ERIC NEWS 120701 at ERIC from ERIC

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ERIC NEWS 291号 ともによりよい質の教育をめざして 
      at ERIC 主催研修 from ERIC 受託研修
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(文責: かくた なおこ 角田尚子
http://ericweblog.exblog.jp/
twitter : kakuta09  FBも)

涼しい、雨なし梅雨時が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか?

Think Nukes! By 30% of your power! Think on!

続けていますか? 変わるためには、からだでできるようになるまで続けなければ。

教育の目標は「共通の課題」に気づき、問題解決のために行動する人を育てること。

教育者の役割の一つは、「モデル」であること。いまの時代にどう生きるのか、それはなぜかを、語れる存在のサンプルとして、見られていますよね。

Think Nukes! By 30% of your power! Think on!

国際理解教育の必要性が勧告されてから40年。「教育はエリートのためでも、専門家育成のためでもなく、わたしたちの社会の生き残りのためである」と、OECDまでもが、教育の重要性を、そのように認識するようになった時代です。

すでに40年。しかし、人類史的に考えれば、わずかな時間、まだまだわずかな努力です。続けましょう。For Our Only One Future!

http://ericweblog.exblog.jp/15673774/
========今号の内容=========
1.at ERIC 主催研修 ESDファシリテーター養成講座
2.Tips!1  ガイドラインを指導者育成のためのツールに
3.Tips!2 「音」をじっくり考える
4.Tips!3 「地球意識を育てる」アクティビティ・アイデアたち
5.from ERIC 受託ワークショップ
6.at ERIC ESDファシリテーター養成講座


・。・゜・☆ *:.。.:*・゜at ERIC 主催研修 2012・゜*:.。.:*・゜☆・。・

6月23日24日に、今年度最初のERIC主催研修「ESDファシリテーター養成講座」の第一回を行いました。参加者11名、みんなの頭で考える時間を持ちました。

テーマは「リスク・コミュニケーション」

なんで、『PLT Project Learning Tree 木と学ぼう』のカリキュラムに、リスクなの? と、わたしもそう思います。ちょっと手を広げすぎているのではないかと。米国でも、あまり活用が進んでいないモジュールの一つだと思います。

この中等教育段階用テーマ補完型モジュールは、1998年に開発され、2005年に改訂されました。当初から、翻訳したいという声はありました。しかし、内容が難しいことと、PLTのファシリテーターの方々のニーズに合うかどうか、わからなかったので、そのままになっていたのです。

しかし、昨年、2011年3月11日の東日本大震災がありました。教育は何ができるのだろうか。いま、教育者は、どのように学習者の前に立てばいいのでしょうか。何を伝えればいいのでしょうか。共に考えたいことはなんでしょうか。

いつも通りの教育を続けるだけでよいのでしょうか。そんなことが可能なのでしょうか? わたしたちの日常に何の変化ももたらさないで、東日本大震災の後を生きるのでしょうか。

3月18日、早々に紹介されたTESの『地震と津波』の学習案を初め、釜石の防災教育、心のケアの教材など、紹介してきました。
http://ericweblog.exblog.jp/14406895/

一方で、PLTの『リスクに焦点』の翻訳にも取りかかり始めました。幸い日立環境財団の助成金がもらえたので、リスク・コミュニケーションの専門家に対するインタビュー、勉強会と平行して、翻訳に取り組みました。そのプロセスの中から、「リスク・コミュニケーションの教材ガイドライン」も考えました。

今年のPLTコーディネーター会議では、「PLTを通してリスク・コミュニケーション」の分科会を行いました。

ガイドラインは、作っただけでは、変化にはつながりません。
わたしたちの価値観を変え、内からなる行動変容につながって初めて、ガイドラインは有効なのです。

すでに、わたしたちの社会には、ユネスコ勧告、トビリシ宣言、アジェンダ21、地球憲章、ミレニアム開発目標など、数多の合意、目標、ビジョンが、条約、宣言、ガイドラインなどの形で共有されています。しかし、それらはどれほど知られており、どれほど実践のよすがとなっていることだろう? もし、これらの目標が、一人ひとりの行動の点検の視点となって共有されてきていたら、わたしたちの社会の変化は、違ったものになっているはず。

