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白村江 古代日本の敗戦と薬師寺の謎

白村江 古代日本の敗戦と薬師寺の謎
鈴木治、学生社、1995、オリジナル1972
1913冊目

いま、仏像文化は、政治から切り離されて鑑賞される芸術だけになってしまった。和辻哲郎氏の『古寺巡礼』が果たした役割を認めつつ、果たして仏像や寺がそれだけのものであったかというと、違う、というのが、この本である。

薬師寺は、唐との太いパイプ。仏像の様式は、そのつながりを示している。

天地天武持統の時代に、白村江の戦いで勝利した唐が、どのように影響力を行使したかを読み解く。

それは、豪族の間の覇権争いともつらなっていく。


岩上安身さんが「虜になるような文体に出会う」本として紹介されていたので、読んでみた。残念ながら、歴史背景についての知識が少なすぎて、理解できなーーい。しかし、確かに、わくわくと、躍動的な物語りとして、当時の政権争いと、海外からの影響力、介入が描かれている。平城京、難波京、藤原京、長岡京、平安京の遷都につぐ遷都。そして、寺も移築ではなく、新築。それは、日本に国力を費やさせたいとたくらんだ唐からの介入の結果だったのだと。

薬師寺本堂の三尊と講堂の三尊を比較してみて見るのも、おもしろいだろうかなあ。
by eric-blog | 2013-01-30 10:56 | ■週5プロジェクト12
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