原発広告
本間龍、亜紀書房、2013 2303冊目 だれがタブーをつくるのか 原発広告・報道を通して日本人の良心を問う 鈴木邦男+本間龍、亜紀書房、2013.2.28 http://ericweblog.exblog.jp/17673433/ 電通と原発報道 巨大広告主と大手広告代理店によるメディア支配のしくみ 本間龍、亜紀書房、2012 http://ericweblog.exblog.jp/16702749/ 8月17日には「放射線についての正しい知識を」とした政府広報が主要新聞に掲載されました。 http://www.gov-online.go.jp/pr/media/paper/kijishita/624.html それに対して抗議する「異議あり!」が開かれました。また、原子力資料情報室も8月22日に抗議を出しています。 http://www.cnic.jp/5998 このブログでも『放射能汚染とリスクコミュニケーション』の紹介の中で、詳しく紹介しています。 http://ericweblog.exblog.jp/20200606/ ふたたび、マスコミは政府の「安全神話」を、一方的な主張のままに、垂れ流すのでしょうか。 重ねての出版を、本間さんはこう言います。 「大量の原発広告が国民に「原発は安全である」という印象を植え付けていたことは、広告・メディア業界に接した者なら誰でも気づくことだったので、早晩どこかの大手メディアが検証するのではないかと思っていました。 しかし、事故後2年が経過してもそうした動きはなく、このままでは原発広告の存在が忘却されてしまうのではないかと、強い危機感を覚えていました。 そんな中、2013年3月24日の青森県ローカル三紙に掲載された日本原燃と電気事業連合会による三十段広告が私の背中を押しました。」 朝日新聞たたきをしている場合ではないでしょう。この本を読んで、強い怒りを覚えました。 「広告批評」1987年6月号の特集で天野祐吉さんは、原発広告特集を組みました。その時のことについて、本間さんがインタビューした中で、天野さんは「欧米には、ある種の意見広告に対して、その同じスペースを無料で反論者に提供される制度」があると言います。103 日本には反論権がないから、一方的に金持ちの意見だけが広告できるのだと。 さらに、本間さんが延々と引用しているのが、1991年の「原子力PA方策の考え方」です。 よくもまあ、こんなに人のことを「操作的」に考えることができるものだと、その非人道性、非教育的態度に、怒りを覚えます。人に対して操作的に振る舞うことは、甚大な人権侵害です。 いまだに、ネットで読むことができるので、ぜひ、お読みください。 http://labor-manabiya.news.coocan.jp/shiryoushitsu/PAhousaku.pdf この人達の名前は忘れないことにします。 ** 1991年3月 科学技術庁(当時)からの委託を受けて財団が下記メンバーにより検討した結果の報告書 原子力PA方策委員会 委員長 中村政雄 (読売新聞社論説委員) 委員 田中靖政 (学習院大学法学部教授) 赤間紘一 (電気事業連合会広報部部長) 片山 洋 (三菱重工業広報宣伝部次長) 柴田裕子 (三和総合研究所研究開発部主任研究員) オブザーバー 松尾浩道 (科学技術庁原子力局原子力調査室) 村上恭司 (同庁原子力局原子力利用推進企画室) 事務局 松井正雄 (日本原子力文化振興財団事務局長) 戦前の「NIPPON」や「FRONT」、「アサヒグラフ」なども対照させながら、プロパガンダまみれの原発広告の実態を、暴いています。 「自らの主張は根拠がなくても高らかに宣言し、弱い部分はおくびにも出さない、このためらいのない強気な姿勢こそが、一般大衆をだますプロパガンダの真骨頂です。」18 言うまでもなく、プロパガンダと教育はあいいれません。 プロパガンダを見破る力をつけることが、メディア・リテラシーです。 事故が起こるたびに広告費が上がり、プロパガンダの手法が巧妙化してきた事実を見れば、これからの教育が、何に子ども達を備えて行かなければならないか、あきらかでしょう。
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| 2014-09-19 09:55
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