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ユダヤ教・キリスト教・イスラームは共存できるか 一神教世界の現在

ユダヤ教・キリスト教・イスラームは共存できるか 一神教世界の現在
森康一、明石書店、2008

前回、「さよならニッポン農業」で「人から土地へ」ということを紹介した。その中で、カリフォルニア州アサートンの例を上げた。その背景には、人種差別主義があった。黒人の移住を嫌い、属人主義的に排他するよりも、移住の条件を細かく家の広さ、庭、窓などの広さや色などを規制する。

そのことを、この本を読んで思い出した。そして、同時にフランスでミナレットやヒジャブなどが禁止されたことも。形から文化を維持しようとする力を、いま、ヨーロッパは模索しようとし始めているのだ。

日本のような雑多性、雑種性はゆるされない。

第1章ムスリム社会における世俗主義の不寛容
トルコのスカーフ問題から考える

1970年代のトルコでは、イスラーム復興と高学歴化が相関しながら進行していった。復興運動の中の女性たちについても高学歴化や社会進出が進んでいった。16

スカーフは宗教に依拠した国家を樹立したいとの考えの象徴。そのために、世俗主義をとっているトルコは、スカーフに反対する。

1999年、女性議員が国会でスカーフをとることを拒否したことから、美徳党が非合法にされた。

スカーフ解禁を求める女性たちは学校や国家機関でスカーフを禁止するような世俗主義には反対している。しか、彼女たちの主張の斉に必ず宗教国家の用語や異なる進行・思想を有する人たちへの差別や抑圧があると断定することは必ずしも正しくない。21


同時に、復興勢力は、自分たち内部やその裾野に広がる保守層と胎児するということであり、容易なことではない。・・・しかし、復興勢力側がそれをしない限り、政教関係に冠して共存を可能にするような暫定協定の実現は見えない。31

その他、おもしろい論文と視点が含まれている。買い、ですね。
by eric-blog | 2011-10-03 15:12 | ■週5プロジェクト11
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