ERIC NEWS 387号 ともによりよい質の教育をめざして  2014年5月18日

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ERIC NEWS 387号 ともによりよい質の教育をめざして  2014年5月18日

   at ERIC/ from ERIC 主催研修・ファシリテーター派遣研修
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(文責: かくた なおこ 角田尚子
http://ericweblog.exblog.jp/
twitter : kakuta09  FBもやってます。)

5月に入っても、寒い日も多いですね。

先週末には、二つのイベントがありました。一つは個人的な趣味の世界。「椅子づくりワークショップ」。もう一つは「女たち・いのちの大行進」です。

記録はこちらから見ることが可能です。動画もあります。
http://inochi511.seesaa.net

思い思いの衣装ではでやかに集った女たち、そして会場に開かれた「ワールド・バザール」、多彩なパフォーマンスと、心もからだものびやかに、深呼吸できた一日でした。

国際理解とは、それぞれの個性的、地域文化的、社会文化的な違いを認めつつ、その多様性を楽しみつつ、国際社会や地球のよりよいいのちのあり方、よりよい質の生きるということを、すべてのいのちに対して保証していこうということだと思います。

集い、パフォーマンス、食べ物、ファッション、ゆっくりウォークのすべてを通して、そんなメッセージが発信されていたと思います。


◆◇◆1. ESDファシリテーターズ・カレッジ「国際理解」◇◆
2014年6月28-29日に開催されるERIC主催ESDファシリテーターズ・カレッジの「国際理解」のテーマが決まりました。最新のプログラム予定はホームページからダウンロードできます。

ESDfcは年間6回開かれます。前半の3回はテーマ別です。大きなテーマは「国際理解」「環境」「人権」です。

第一回ESDファシリテーターズ・カレッジのテーマは「国際理解」です。

1972年、スウェーデンのストックホルムで開かれた国連環境会議で共有された、「わたしたちには人類共通の課題がある」というメッセージは、1974年のユネスコ勧告へと反映されました。人類共通の課題解決のためには、教育が大きな役割を果たすのだということです。

教育が、地球の、人類の、国際社会の、よりよい生き残りのための鍵である。

そのことはいまも事実です。

ストックホルムから20年、1992年のリオデジャネイロで開かれた地球サミット、そして2002年ヨハネスブルグで開かれた国連会議でも、「生物多様性条約」や「気候変動枠組み条約」など、環境問題に焦点があたっている印象が強い。

ここで、わたしたちがしっかり理解しておかなければならないことは、このような国際会議、国連の諸条約は、「国際理解」という土壌の上に成り立っているということです。

では、「国際理解」とは何でしょうか。その基本を示しているのが『ワールドスタディーズ』(ERIC、1991年)です。

『ワールドスタディーズ』は、学習者中心の参加型学習の方法論によって、いまの世界を読み解くための「基本概念」と「テーマ」の交点にアクティビティを開発しています。

テーマは「世界とのつながり」、「貿易の不均衡」とその背景にある帝国主義による植民地支配、「家庭における男女の役割」、「人種差別」、「協力」、「代替エネルギーの未来」です。

わたしたちが「国際理解」を言う時、いまの国際社会を成り立たせている共通理解は何かを、理解することが大切なのです。

それは、つながりと協力、いまの世界の不平等の根源にあるものを理解することです。

今回は、そのような『ワールドスタディーズ』の国際理解へのアプローチを踏まえながら、『テーマワーク』で紹介されているテーマ学習の方法で、国際理解の課題を考えて行きます。

テーマは「人権と死刑」です。

このテーマを選んだきっかけは駐日欧州連合代表部の問題提起からでした。
http://www.euinjapan.jp/world/human/penalty/

この声明は次のような文章で始まり、そして、最後は「対話をしましょう」と結ばれています。

「欧州連合(EU)は、世界のあらゆる国での死刑制度の廃止を目指して活動しています。この姿勢は、いかなる罪を犯したとしても、すべての人間には生来尊厳が備わっており、その人格は不可侵であるという信念に基づいています。これは、あらゆる人に当てはまることであり、あらゆる人を守るものです。有罪が決定したテロリストも、児童や警官を殺した殺人犯も、例外ではありません。暴力の連鎖を暴力で断ち切ることはできません。生命の絶対的尊重というこの基本ルールを監視する立場にある政府も、その適用を免れることはできず、ルールを遵守しなければなりません。さもないと、このルールの信頼性と正当性は損なわれてしまいます。」