ということで、身近なガイドラインとして「健康診断」を考えてもらいました。これは、いつものように、当日、突然思いついて、やったのですが、いろいろな意味で良かったです。いろいろな意味で、というのは、
・ガイドイランというものの中で、個人にとっての指標としていちばん身近なものであった。
・「健康」という概念には価値観が含まれるということが共有しやすかった。
・わたしたちが、さまざまなものについて「健康」という判断基準をもっていることに気づき、共有できた。
などです。

今年のERIC主催研修は「ガイドラインによって価値観を育てる」を共通のテーマにして、行いたいと思います。昨年の「価値観を育てる」ための手だての一つに焦点をあてます。

今年の夏、トルコで開催される「教師教育学」会議でも、「ガイドラインを教員養成に取り入れる」というプレゼンテーションを予定しています。

PLT 「リスクに焦点」研修プログラムおよび記録は、ブログ「ESDファシリテーターズ学び舎」をご参照ください。
http://ericweblog.exblog.jp/15642643/


・。・゜・☆  Tips! 1 「ガイドイランを指導者育成に取り入れる」 ☆・。・

初めてトビリシ原則を環境教育の指導者育成ワークショップで体験したのは、『環境教育推進ハンドブック』の著者であるアビィ・ラスキーを招いてセミナーを開催した時です。

そのとき、もう一つ、あらたに学んだのが「ゴールディロックス効果」だったのですが、当初わたしはそれを「ゴリラックス効果」と聞き間違ってご紹介。しかし、わたしが質問しても、それ以上の答えや説明が帰ってこなかったことを考えると、きっとアビィも知らなかったのだろう。もう時効かな。閑話休題。

その時の使い方は印刷されたリストを読んで理解するというだけのものだった。だったら、もっといいやり方があるぜい、と、いつものようにむくむくして、作ったのが『環境教育指導者育成マニュアル』で紹介したランキング。

ワークショップを受けていても、わたしの方が、もっとおもしろいやり方でやれる、と思ってしまうのが、わたしの「いやな参加者」たる所以なのですが、誰だって、いろいろな工夫をすることはできるのだ!

工夫のいちばん簡単なほうほうは、ERICのアクティビティ開発の手法である「12のものの見方・考え方」を全部当てはめてみる(この方法も『環境教育指導者育成マニュアル』で紹介している。)ことだ。例えば、ガイドラインについてであれば、こんな風になるだろう。

○ガイドラインって何だ? 連想図[全体像をつかむ]
○ガイドラインについて「知っていること/知りたいこと」[対比して考える]
○ガイドラインの「メリット/デメリット」[対比して考える]
○さまざまなガイドライン[分類する]
○ガイドライン「有効度と拡大度」でプロットする[二次元軸で考える]
○ガイドラインはなぜできた?[因果関係で考える]
○ガイドラインが守られなければ、どうなるか?[因果関係で考える]
○ガイドライン、どれが一番重要か?[優先順位を考える]
○ガイドラインに得点をつけよう[量的にとらえる]
○ガイドライン年表づくり[時間軸でとらえる]
○世界のガイドライン・国際条約[空間軸でとらえる]

などなど。アクティビティはテーマと分析の枠組みとの組み合わせで、いくらでも工夫することができる。その時の目的や学習者・参加者のニーズとの擦り合わせで決定すればいい。

ポイントは、「自分のもの」にしてもらうということ。オーナーシップを感じたり、「なぜ、そのガイドラインが大切なのか」の背景を抑えた上で、応用することができたりする。そのことが指導者育成にさまざまなガイドラインを取り入れることの目的だ。

