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人類はどこから来てどこへ行くのか

人類はどこから来てどこへ行くのか
エドワード・ウィルソン、化学同人、2013
原著: The Social Conquest of Earth, 2012
2321冊目

社会的な生き物が地球を席巻している。

353-1(1528)創造 生物多様性を守るためのアピール
E.O.ウィルソン、紀伊國屋書店、2010
http://ericweblog.exblog.jp/10880065/

知の挑戦-科学的知性と文化的知性の統合−
ウィルソン, エドワード・O、山下篤子訳2002年、角川書店
http://ericweblog.exblog.jp/950129/

など、このブログでもよく紹介している人である。

「人間は部族を形成しなければならない。」65

人間の本性は何か?
人間の脳はあらゆる可能性の中から、ある特定の認知傾向があるようだと、視覚についての研究がしめしている。

ホモ・サピエンスに至るまでにたくさんの人類が存在したのだが、何が違いを生み出したのか。

道徳性、従順さ、宗教的熱意、戦闘能力が想像力や記憶と結びついて、勝者を生み出したのである。263

これらの傾向を育てたのが宗教でもある。

しかし、新たな啓蒙活動が必要になっていると、宗教がもたらす「強圧的な同族意識」のあやうさを指摘しつつ、著者は言う。

「強圧的な同族意識から人類を解放する助けとなる第一歩は、神の代弁をする、神の特別な代理である、神の御意を自分だけが知っていると語る権力者の主張をうやうやしく退けることだろう。」352

人類は地球で孤独であり、それゆえに人類はひとつの種としてわれわれの行動の全責任を負っているということなのである。353

この人の本は分厚すぎて、紹介するのがとても難しい。けれど、わたしたちが行く先に、「新たな啓蒙」科学と芸術、宗教を越えた取組が求められていることは明らかだ。
by eric-blog | 2014-10-04 10:26 | ■週5プロジェクト14
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