生命の絶対的尊重。

その呼びかけに、日本社会はどう答えるのでしょうか。『ワールドスタディーズ』の教え方・学び方を、ファシリテーターとして身につけたいと願うみなさんとともに考えたいと思います。

重たいテーマでも、ともに考える、みんなの頭で考えることができる、そんな実践力をつけていきましょう。

ぜひ、ご参加ください。

プログラムの詳細および申し込みは、こちらから。
http://www.eric-net.org/


◆◇◆2. いま、再びの『ワールド・スタディーズ』◆◇

ERICが1992年に最初に出版した『ワールド・スタディーズ』。学習者中心の参加型による教え方・学び方のテキストとして認識されていると思いますが、方法とは別に、どのようなテーマが取り上げられているか、改めてリストアップしてみると、この本は、イギリス帝国主義を超えて、世界との和解を目指したものであることが、よくわかります。
○貿易による不平等
○世界を分割したヨーロッパ
○女性差別
○人種差別

WSが出版された1980年代、これらの課題は、いまの社会を問い直す契機を孕んだものだったはずです。

そして、いま、わたしたちは何を「参加型での学び方・教え方」で取り上げて行くのでしょうか。

「人権と死刑」もその一つですが、以下のような議論を、専門家レベルに任せるのではなく、私たち自身の身近なところで、そして、教育現場で、実践していくことが、求められているのではないでしょうか。

朴裕河さんが言うように、「これからの運動は、「慰安婦問題」否定者たちを増やしただけで終わらせるのではないとすれば、新たに日本人を対象に対話を始める必要があるのではないか。」

いまの政局の動きでも、日本国内の対話はないままに、対米、対中、対韓などの国際関係やいわゆる外圧で、決まっているだけで、わたしたちの間での議論や話し合いは、分断されたままなのではないでしょうか。メディア上でいくら議論があったとしても、わたしたち一人ひとりは互いに向き合わない限り、成長しないと思います。

「熟議型民主主義」が有効なのは、「対等な水平関係における学び」においてだと思います。民主主義の成熟のためには、「熟議」の場が必要なのです。同じ主張の人々が集まって、示威行動を繰り返しているだけでは、合意形成はすすみません。

ERICのファシリテーター・ネットワークのファシリテーターたち一人ひとりが、「熟議」の場を作り出して行けたらと願います。

○マイケル・サンデルの白熱教室 日中韓の未来の話をしよう
http://ericweblog.exblog.jp/19800854/

○「慰安婦」問題の解決に向けて シンポジウム記録 開かれた議論のために
http://ericweblog.exblog.jp/19801448/


◆◇◆3. 異文化コミュニケーション・トレーニング シミュレーション体験会のご案内◆◇

いま、ERICでは、主体的に学び、発信する「ヨッシャー・ゼミ」をサポートしています。
○佐藤宏幸さんの「しっかり英語 セルフ・チェックで上達する英語の発音」指導
○福田紀子さんの「アサーション・トレーニング」の全貌
○大瀧英樹さんの「障害者の語り場づくり」

などなど、成果を目指してていねいに学びと実践のプロセスを同行しています。さて、今回ご案内するのは、「多様性教育プログラム開発」のためにインターンをしている寳納弘美さんからのご案内です。

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私たちは、多様な価値観・コミュニケーションスタイル・文化背景を持った人々と協働できる人材を育成するため、
参加者の認知・感情・行動の変容を促すシミュレーション(類似体験)の開発・実践を行って
います。

今回は、開発中のシミュレーションを皆様に体験していただければと思います。
トランプを使った簡単なシミュレーションゲームを体験後、
皆様の感想やアドバイスをお伺いし、
今後のシミュレーションの開発・実践に反映させていただきたいと思っています。


◆こんな人におすすめ!
国際理解教育・異文化コミュニケーション教育・ダイバーシティトレーニングに興味がある方、既に行っている方
参加・体験型学習に興味のある方

是非、ご応募ください!

