はじめてのマルクス
佐藤優、鎌倉孝夫、金曜日、2013
2146冊目
金曜日という出版社があるんだねぇ。
佐藤優さん。東京新聞のコラムも楽しみに読んでいる。あらためて、マルクスの資本論をおさえた上で、いまを見てみようという提案。
国家は国民統合のために徴税する。それを巨大資本に分配する。30
徴税と政治家は特捜部。31
デフレもインフレも特定の資本が得するだけ。無意識のうちに資本家的な利益のみを体現している議論になっている。42
株式は資本ではなく、商品である。46
ロシア人は商品経済の領域を少なくしようとする動きが非常に強い。51
そのおかげで、債務不履行がおこっても国民生活を本当に直撃するということがなかった。
商品系゛再そのものには個性なんかない。あえていうなら資本家の自己実現はある。しかし、労働者の自己実現は絶対ない。73
オカネを持たない人間は社会関係を結べない。それでいいのか? 74
直接の人間関係があるところにおいては、極力、経済の論理、おカネの論理を排除する。それを自分のできるところから実践する。75
おカネで判断されているいまの大学においては教育崩壊している。76
産業資本が農民の土地や手工業者の生産手段を奪う。その奪う過程は暴力的です。・・・それが資本主義の発生の根本的な条件。84
共同体という生存基盤を暴力的に破壊しなければならない。
土地があれば、必要なものはつくれる。それを互いに協同して労働すれば、そこで生活が成り立つ。85
労働力商品化からの脱却。
労働者としての日常的な行動の規準が、・・・・基本的には生活と人権を規準にして行動する。115
教育は社会に属する。国家のものではない。117
対談のあとがきに、鎌倉さんが言う。
すでに現れている新しい公共性とか社会的包摂とかに示される”民主主義の衣をまとったファシズム”の危険性を強調したい。175
時代は繰り返さない。常にいまの状況を読み解き、行動する必要がある。