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カレル・ヴアン・ウォルフレン 日本社会へのエール

カレル・ヴアン・ウォルフレン 日本社会へのエール

日本には哲学や理念が感じられない、「偽りのポピュリズム(False Populism)」が広がりやすいと指摘する。

これまでも紹介してきたウォルフレンさんの著書であるが、いま、日本社会へのエールとして、まとめておきたい。

日本を追い込む5つの罠 2012 http://ericweblog.exblog.jp/15594753/
アメリカとともに沈みゆく自由世界 2010
日本人だけが知らないアメリカ「世界支配」の終わり2007
もう一つの鎖国 2006
幸せを奪われた「働き蟻国家」日本 2006
世界が日本を認める日 もうアメリカの「属国」でいる必要はない2005
1896,1897,1898,1899冊目

『日本/権力構造の謎』1990 http://ericweblog.exblog.jp/2464325/
『なぜ日本人は日本を愛せないのか』1998 http://ericweblog.exblog.jp/2464240/

の著者であるウォルフレンさん。2000年代に入って、ウォルフレンさんの日本論は加速し、かつ、日米関係のみならず、国際的な中での日本のあり方へと、発展している。

『日本を追い込む5つの罠』この本が指摘する「罠」は
・TPP 自由貿易。 このレジームが貢献する経済効果は8%。大きな構造改革でもなければ、大躍進でもない。見せかけの経済成長を維持するのに、ようやく貢献できる程度ということか。右肩上がりの幻想を続けるための拡大主義。
・第二の罠が緊縮財政
・第三の罠は、原発推進
・第四の罠は、沖縄の対米隷属
・第五の罠は権力への「無関心

東アジアの安全保障について、アメリカがあおり立てている。
今後、北朝鮮政府が武力攻撃に出た場合、まず韓国と中国が対応すべきである。日本には、これに関してアメリカのイニシャティブこそが重要であると、などと考える人が多いようだが、これは馬鹿げている。
本気で心配するのなら、日本は韓国や中国との外交関係を深めるよう努力すべきである。227
北朝鮮問題が解決したら、アメリカ軍を日本においておく理由がなくなる。
「誤った思考」「誤った慣行」の責任はジャーナリストや政治家にある。
政治システムの改革と産業構造の改革は別個のものである。「変化について語る」だけの政治家になってしまった。経済イデオロギーが政治改革に勝ってしまった。234

『アメリカとともに沈みゆく自由世界』で指摘される「連鎖する四つの危機」
・冷戦の終焉
・テロリストの登場
・アメリカのテロリストたちに対する「終わりなき交戦状態」
・金融危機

共産主義国の崩壊によって、大国を牽制するセーフガードがなくなった。世界規模で経済力の拡大をはかれるようになった。9.11の事件を、チャンスとすることなく、政治的に利用した。それは冷戦後の世界だからこそ、起こったこと。
オバマ大統領も、金融危機の修整のための絶好のチャンスであつたはず。しかし、できなかった。27

『もう一つの鎖国』
大衆を挑発する石原慎太郎136
中国は、ヨーロッパと日本の共通の課題であり、政治的軍事的な中国との衝突へと発展することがないようにすることが大切。

『幸せを奪われた「働き蟻国家」日本』
日本人が一生懸命働いて稼いだカネを米国が吸い取っている。日本人がウサギ小屋に済んでいるのに、米国人は大きな家に住み、肥満している。

以下、愛があふれる講演会やインタビューの数々です。
2010/12/05 ウォルフレン教授講演
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/9381
「民主党誕生後も政治改革が進まない要因として検察とメディア、官僚の存在、そして日米関係の問題点を上げ、日本が真の主権国家として行動していく必要性を訴えた。」

2010/12/11 ウォルフレン教授インタビュー
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/711
日米関係と民主党。岡田・前原といった幹部は、はたして日米関係の真の姿を理解しているのだろうか?もし、民主党が沖縄の基地問題でアメリカと対等に交渉できれば、それは世界に何をもたらすのか?

2011/08/04 TPPを慎重に考える会「カレル・ヴァン・ウォルフレン氏との勉強会」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/14478
「TPPの懸念事項に関し、主に米国交渉官の動きを挙げ、TPPは経済的問題ではなく政治的問題であると述べた。また、その中心にある権力の動向を注視することが重要だと指摘するなど、TPPにおける様々な分野での問題点を指摘した。」

2012/03/29 カレル・ヴァン・ウォルフレン教授インタビュー「日本を追い込む5つの罠」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/6966
「グラス・スティーガル法以降、市民や企業を育むための投資ではなく、自身の利益のために投資を行うようになったアメリカ金融業界と、軍事ブロックで日本を抱え込んでいる軍産複合体。彼らは共謀関係にあり、もはやアメリカに属しておらず、独立している、というウォルフレン氏。そんな彼らが仕掛け人となり、今、日本が直面させられている「TPP」という罠について、話をうかがった。


[1 /8]小沢一郎×カレル・ヴァン・ウォルフレン公開討論会&記者会見 2011/07/29
『誰が小沢一郎を殺すのか』 人物抹殺、Character assassination
カレルさんの記者会見は良かったが、この討論会は、あまりおもしろくなかったなあ。でも、小沢一郎さんのことについて理解するためには、重要かなと。



長州と東北、辺境の戦いなのか。しかし、もう田中主義は求められていない。どんな政策をかかげていくのか? 地縁血縁の選挙という意味では、まったく同質に思えるのだが。さて、小沢さんは、脱皮できるのか?そして、脱皮したら、生き残れるのか? チョウチョも、脱皮の時がいちばん大きな生存の危機だと思うのだが。
by eric-blog | 2012-12-19 09:25 | ■週5プロジェクト12
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