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Self Build セルフ・ビルド 自分で家を建てるということ

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Self Build セルフ・ビルド 自分で家を建てるということ
石山修武、中里和人・写真、交通新聞社、2008
1975冊目

写真の家について知りたくて、この本を借りました。

ついついはまってしまいました。そして、「何かを作りたい!」と思いました。そうなのです。ここ何ヶ月かはまっていた「コーヒーロケットストーブ」は、完成させたくなかったのに、完成させないとお湯が湧かない状態だったために、モルタルで固定してしまいました。ということはできてしまった、ということ?
残念。

お家はログハウスやさんに依頼して作ってしまいましたし、車庫もあるので、庭には、もうこれ以上家を建てる余地はありません。なのに、この本に紹介されている人々は、とても楽しそうなのです。

極小ハウスの設計は、子どもの頃の趣味でした。グラフ用紙に、いろいろと書いてしました。でも、実際作ってしまったら、おもしろくないということも、わかっていました。作ってしまったら、それを生きなければなりませんからね。

じゃあ、作り続けることを仕事にしたらよかったなあと思わないでもない。

でも、石山さんも言うのです。「建築家では発想できない」と。
そうなのです。建築家になったら、いろいろな縛りがあるのです。
アーティストでもできないことを、
どなたも異口同音に言うのです。「建てていた間が楽しかった」

ところで、写真の一畳ほどの家は、一ヶ月に一度は取り壊さなければならないホームレスの方が作ったもの。腕を見込まれて、いくつか、人にも作ってあげたそうですよ。

ひろしまハウスというのは、カンボジアで、広島市との交流の証として、コンクリートの筐体をプロに依頼して作ってもらってから、学生たちなどがレンガで作り続けているもののようです。

その他、Bar Totan, 十勝のビニールハウス型レストラン。
山あげ祭りや貝殻公園など、コミュニティで取り組んでいるものも紹介されています。諏訪神社のところに藤森さんが作ったという「神長官守矢資料館」も、すごい形だ。

いちばん驚くのは掩体壕。千葉県茂原市にいまも残るコンクリート製飛行機格納庫。実物を大分県でだったかも、見たことがある。それらの構造物は、なんと、兵器開発の常である「最優秀の技術者たちの頭脳が投入」されたものでありながら、なんと、昭和16年に茂原海軍航空基地建設のために強制移転されたところに、学徒動員、周辺住民の労働奉仕で、作られたのだ。23-27

俺様の淹れるコーヒーはおいしいが、掩体とは、はて何するモノゾ?ですけどね。

住み開きもおもしろいと思いましたが、ものづくり、おもしろそうです。セルフ・ビルド、もっともっと根っこに近いところにあると思いました。

何か完成しないものを作り続けるか、どうしよう?
それとも、遷宮でもするか? あ、それいいなあ。20年に一回。

セルフ・ビルド・ネットワークで、お互いを助け合うところに、呼んでいただくのが、いちばん、おもしろい「作り続ける形」になりそうだなあ。

「全てを繰っていただいて、再び」読み直すと、「はじめに」にこんなことが書いてあります。

「セルフ・ビルド(自己表現としての生活術) 人間の生に、つまり生活にこそ総合(全体)を見てゆこうとする技術のあり方。

かようにセルフ・ビルドとは皆一様に今の文明文化の危機的状況に対しての批評表現の事例群でもあるのです。」

ね、網野善彦さんについての本を読んだ後、この本を開くのは、必然なのですよ。ご自分の家を「世田谷村」と名付けた人ですから。

「自分たちで創ろうとするその意志のデザインこそが一番必要なのです。」

生きよ。
by eric-blog | 2013-05-16 10:08 | ■週5プロジェクト13
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