ERIC NEWS 323号 市民性教育を考える No.1

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ERIC NEWS 323号 ともによりよい質の教育をめざして  
市民性教育を考える No.1
これからの未来へ 40年をふりかえる もうちょっと考える
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                   (文責: かくた なおこ 角田尚子
                    http://ericweblog.exblog.jp/
                     twitter : kakuta09  FBも)

2月9日10日の二日間研修で「市民性教育」について『未来を学ぼう=価値観とビジョン』のテキストを手がかりに考えることを行いました。
(記録はホームページの「新着テキスト」のニュースリリースからダウンロードできます。http://www.eric-net.org/)
ブログにもアップしました。

市民性教育と言った場合、「社会的提言=アドボカシー能力」の育成や、社会性、政治参加というイメージを持ちやすいものです。しかし、これまでのERICの経験から、市民性の発揮は、政治の分野だけで、達成できるものではありません。

それは、わたしたちが国際理解教育を「人類共通の課題に取り組む人材育成を行う教育」と定義し、参加型学習の推進に取り組んできて、わかったことです。

ERICの伝統であるワールドスタディーズの視点から始め、「市民性教育」をテーマに、8回シリーズで、考えていきたいと思います。

1 気づきから行動へ-市民性教育とワールとスタディーズの本質
2 価値観とビジョン-わたしたちはどこへ行くのか?
3 市民としての行動力を育てる-政治的リテラシー、アドボカシーへ
4 4つの教育は一つ-共通する課題
5 社会科教育は、市民性教育か?
6 倫理、道徳は、市民性教育か? 
7 市民性教育と消費者教育や反貧困教育、労働者としての権利の教育-セーフティネットとしての教育
8 市民性教育とESD-未来のための教育へ

もちろん、学級定員の削減が参加型学習の定着およびよりよい質の教育をすべての子どもたちに提供するためには必須であるという主張は、変わるものではありません。これまでの主張については、以下を参照してください。


======2012年 202020 シリーズ===========
1. 世界に誇れる「子どもは宝物」だと示せる指標はどこにある? 2012年1月30日
2. 参加型学習を継続的に、かつ日常的に行なうのに適切な規模は何人? 2012年3月11日
3. 「学習からの逃避」と高等教育修了率の低さ 2012年5月6日
4. 子どもを自然の中に連れ出す、地域との連携を深める。必要な指導者数は? 2012年6月17日
5. 民主主義と教育。明治時代に始まった「兵舎型」校舎の「集団の規律」中心形式の限界 2012年7月22日
6. 近代のパラダイムを超える「教育の人間化」が近代の人間化につながる。2012年8月19日
7. 超えていくために教える
2012年10月1日
8. 学習性無力感とポジティブ・シンキング 2012年11月4日
9. 何を考えるかの「暗記型」教育から、どのように考えるかの「スキル習熟型」教育へ 2012年12月9日
10. 個別化教授法の工夫いろいろと、学級マネジメント 2013年1月13日


>>>>>>1 気づきから行動へ-市民性教育とワールとスタディーズの本質<<<<<

国際理解教育は、「教室の中の世界」についての気づきから始まると言って、過言ではないでしょう。だからこそ、『ワールドスタディーズ』の「わたしたちの教室の中の世界」のアクティビティに触れて、これこそ、国際理解教育の本質だと思ったのです。

1980年代、当時、よく取り組まれ、そして、いまも小学校5年くらいで学ぶのであろう「日本そばはどこから?」。そばの原料が輸入であるだけでなく、ノリや天ぷらの原料も、国産ではないことを教えてくれたものです。
当時は、
◎ アジアを食べる日本のネコ缶
など、日本の輸入が世界に与える影響が問題視されました。その後も、原材料を通しての世界とのつながりは、
◎ 地球買いモノ白書   http://ericweblog.exblog.jp/845018   
◎ コーヒー、カカオ、コメ、綿花、コショウの暗黒物語  
http://ericweblog.exblog.jp/3402539/
◎ チョコレートの真実 http://ericweblog.exblog.jp/7876029/
などの本があります。貿易そのものについては
◎ 貿易の罠   
が秀逸です。『環境教育指導者育成マニュアル』で、世界とのつながりを考える際の事例は、この本が選んでいます。まだ、「週5プロジェクト」で書評紹介していないのですね。いま、気づきました。
途上国との不公平貿易の問題だけではなく、どれほど、わたしたちの世界が「入り組んでいるか」を描き出してくれているのは、こちらの本。うーーんと、うならせられる内容です。
◎あなたのTシャツはどこから来たのか? 誰も書かなかったグローバリゼーションの真実    http://ericweblog.exblog.jp/6975127/

