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グローバル市民社会論 戦争へのひとつの回答

グローバル市民社会論 戦争へのひとつの回答
メアリー・カルドー、法政大学出版局、2007
Global Civil Society: An Answer to War
1959冊目

グローバル市民社会の定義
非網羅的ではあるが、恣意的ではない、五つのリスト。p.16
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○市民社会 Societas civilis: 社会諸関係を組織する方法として、暴力が最小化されるような状況。国家が正統的な暴力を独占する。国家を必要とする市民社会から、国際的な諸条約や国際制度の組み合わせによって保証された世界主義的な法の支配へ。
○ブルジョワ社会: マルクスの定義による国家と家族のあいだに位置する倫理的生活の場。「下からのグローバル化」
○社会活動家的な見解: 国家ないし法の支配を前提としつつ、国家権力の制御だけでなく権力の再配分を主張するもの。
○ネオリベラル的な見解: 市民社会は非営利的でボランティア的な「第三セクター」といった、連帯的生活によって成り立っており、それは国家権力に制約を課すだけでなく、実際に国家が果たす多くの機能に代わるものを提供する。
○ポストモダン的な見解: 上記に加えて、民族主義者や原理主義者の存在と、異議申し立てのグローバルなネットワークの多元性。

p.116-117
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p.120から
社会運動の栄枯盛衰論
「当局が抗議を許可し、抗議者の要求を真剣に考慮する限り、社会運動は「飼いならされ」、政治過程に統合され、取り込まれることになる。

社会運動はつねに終わりを迎える。
by eric-blog | 2013-04-30 09:37 | ■週5プロジェクト13
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