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教育のトレンド 図表でみる世界の潮流と教育の課題

教育のトレンド 図表でみる世界の潮流と教育の課題
OECD教育研究革新センター、明石書店、2009
2040冊目

原題は「Trends Shaping Education」教育を形作るトレンドである。

教育に影響を与えているものを社会、人口、自然、技術、経済、政治などから洗い出し、「それで教育は・・」というサマリーが各節につけられている。

トレンドはOECDが調査してきた40年以上の長期的なデータから判断されている。

トレンドは未来予測ではないと、本書は警告する。だからこそ、次のような問いが大切だという。
◯自分にとってトレンドはどのような意味をもつのだろうか?
◯他にも考慮すべきトレンドもあるだろうか?

第一章 高齢化がすすむOECD諸国
65歳以降も20年近く生きる。65歳以上人口は2050年までに倍増する。
また、初期教育の長期化の傾向が見られる。

第二章 世界の人口、貧困、そして環境問題
人口は増えている。そして、より都市環境で生きるようになっている。学校は「社会の錨」になりえるのか?
人間開発の水準の格差がある。そのために人々の移動も起こる。

第三章 新しい経済の展望に向けて
国際市場での競争の激化と、そのために教育は、革新的であるために必要な創造力を養っているだろうか?
知識集約型のサービス経済が成長し、研究開発の強度が強まっている。

第四章 替わりつつある仕事や職業の世界
労働時間は減っている。フルタイムが減っている。女性も働くようになっているが賃金格差は依然として大きい。

第五章 学習社会
高学歴の人々が増えている。そして、女性の方がより高学歴である。そして、ここでも途上国から先進国への留学生の増加という移動が見られる。

第六章 ICT: ネクストジェネレーション
ハードの高性能、一般化。ネット上の情報やブログなどの発信の増加。

第7章 シチズンシップと国
投票率は下がり、その他の政治参加が増えている。ますます多くの女性が議会へ。(日本は最下位)公務員数は減っている。

第8章社会的関係と価値
より多様な形態の家族へ。他者への信頼は北欧諸国、オランダ、イギリスで高い。
無宗教者が増え、自己表現志向が増大している。特に、日本では無宗教な合理的価値が強い。「権威を尊重することがよいことかどうか」と聞かれて日本は世界最低の回答率だが、本当か?77

第9章 持続可能な豊かさ
エネルギー消費は増えている。不平等は広がっている。肥満傾向などライフスタイルの健康リスクは高まっている。戦後から1983年まで、もっとも平等な時代だったんだ。

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by eric-blog | 2013-09-11 13:03 | ■週5プロジェクト13
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