食料輸入に限っても、わたしたちの自給率は熱量ベースでは4割程度。生産額でも7割程度です。国内で生産されているものの付加価値が高いことがわかるとは言うものの、実態的には「自給率が低い」と言わざるを得ません。

世界とのつながりを考える時に、次のような観点があるでしょう。
1. 世界の相互依存状況
2. 輸入食料の安全
3. 貿易の安定と安全保障
4. 輸出国の現状 児童労働、低賃金、環境破壊
5. 消費者の力 オルタトレード、ボイコット/バイコット

さまざまな書籍や授業実践がある中で、『ワールドスタディーズ』の特徴は「気づきから行動へ」の流れやねらいがとてもはっきりしていることです。それは、ERICが翻訳出版しているテキストに共通しています。そのような観点で選ばれているERICの出版物は、全体が「市民性教育」であると言うことができるでしょう。

気づきから行動へ、社会的な行動につながるアクティビティを、ERICの出版物からピックアップしたもののリスト.pdfは、新着テキストからもダウンロード可能です。

http://eric-net.org/news/LBcitizenactivities.pdf

1972年、国連の人間と環境会議や、『成長の限界』の認識から始まった国際理解教育は、このたった一つしかない地球上で、人類が、地球の特徴そのものである生物的多様性や循環を脅かす事無く、生きることができるかということへの挑戦です。

大人に答えがあるわけではないのです。これからの未来のための教育は、教育的指導者自身も、権威ではなく、1人の市民として、行動する姿を見せること、モデルを示すことが求められるのではないでしょうか。

『ワールドスタディーズ』に紹介されている「わたしは問いかけつつ教えているだろうか」という点検の視点は、そのような姿勢を保つためのチェックリストだと言えるでしょう。


>>>>>>ERICホームページのご案内<<<<<<<<

ニュースリリースを簡単にアップできる機能を導入しました。
「What’s New」にはこれからの研修の予定、案内を載せています。

「新着テキスト」では、研修の記録やERICニュースなどをアップしていきます。これまでのアーカイブとしても利用していきたいと思います。

これまで、まぐまぐのメールマガジンには載せることのできなかったPDF資料なども、ダウンロード情報をこのニュースリリースに紹介することができます。

お楽しみに!


>>>>>>>>>ESD実践例公募の案内<<<<<<<<
◆公募内容
原則として、国内で実施実績のある、小学生又は中学生向けのESDプログラムを公募します。
応募されたESDプログラムの中から、20プログラム程度を選定することとしており、当該プログラムの応募団体には、平成25年度、モデル的なESDプログラムの作成作業への参画を依頼(有償)することを予定しています。

◆公募期間
2013年2月5日~2013年2月25日(当日消印有効)

◆公募対象者
?学校教育法第1条に規定されている学校、?環境NPO、環境教育の研究会等民間団体、企業、過去に国と契約実績のある協議会、その他、環境省が適当と認めた法人

募集要項は以下のページをご覧ください。
http://www.eeel.go.jp/news/?news_id=2233



>>>>>ERIC主催研修 ファシリテーターズ・カレッジ「TEST教育力向上講座」2013<<<<

 2012年度、最後の主催研修、TEST2013の日程が2013年3月30日31日に決まりました。要項とプログラムの案内は、ERICのホームページ「What’s New」よりダウンロードできます。
 TEST(Trainers’ Effective Skills Training)教育力向上講座は、1999年度からTEST00として始まりました。今年で14回目になります。
 わたしたちファシリテーター、教員、教育的指導者、リーダー、トレイナーの教育力を向上させていくための共通の課題について、みんなの頭で考え る時間を、たっぷりととりませんか? 
 今年は「ガイドラインを指導者育成のためのツールとして徹底活用」を身につけましょう。近日、ERICホームページ、What’s Newに実施要項・プログラムの詳細をアップします。Check it out!


