人気ブログランキング | 話題のタグを見る

自然と生体に学ぶバイオミミクリー

自然と生体に学ぶバイオミミクリー
Janine M. Benyus, オーム社、2006
Biomimicry: Innovation Inspired by Nature, 1997
1828冊目

ずいぶんと訳出までに時間が経過している本だ。PLTのコーディネーター会議で同室だったメアリー・ボールが教えてくれた。彼らのプレゼンテーションには出られなかったけれど、バイオミミクリを使って、STEMとPLTを結ぶというセッションを行っている。
http://www.plt.org/2012-conference-proceedings

とても、研究熱心な人で、この5月まで、大学で教えていたという。
日本のこもれびシェード(確か、京都大学の研究だったか?)事例にもすごく関心を寄せていた。ネット検索の鬼。そして、調べたことを人を教えるのが大好き。こういう人が、大学教員なんだなあ、と感心しました。

さて、この本。自然界をまねて、新しい素材やエネルギーを開発しようという動き全体を集めたもの。

とはいえ、人間が創り出したもので、自然界をまねていないものって?
それは1万年前の農業革命とともに始まったと、著者は言います。科学革命とともにそのペースははやまり、産業革命によって、加速した。そして、石油化学と遺伝子操作技術にいきついた。・・・今や必要なものを合成し、遺伝子の配列をおもうがままに並び替えられる。17

いまが地球をコントロールするよりはむしろ順応するためのチャンス。18

自然に学ばずに、どのように地球上での持続可能性が可能だろうか?

これまでの科学がしてきたことは、端的に引用すれば、こういうことだ。

74
「いまや農家の井戸には除草剤アトラジンが残留し、農業従事者に2,4-D構造が原因とされる非ホジキンリンパ種が発見され、トウモロコシにいちばん大量に使用される除草剤アラクロールが発がん性物質であると疑われている。それなのに、公有地を払い下げられた大学の研究所が、そういった化学薬品の使用量増大に耐える作物の品種改良に取り組んでいるのは、なぜか?」

未来像に沿った研究への助成金を導入すること。

福岡正信さんの「わら一本の革命」も事例として紹介されている。
by eric-blog | 2012-06-18 09:48 | ■週5プロジェクト12
<< 放射線副読本 さまざま ERICニュース 202020... >>