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消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す!

消費増税亡国論 三つの政治ペテンを糺す!
植草一秀、飛鳥新社、2012
1904冊目

対米追随再軍備体制をすすめる政権が始まって(12月26日)、10日程度。すでに、株価は上がり、円安になり、金融資産を持っている人たちへの配当が行われた。オバマ政権は、「財政の崖」を富裕層への税を厚くすることで、しのいだと報道される。米国にあっても、格差社会の行き過ぎを懸念する層は存在するのだろう。

自民党を圧した勢力は、「動き」が欲しかったのだなあと、つくづく思う。

こんなワークを、地域調査の前に行う。調査の心構えを共有するために「いいインタビュー」「悪いインタビュー」という役割演技を、二つのチームに分かれて、シナリオを考えてもらうのだ。異なる研修で、異なる参加者と、何度やっても、共通していることがある。「悪いインタビュー」を考えるチームはさっさと出来、「いいインタビュー」を考えるチームは、意思決定に時間がかかるのだ。

まさしく、いまの動きの早さを見ていて思うのが、そのことだ。これまで通り、変えることなく、反射的に、慣れた動きを、行うことは、簡単にできるのだ。

これまで通りのパターンで、動き出そうとしている人びとがいる。

その道は、大企業を中心とした原発依存の継続、中央が財源の再配分力を握る官僚制度の強化、外交における「不安」による脅しと支配、民営化もされず、国営化もされない電力会社の安泰と電力料金の値上げ、などなど。

変えることは、大変なことなのだ。

2009年、自民党から政権を奪った民主党は、何を変えたのだろうか?

年末のIWJ「響宴III」。植草さんと菊地さんが消費増税について、その問題点を明らかにした。

そのお二人の本を読んでみた。

植草さんが見るところ、民主党がマニフェストを守れなかったのは、「小沢-鳩山ライン」に対する民主党幹部からのサボタージュ。忘れもしない、沖縄普天間の米国基地の県外移転。岡田克也外務大臣、北沢俊美防衛大臣、前原誠司沖縄担当大臣らがまったく力をそそがなかったという。
もう一つは、消費税増税をもくろんでいた財務省からの圧力。
そして、米国そのものからの圧力。首脳会談の短さは、驚きであった。

とどめが、小沢裁判である。
どのように検察が小沢一郎さんを、裁判沙汰にからめとっていったか。そして、秘書の石川知裕さんが、隠し撮りしていた録音によって、その不正な取り調べが明らかにされてもなお、小沢一郎さんの「人物破壊」は徹底している。

そのことを、孫崎享さんも、「米国追随路線」でない政治家たちが、歴代つぶされてきていると指摘している。

結果、鳩山さんが失脚、菅直人さんになって、対米追随復活、TPP参加の表明。頭のいい人が、自らの生き残りを図ろうとするとき、やすやすと操作される。その見本のような人が菅直人さんなのだなあ。米国と財務省を味方につけること。それが菅直人さんが、政権内にいて、学んだことだったに違いないと、植草さんはいう。117

官僚利権に食い荒らされている状況に手をつけることなく、増税することは、財務省を強くするだけである。

『日本を滅ぼす消費税増税』菊池英博、講談社現代新書、2012
by eric-blog | 2013-01-05 13:18 | ■週5プロジェクト12
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