戦いすんで、夜が開けて、選挙の結果について考えてみた。

戦いすんで、夜が開けて、選挙の結果について考えてみた。わたしにとっては、都議会選挙とは言え、「3.11」以降、Think Nukes 30 の一環なのですが、どうやら、エネルギー政策やらは争点ではなかったようで。

東京都議選2013

【投票人口の概要】

2013年平成25年6月2日現在の選挙人名簿登録者数は10,761,055人。男女比で言えば、女性が15万人ほど多い。
この3ヶ月で新成人の登録数は26,258人増加 。(ヒューヒュー、おめでとう!) そして、全体としても1万人ほどが増えている、まだ若い都市である。新成人、すなわち20歳以上になる人は、年間では10万人程度、投票人口の1%にも充たない。彼らは1993年、平成5年生まれ。

26258-9283=16975人が亡くなったか転出したということ。つまりは、全体としてはほとんど大きな動きのない選挙区だということである。

在外選挙人も26545人。この数字も長年変わらない。日本人がどんどん海外で活躍するようになった! というような変化は見られない。

この数字は、それぞれの区市町村で把握されている数を集計したもの。東京都は集計しているだけ。区部での増加が著しく、市部などでも減少傾向が強い。

数字は東京都選挙管理委員会より
http://www.senkyo.metro.tokyo.jp/

戦後、たった200万人の人口で始まった東京都は、20年後の1969年には800万人にせまり3倍に激増した。その後、1981年以降再び上昇傾向を強め、現在の1000万人を越えたのは、2005年のことである。

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グラフを観てあきらかなのは、1970年代以降に東京都に流入してきた人口および新成人となった人口は、たぶん、投票に行っていないということだ。

すなわち、いまの投票行動のパターンは、「初期東京流入人口に支えられた高齢者の人々」のパターンであることがわかる。彼らの選挙行動パターンは、二種類に分けられる。出身地の権力構造を擬した「地域郷党型」と、労働者としてのアイデンティティに根ざした左派型である。

2009年に民主党が取り込んだ非政治層は、今回の選挙であっけなく離れてしまったということだ。彼らが政治に戻ってくるためのアプローチを、「劇場型」「祭り型」「維新型」に求めるのは、この揺れ幅を大きくするだけにしかならないようにも思える。

いずれにしても、東京都、1200万人の人口の8割の投票人口の、4割、すなわち、居住している人々の3割程度の人々の、さらに4割程度、つまりは全体の1割強程度の支持で、都議会の趨勢が決められているわけである。

選挙と政治、そのものを問い直さなければ、日本の民主主義は崩壊していると言わざるを得ないのではないか。

【投票率の概要】
昭和22年4月30日の第一回都議会議員選挙から18回目。投票率は、一番低かった平成9年7月6日についで、二番目に低い。43.5%。
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 平成9年第14回も、その前の選挙から比べて10ポイントほども激減した時だった。1997年。戦後始めて、都議会議員選挙の投票率が50%を切った、劇的な事態の時だった。新成人は、1977年生まれの「段階ジュニア」たちの時代である。
争点のない選挙だと言われ、結果は、第一党が自民党、第二党が共産党、第三党が公明党、民主党は第四党だった。どこか、今回の結果に似ている。
この時、共産党の得票率は20%超。新進党が、今回の維新の会とよく似た惨敗を喫している。

【結果】

自民党に投票した人々の数は、1,778,802人。選挙人の16%。人口で言えば13%程度。

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前回の衆議院選挙とそして今回、選挙を観察して、わたしにとってとてもはっきりしたことは、「政治は男の世界である」ということです。

1997年と比較すると、特徴的なのは、女性議員数が13名から25名に増えていることだろうか。もっともこの数字は共産党と生活者ネット、みんなの党に負うところが大きいのだが。とは言え、いまだに20%にも及ばない。

地方議会都道府県における女性議員の割合は、それでも東京都が第一なのだ。平均8.1%に対して、少なくとも、その倍はある。
http://www.gender.go.jp/whitepaper/h23/zentai/html/zuhyo/zuhyo01-00-14.html

自民党の支持基盤は、地域郷党型、地域の有力者、自治組織、政策主導組織などである。そこに、「ドブ板」の地域利益誘導型リターンの手厚さによるパワーがある。

左派の支持基盤は、共産党のような地域密着型を除けば、「労働者」というくくりが弱体化しているいま、「消費者」「反公害」などの市民テーマ型の混合だと言える。今回から「ネット」と略称されるようになった「生活者ネットワーク」は20年来、手堅く席を固めているが、その数から観ても、テーマ型政党が「二大政党」の一翼を担うようになることは、難しいだろう。ドイツの緑の党ですら、単独では第一党にはなれないのだ。「労働者の権利」がここまで後退したいま、それに変わる一つのテーマと言えるものがあるのかということ。

課題は、「地域密着型」が選挙に強いことははっきりしているのだが、その構造が、区村町議会議員、都議会議員が運動母体となって国政選挙でも繰り返され、結果、国政選挙の課題であるテーマについての民主主義が実現されないことなのである。

前回の衆議院選挙が、「原発」をテーマにできなかったように、次回の参議院選挙でも「改憲」をテーマに浮上させることは、とても難しいだろうことは、容易に想像がつく。

都市浮遊層の政治化という課題は、根深い。

【参考情報】

2011年の日本の人口は、1億2,779万人
です。そのうち東京都の人口は1,319万人
(全体の10.3%)、大阪府は886万人(6.9%)、
神奈川県は905万人(7.08%)です。
(出展:総務省統計局の人口データより)

都議会議員選挙
1昭和22年1947年
2昭和26年1951年
3昭和30年1955年
4昭和34年1959年
5昭和38年1963年
6昭和40年1965年
7昭和44年1969年
8昭和48年1973年
9昭和52年1977年
10昭和56年1981年
11昭和60年1985年
12平元. 7. 21989年
13平成5年1993年
14平成9年1997年
15平成13年2001年
16平成17年2005年
17平成21年2009年
18平成25年2013年
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by eric-blog | 2013-06-24 19:17 | Comments(0)
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