>>>>>>>>>2013年度の主催研修予定<<<<<<<<<
 
 ERIC主催研修 ESDファシリテーターズ・カレッジ ファシリテーター養成講座 2013年度 実施要項

 1. 主 催: 特定非営利活動法人 国際理解教育センター(ERIC)
 2. 講座名:  各回のテーマと日程
  平成25年2013年6月29日30日 『国際理解』
  平成25年2013年7月27日28日 『PLT木と学ぼう・環境』
  平成25年2013年9月28日29日 『人権』
  平成25年2013年10月26日27日 『対立から学ぼう』
  平成26年2014年2月22日23日 『市民性教育』 
  平成26年2014年3月 予定 『TEST教育力向上講座』
 3. 研修時間:  各回とも受付: 初日(土)10時30分~10時50分
  第一日 (土) セッション1 11.00-13.00
   セッション2 14.00-15.50
   セッション3 16.00-18.00
  第二日(日) セッション4 9.00-11.00
   セッション5 12.00-13.50
   セッション6 14.00-16.00
 4. 会場: 国際理解教育センター(東京都北区滝野川1-93-5コスモ西巣鴨105)
 5. 主旨・内容: 
   人類共通の課題である国際理解・環境・人権のテーマについての気づきのためのアクティビティ研修、および参加型民主主義の社会を支える「わたし・あなた・みんな」の参加のスキル研修の両輪によって、参加型学習による教え方を学び、習熟する。
   ERICのファシリテーター養成12時間研修は、いずれも、アクティビティ体験と開発、流れのあるプログラムの体験と立案、ファシリテーション実践と評価を取り入れた参加型ワークショップ・スタイルで実施される。
 6. 参加対象: 学ぶ意欲のある方(一般公募。特に資格などは問いません。)
 7. 参加費: 20,000円 [テキスト代別途]
   みずほ銀行 大塚支店 普通預金口座2011254 特定非営利活動法人 国際理解教育センター
   郵便振替口座: 00180-5-710744 加入者名: ERIC事務局
   ゆうちょ銀行口座: 10020-3288381 名義:トクヒ国際理解教育センター
   ゆうちょ銀行口座(他の銀行からの振込の場合):ゼロゼロハチ(008)-0328838
 8. 問い合わせ・申し込み
   特定非営利活動法人 国際理解教育センター(ERIC)  http://www.eric-net.org/
  〒 114-0023  東京都北区滝野川1-93-5コスモ西巣鴨105
     tel: 03-5907-6064  fax: 03-5907-6095 e-mail: eric@eric-net.org

>>>>>>>>>>>ERIC25周年に向けたご寄付のお願い <<<<<<<<
 1989年誕生の参加型学習老舗のERIC国際理解教育センター。なんと2014年には25周年を迎えます。これまで続けて来られたのも、企画委員、運営委員、理事、テキスト購入者、ファシリテーター育成事業参加者など、みなさまのおかげです。感謝です。
 これからもよりよい「指導者育成のための実践」推進のための情報提供、研修プログラムの提供などに努力していきたいと思います。日常活動に加えて、25周年に向けて、事務所のリニューアル、フューチャーサーチ走向未来ワークショップの開催、常設展示など、企画しています。
 特別活動支援のために、テキスト活用、研修参加などのご支援に加えて、ぜひ、ご寄付をお寄せください。よろしくお願いいたします。

 ご寄付先 金融機関
  ゆうちょ銀行口座: 10020-3288381 名義:トクヒ国際理解教育センター(ゆうちょ銀行同士)
  ◯◯八(ゼロゼロハチ)店008-0328838 名義:トクヒ国際理解教育センター(他の金融機関から)

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  (特定非営利活動法人)国際理解教育センター
ERIC:International Education Resource & Innovation Center

〒 114-0023 東京都北区滝野川1-93-5 コスモ西巣鴨105
  tel: 03-5907-6054(研修系) 03-5907-6064(PLT・テキスト系)
  fax: 03-5907-6095
  ホームページ http://www.eric-net.org/
  Eメール   eric@eric-net.org
  blog 「 ESD ファシリテーター学び舎ニュース http://ericweblog.exblog.jp/
  blog  「PLT 幼児期からの環境体験」
http://pltec.exblog.jp/
  blog 「リスク・コミュニケーションを対話と共考の場づくりに活かす」
http://focusrisk.exblog.jp/
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by eric-blog | 2013-02-17 10:16 | ERICニュース | Comments(0)
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