「自分のもの」にすることで、それが点検の視点となり、一人ひとりの実践が「省察的」に改善されていく。強制ではなく、主体的な選択として、共振的なスパイラルが実現していくのではないだろうか。

教室教育は、教員が一国一城のあるじのようなものだと考えている人は多いだろう。その場がどのようにコントロールされていくかは、学習者との相互関係で決まるとは言うものの、指導者の立ち方によっては、有無を言わさぬ独裁だってありえるのが、教室なのだ。どれほど授業案を年間計画を報告を評価を出してもらっても、一時間一時間の実践は、密室なのだ。

教育の質を高めるのは、一人ひとりの教員が心に持っている「ガイディングスター」の存在に他ならない。管理職に対する報告のためでも、保護者の要望に応えるためでもなく、「持続可能な社会のための教育」とは何かを、常に点検の視点として、「批判的省察」を繰り返すことのできる力を育てることこそが、ESD的教育力向上であるはずだ。

基本概念を教える『ワールドスタディーズ』は、学習者がそれらの概念に「気づく」ために、アクティビティが作られている。相互依存や協力、多様性など、わたしたちの世界を読み解く10の基本概念。同じ手法が、「ガイドライン」に「気づく」ように工夫することができるだろう。


・。・゜・☆ *:.。.:* Tips!2 「音」をじっくり考える *:.。.:*・゜☆・。・

PLT PreK-8のアクティビティ・ガイドで、人気のアクティビティの一つが「まわりの音」。諸感覚を刺激するアクティビティは、子どもにとっても、たのしい活動だと言えるでしょう。

今回のPLT研修でも、一つのチームがアダプトしてファシリテーション実践にトライしました。そのふりかえりで出て来たのが「子どもが集中しない」という悩みでした。

静けさのアクティビティは、参加者の内からなる静寂、集中と呼応して初めて、優れたアクティビティとなります。いつもいつも、カスクのように「静座」を強いられ、形だけの「静けさ」にあきあきしている子どもの場合、形から「静けさ」に入ろうとしても、あまり有効でないのでしょう。

彼らに必要なのは、活動への集中なのです。

遊び心を入り口に、活動への集中に導きましょう。3年生4年生がいちばん乗りやすいのが「競争」の遊び心。数や質で競う活動を取り入れよう。その盛り上がりと力の発揮の後でなら、彼らは静寂という集中を受入れるだろう。

「音」を使って、どんなアクティビティが考えられるか、研修の時に共有したものに、一つ二つ付け加えたものをブログにアップしておきました。

「音と遊ぶ」ワークショップ、ぜひ、やってみたいですね。

ちなみに、「競争」が遊びであるというのは、ロジェ・カイヨワの『遊びと人間』だったか、ホモ・ルーデンスであったか。他には「模倣」「めまい」「運」があります。この前の研修では、「名前だけの自己紹介-からだで編」を行い、互いのジェスチャーを模倣しあいました。めちゃ受けでした。遊び心は楽しいなあ。

「音合わせ」は模倣の遊び心であるし、「大雨だあ」はめまいの遊び心である。では、「音」と「運」を掛け合わせたアクティビティとはどんな工夫がありえるだろうか? と、芋づる式に考える。Think on.

折り紙で作るクラッカー(パシーンという音が出る)を準備して、その中の一つを、不発にしておく。不発を引いた人は・・・

やっぱり「運」がからんだアクティビティは、罰ゲーム的に流れやすいね。もうちょっと考えてみようっと。

Think on!