◆企画者・ファシリテーター
大久保正美(おおくぼ まさみ): 異文化トレーナー、国際交流事業コーディネーター
寶納弘奈(ほうのう ひろな)  : 異文化理解・多様性教育トレーナー

◆日時
2014年6月1日(日) 13:30~17:00 (13:15受付開始)

◆会場
かつしかシンフォニーヒルズ 別館 会議室パンジー
〒124-0012 東京都葛飾区立石六丁目33番1号
アクセス:http://www.k-mil.gr.jp/institution/access/sym_access.html

◆参加費
500円(お菓子代含む)

◆定員
10名(先着順)

◆お申込み
https://docs.google.com/forms/d/1uisYDTZFJAZF7ie22eT-TP-2BtRY23JM--KzpsoEoXw/viewform?c=0&w=1&usp=mail_form_link


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体験会の後にお時間がありましたら、懇親会にもご参加ください。

時間:17:15~19:15?
場所:かつしかシンフォニーヒルズのレストラン
    http://www.k-mil.gr.jp/restaurant/
費用:コースではなく単品オーダー、個別精算

東京スカイツリーが見えるレストランで、
参加者同士で情報交換やおしゃべりをしながら、親交を深めましょう。
お気軽にご参加ください。

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◆◇◆4. from ERIC人材育成研修で、ファシリテーター力をつけて、参加型学習を広げましょう。◇◆
ファシリテーター育成のための研修を、さまざまなテーマで開きませんか。

ERICファシリテーターによる研修会は、次のようなテーマについて、ともに学ぶ、ともに考える、ともに行動する「気づきから行動へ」のプログラムを経験し、実践できることを目標にしています。

○いじめ 関係性による問題解決に焦点をあてるのではなく社会性を育てる
○わたしが大事、あなたも大事 相互尊重的コミュニケーション力を育てる
○アサーション・トレーニング 非攻撃的自己主張の力を育てる
○対立から学ぼう 対立は悪くない、対立の扱い方を学ぶことが大切
○「遅れてきた定着民」 部落問題の歴史的背景を考える
○「あなたは信じる?」 六曜はなぜいけないのか、部落解放運動の思い
○女性の人権 「女らしさ・男らしさ」 期待と抑圧

以上のようなテーマ、あるいはニーズに合わせて、テーマに合わせて2-3時間の研修が可能です。

その他、6時間研修、12時間研修の基本コースが、人権・環境・国際理解についてあります。
○国際理解教育ファシリテーター養成研修
○人権教育ファシリテーター養成研修
○PLTファシリテーター養成研修 

6時間研修の基本は次のような三つのセッションで構成されています。
セッション1 共通基盤づくり
セッション2 流れのあるプログラムの体験
セッション3 ふりかえりと参加型研修の特徴

参加型学習を支える教授理論の一つが「構成主義的理論に基づいた経験学習のアプローチ」です。そして、その学びに対する経験学習的アプローチは、指導者育成においても、繰り返し繰り返し実践され、実践されることで身に付いて行くのです。

12時間研修は、この基本の6時間に加えて「流れのあるプログラム開発」と「ファシリテーション実践」「評価についての考え方」が取り入れられます。

評価、ふりかえり、省察は経験学習的アプローチを通して学びに必須の活動です。気づきをもたらす「ふりかえり」、そして「ふりかえり」から行動へと成長していくプロセスを、しっかりプログラムできるようになることが目標です。

参加型学習は、「参加の文化」への道なのです。参加の文化は、民主主義の目標でもあり、民主主義の実践でもあるのです。

参加型学習を通して参加のスキルと参加の力を身につけ、参加の文化の実現と実践をすすめていきましょう。


◆◆◇◆5.  fromERIC 自然体験活動指導者のための研修講座~アウトドアのプロをめざそう!◆◇

PLT12時間研修を受講できるチャンスです。

まだ定員には達していないようですよ!

プログラムは、「幼児期からの環境体験」を配慮して、決めました。

いま「森の幼稚園」が認定幼稚園として認められるようになるという動きもあります。これから、幼児教育関係者に対して、「幼児期からの環境体験」をファシリテートすることができる力、戸外に連れ出して遊びを通して子どもの成長をはかることができる力が、求められて行くことでしょう。

