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なぜ「メルケル」は転向したのか? ドイツ原子力40年戦争の真実

なぜ「メルケル」は転向したのか? ドイツ原子力40年戦争の真実
熊谷徹、日経BP社、2012.1.30
1988冊目

1990年からドイツでフリーのジャーナリストとして活動してきた著者による解
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説。
2011年6月30日に原子力から撤退すると決めるまでの40年、

まえがき より
日本人は楽観主義者である。

ドイツ人は不安とリスク意識、そして悲観主義に突き動かされて、木(細部)よりも森 大局、つまり安全と健康を重視する道を選び、原子力は意思を決めた。

ありゃりゃ、『木を見る西洋人・森を見る東洋人』はうそだったのか。あるいは、オリエンタリズムの羨望による幻想だったのか。
http://ericweblog.exblog.jp/703580/


事故前の世論調査でも62%が原発廃止に賛成していたドイツ。
事故後でも、6割は段階的に原発をなくすことに賛成する日本。

2011年3月26日 25万人が参加する反原子力デモ
2011年4月 バーデン・ヴュルテンベルグ州議会選挙で環境政党圧勝
2011年6月29日 メルケルの連邦議会での演説

大手電力四社は、廃止の時期が繰り下げられたことによって巨額の損失が生じるので、メル蹴る政権の決定を強く批判している。・・損害賠償を求めて連邦憲法裁判所に訴訟する予定。47




アンゲラ・メルケル
1.男性議員中心のCDUで初の女性党首
2.年齢も45才と若く、旧東ドイツ出身
3.カトリック中心のこの党で珍しくプロテスタント
4.カトリックでは禁止されている離婚経験者
(『歯がゆい日本国憲法』クライン孝子、祥伝社、2000、p.254より)


倫理委員会の提言163-
「原発の問題は社会全体として判断する必要がある。もはや専門家に任せることはできない」
「原子力は、人類がリスクを計測できず、制御できない将来に対する負の遺産」
「過酷事故が再び起こることは確実であり、唯一確実でないのは、それがいつどこで起こるかということだけだ。」
「ミスしたときの費用を他人が負担してくれる場合、自己欺瞞が生まれやすい。ビジネスの利潤は企業の懐に入り、損失は社会全体が支払うシステムは、リスク管理に失敗する。」
「経済、社会、あるいは環境に著しい悪影響が生じない限り、原子力の止揚をできるだけ早くやめる」

提言書は「原発をやめる」という基本路線を打ち出しただけ。細かい数字は出していない。

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by eric-blog | 2013-05-30 10:16 | ■週5プロジェクト13
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