・。・゜・☆ * Tips!3 「地球意識」を育てるアクティビティやアイデア *・゜☆・。・

2001年9月11日。大きな悲しみが世界をおおった時、地球意識を喚起する「もしも地球が百人の村ならば」のメッセージが、インターネットに流れた。

それは、「これはテロなのだ」という圧倒的な言説に対して、しっかりと世界の現実を見てみようよ、彼らの声を聞こうよ、という隠されたメッセージを含むものだったと思う。そして、それは世界を駆け巡った。

すでにERICでは1991年に翻訳した『ワールドスタディーズ』に、その原型は存在していた。しかし、メッセージは、伝え続けなければ、死に絶える。大切なことは、タイムリーに、形を変えて、品を変えて、伝え続けることなのだと、知った。一度、テキストで紹介したら、すべての人が知ったわけではない。当たり前のことだけど。

そんな、地球意識を育てるためのアクティビティを、まとめてみた。

さらに、地球市民的行動を育てるアクティビティをまとめたものも、アップしておいた。気づきから行動へ、の流れのあるプログラムづくりに活かせると思う。(レッスンバンク12-16に収録)
http://ericweblog.exblog.jp/15662821/


・。・゜・☆ *:.。.:*・゜from ERIC 受託研修・゜*:.。.:*・゜☆・。・

受託研修のプログラムはブログで紹介しています。ものによってはBefore&Afterも楽しめます。ま、予定通りは予定通りだけれど、微妙にね、ひねっている。

○「人権とは何か」を共有する人権研修の基本を参加型で 人権研修1.5時間
http://ericweblog.exblog.jp/15445816
実施後の記録はこちら
http://ericweblog.exblog.jp/15672473/

変更のポイントは、最初に「なぜ、人権啓発普及員になったのか」の連想図を取り入れたこと。アイスブレーキングであり、傾聴のトレーニングでもある。

○人権教育「ファシリテーターになるために」5時間研修
http://ericweblog.exblog.jp/15616443

○人権研修「人権ファシリテーターへの道」3時間研修
http://ericweblog.exblog.jp/15659035

○大学の総合講座「地球レベルの環境問題を解決する力」
http://ericweblog.exblog.jp/15569969


・。・゜・☆ *:.。.:*・゜at ERIC 主催研修・゜*:.。.:*・゜☆・。・

次回のESDファシリテーター養成講座 テーマ「国際理解」は、参加型学習ということばを初めて日本に紹介することになった『ワールドスタディーズ』を使って、指導者育成をする力をつけるための研修です。

『ワールドスタディーズ』の特長は、
○学習者中心の学び方・教え方であること
○基本概念を伝える・共有するためのものであること
○気づきから行動へという動機付けにつながるものであること

また、「わたしはワールドスタディーズを行っているだろうか?」という点検の視点、チェックリストがあるのも、指導者育成としてのポイントです。ERICの今年のテーマである「ガイドライン」の検討、そして、指導者育成の広げ方など、ファシリテーター共通の課題についても考えます。

テキストを活用して指導者育成を行うことができる人材育成。広がれ! 参加型学習。

■2012年度のERIC主催研修の日程 
2. テーマ「国際理解」 2012年7月21-22日
3. テーマ「人権」 2012年9月29-30日
4. スキル「対立」 2012年10月27-28日
5. スキル「市民性」 2013年1月26-27日
6. スキル「TEST13 Teachers' Effective Skill Training 教育力向上講 2013年3月

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  (特定非営利活動法人)国際理解教育センター
ERIC:International Education Resource & Innovation Center

〒 114-0023 東京都北区滝野川1-93-5 コスモ西巣鴨105
  tel: 03-5907-6054(研修系) 03-5907-6064(PLT・テキスト系)
  fax: 03-5907-6095
ホームページ http://www.eric-net.org/
Eメール   eric@eric-net.org
blog 「 ESD ファシリテーター学び舎ニュース http://ericweblog.exblog.jp/
blog  「PLT 幼児期からの環境体験」http://pltec.exblog.jp/
  blog 「リスク・コミュニケーションを対話と共考の場づくりに活かす」
http://focusrisk.exblog.jp/

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by eric-blog | 2012-07-01 18:30 | ERICニュース | Comments(0)
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