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性差別主義と戦争システム

83-1(382) 性差別主義と戦争システム
ベティ・リアドン、けい草書房、1988
Sexsism and the War System,1985

フェミニズム研究と平和研究との統合がなんとしても必要だ、リアドンの結論と主張はそこにある。戦争システムというのには、暴力一般を含みつつ、それを生み出す社会・心理構造、政治的・経済的モチベーションなど総合的にアプローチしている。彼女は、平和研究だけではなく、フェミニズム研究が、平等で構成な社会の実現、真の平和の実現には必要なのだという。女性の問題こそは、平和運動のめざす目的と不可分一体の問題であり、相互に補完し、一体化することによってのみ、戦争システムの変革につながると。

システム変更=変革の要は「情緒的成熟」だとリアドンは言う。
文化的変容、社会的私的レベルでの人間関係の変容。146
教育は、変化し、学習し、成熟する人間の能力の肯定148
動的・有機的変革148
女性の道徳的成熟の2つの要素(ギリガン)-選択する権利と能力ある成人である自分を受け入れる、選択にあたって、男性の中傷的な正義概念と女性の前後関係を考慮した思いやりの概念の双方を理解する能力を開発すること。152
正義と思いやりは排他的なものではなく、補完しあう道徳的概念である。153


ヘンダーソンの言うパラダイム・シフト、ガードナーの指摘する「文化相対主義・反差別主義・反要素主義・反メリトクラシー」
わたしたちが共有すべき、80年代からの学びと、その上に築かれているべき現在であるのか否か、システムはどれほど変わったのかを、どのように検証すればいいのだろうか。

by eric-blog | 2005-05-09 06:46 | ■週5プロジェクト05
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