です。

ちょっと変わった形のテーブルが四卓。すでに生産中止なのか、中古しか出回っていないようですが、使い勝手はとてもよいですよ。可動式です。
http://officekagusagamihara.homepage.jp/2013/12/w1800kt172gn.html

椅子も可動式で、自由にペアやグループを組み替えて活動することが可能です。

参加型学習の活動形態は4つ。

個人作業
ペア作業
グループ作業
全体作業

模造紙を使っての作業には机が必要です。それは個人作業のノートテイキングでも同じです。傾聴などのペア作業では机がない方が良い感じ。人間静止画やゲーム、ロールプレイや寸劇の時は広々とした場が欲しい。

そのいずれの活動形態にも対応しやすい、それがワークショップの場に求められる条件です。

資料だなや研修グッズ棚、ERIC出版物の陳列棚など、さまざまな資料が詰まった事務所ですが、ワークショップの時にはその実力を発揮してくれるのです。

片隅には「茶菓コーナー」。リラックスして、笑顔で、集中。

集中力こそが、参加型学習の深化につながるのです。

一人ひとりが居場所感を持てる場、多様な活動形態に対応できる場。

ワークショップの場としては、なかなかの実力派です。

ぜひ、一度、お訪ねください。


■ □■4. ERIC主催研修ESDファシリテーターズ・カレッジ 2014年度の日程■□■
■ 2014年(平成26年)6月28日29日 国際理解 終了。
http://ericweblog.exblog.jp/19968319/
■ 2014年(平成26年)7月26日27日 PLT木と学ぼう・環境 終了。
http://ericweblog.exblog.jp/20045012/
■ 2014年(平成26年)9月27日28日 人権 終了
http://ericweblog.exblog.jp/20240973/
■ 2014年(平成26年)10月25日26日 スキル対立から学ぼう
■ 2015年(平成27年)2月21日22日 スキル未来を学ぼう
■ 2015年3月(平成27年)予定 TEST教育力向上講座


◆◇◆5. ご寄付のお願い ◇◆
 1989年誕生の参加型学習老舗のERIC国際理解教育センター。
 これまで続けて来られたのも、企画委員、運営委員、理事、テキスト購入者、ファシリテーター育成事業参加者など、みなさまのおかげです。感謝です。
これからもよりよい「指導者育成のための実践」推進のための情報提供、研修プログラムの提供などに努力していきたいと思います。
どこにもない価値を創造し、提供していくNPOとしての活動をぜひ支えて下さい。
◆◇◆ 以下のような活動に「25周年記念」として取り組みました。◆◇◆

■アクティブな教育を実現する対話と共考-ESD的教育力向上を目指して
インタビュー10 本、ブログ http://ead2011.exblog.jp/
■リスク・コミュニケーションを対話と共考の場づくりに活かす
日立環境財団からの助成金プロジェクトおよびテキストの翻訳
 http://focusrisk.exblog.jp/
■PLT Focus on Forest 一部翻訳 「森の健康診断」
ForestHealthCheck.pdf ERICホームページにアップ予定
■PLT大学生ショートプログラム
http://www.eric-net.org/news/PLTForestNova2014.pdf
■Learning to Care
http://ericweblog.exblog.jp/18988618/
PDFはERICホームページ「新着テキスト」より

■平和の文化への道を拓く平和教育 翻訳プロジェクト
http://pepathway.exblog.jp
最終的なネットでの提供は2014.3.18http://www.eric-net.org

■インフォグラフィックス研究会(ERIC主催)

■ゆるキャラ「リカリン」! 

■PLT 『世界の森林』 Forest of the World
これは現在も継続中プロジェクトです。近々、ホームページで提供開始。
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  blog 「リスク・コミュニケーションを対話と共考の場づくりに活かす」
http://focusrisk.exblog.jp/
  blog アクティブな教育を実現する対話と共考-ESD的教育力向上を目指して
http://ead2011.exblog.jp/
  blog 平和の文化への道を拓く平和教育 翻訳プロジェクト
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◎ERIC国際理解教育センター:持続可能な未来をめざして!
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by eric-blog | 2014-10-13 14:46 | ERICニュース | Comments(0)
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