あなたの子どもに自然が足りない?!
http://ericweblog.exblog.jp/3842327/

*日 時:2014年5月24日(土)~25日(日)(12時間)
*場 所:国立那須甲子青少年自然の家(〒961-8071 福島県西白河郡西郷村
大字真船字村火6-1)
       電話0248-36-2331(代表)
       FAX 0248-36-2150
       http://nasukashi.niye.go.jp/
*講 師:角田尚子(国際理解教育センター、PLT日本コーディネーター)
*対 象:学校及び青少年教育関係者、大学生、自然体験活動に興味を持つ
18歳以上の方
*参加費:4,000円(食費、宿泊費、情報交換会費、保険代ほか)+テキスト代
*定 員:20名
*受付開始:4月26日(土)(予定)
*受付締め切り:先着順に受け付け、定員になり次第締め切ります。
*申し込み方法:4月初旬にHPに開催要項がアップされますので、参加申込書
に必要事項を記入の上、メール、FAX、郵送にてお申し込みください。
*問い合わせ先: 国立那須甲子青少年自然の家(担当:企画指導専門職 安部・
大竹)
     電子メール nasukashi26kikaku★niye.go.jp
           (★を@に置き換えてください
*その他:開催のチラシに参加申込書があります。
        http://nasukashi.niye.go.jp/datablock/282_file_1.pdf 

■「自然体験活動指導者のための研修講座 アウトドアのプロになろう!」
第一回 PLTファシリテーター養成 プログラムの流れ
2014年5月24日-25日(土日)

対象: 20名
ねらい:
○PLTのファシリテーター養成12時間研修として
➢PLTのアクティビティ・プログラム体験
➢アクティビティ実践
○「幼児期からの環境体験」について
○環境教育プログラムとしての改善の視点を共有する

プログラムの流れ

セッション1 共通基盤づくり
10:00-12:00

セッション2 流れのあるプログラム
13:00-15:00

セッション3 PLTについて+「幼児期からの環境体験」
15:00-17:15

セッション4 ファシリテーション実践 アダプト・アクティビティ
8:00-12:00

セッション5 ふりかえりと個人的行動計画
13:00-15:00

詳細はESD学びやブログで。
http://ericweblog.exblog.jp/19797562/

◆◇◆6. at ERIC主催研修ESDファシリテーターズ・カレッジ2014年度の日程が決まりました。◇◆
■2014年(平成26年)6月28日29日国際理解
■2014年(平成26年)7月26日27日PLT木と学ぼう・環境
■2014年(平成26年)9月27日28日人権
■2014年(平成26年)10月25日26日スキル対立から学ぼう
■2015年(平成27年)2月22日23日スキル未来を学ぼう
■2015年3月(平成27年)予定TEST教育力向上講座


◆◇◆7. ERIC25周年に向けたご寄付のお願い ◇◆
 1989年誕生の参加型学習老舗のERIC国際理解教育センター。
 これまで続けて来られたのも、企画委員、運営委員、理事、テキスト購入者、ファシリテーター育成事業参加者など、みなさまのおかげです。感謝です。
これからもよりよい「指導者育成のための実践」推進のための情報提供、研修プログラムの提供などに努力していきたいと思います。

 日常活動に加えて、25周年に向けて、事務所のリニューアル、フューチャーサーチ走向未来ワークショップの開催など、企画しています。
 特別活動支援のために、テキスト活用、研修参加などのご支援に加えて、ぜひ、ご寄付をお寄せください。よろしくお願いいたします。
ご寄付先 金融機関
ゆうちょ銀行口座: 
10020-3288381 名義:トクヒ国際理解教育センター(ゆうちょ銀行同士)
◯◯八(ゼロゼロハチ)店008-0328838 名義:トクヒ国際理解教育センター(他の金融機関から)

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  (特定非営利活動法人)国際理解教育センター
ERIC:International Education Resource & Innovation Center

〒 114-0023 東京都北区滝野川1-93-5 コスモ西巣鴨105
  tel: 03-5907-6054(研修系) 03-5907-6064(PLT・テキスト系)
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  ホームページ http://www.eric-net.org/
  Eメール   eric@eric-net.org
  blog 「 ESD ファシリテーター学び舎ニュース http://ericweblog.exblog.jp/
  blog  「PLT 幼児期からの環境体験」
http://pltec.exblog.jp/
  blog 「リスク・コミュニケーションを対話と共考の場づくりに活かす」
http://focusrisk.exblog.jp/
  blog アクティブな教育を実現する対話と共考-ESD的教育力向上を目指して
http://ead2011.exblog.jp/
  blog 平和の文化への道を拓く平和教育 翻訳プロジェクト
http://pepathway.exblog.jp/

東京新聞
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by eric-blog | 2014-05-17 18:52 | ERICニュース | Comments(0)
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