日本国憲法の逆襲

63-1(287) 日本国憲法の逆襲
佐高信編、岩波書店、2001年、[北区]

対談本は好きじゃない。でもこれは面白かった。対談相手がいい。
・田原総一朗
・辛淑玉
・むのたけじ
・河野義行
・宮崎学
・上原公子
・田中康夫
・原田正純
・喜納昌吉
・辻元清美
・落合恵子
・ダグラス・ラミス

・田原総一朗14-32
「引き回された世代」1941年生まれ
天皇のために死ね→戦争は悪だ→何でもかんでも反戦は共産主義だ
いかがわしいものを大事に。声の大きいものは信じない。組織はきらいだ。
「すっきりしよう」は危ない。権力者は、すっきりさせたい、早く決定したい。
「国あって民あり」ではなく「民あって国あり」
「ああいう戦争に追い込まれる状況にしてはいけないという目標を持っている。」
「いきなり信じろ」が戦後もまかり通った。

・辛淑玉34-
国際紛争のなかに、日本国憲法というゼッケンひとつつけて日本は一度として入っていったことがあるのか。36
J-リーグが始まって「君が代」をどんどん歌い始めたときに、...天皇を頂点とした国体護持をするためには異質なものは絶対に許さない...そして自分に対してへりくだるものだけは認めてあげるよ...公開の絞首刑...つまり、こうおって精神が「殺されて」いくのだなというのを実感する。39
国際社会というのはみんなが仲が悪い...よりひどくならないようにけんかをしなければいいだけ40
第一義的には、たしかに朝鮮人が声をあげなければいけない。でも、声をあげられないほどひどい状況になっている...DVと同じ...49
「もう差別はありません。私たちがやっと平穏に暮らしているのに....日本人との関係がよけい悪くなるからやめてください」というファックスが届いたときには、私は泣けました。49
「主権在民」the people「基本的人権」「恒久平和」
在日朝鮮人とはイコール日本国憲法のこと...私たちの人権がどう守られるかによって日本国憲法が死ぬか生きるかが決まる。51

・むのたけじ54-
ぞうきんのように憲法を使う。
いまの憲法を声を出して読んでいると、胸がどきどきして熱くなる。68
第3章人権の第14条、第16条、第44条  人間界の万悪は他人を差別するところから出てくるもの。
第99条で、国政に地位を得ているものは「憲法を尊重し擁護する義務」にそむく言動をするときは、必ず大臣や議員などの職を辞めてからでないとだめだ。69

・河野義行74-
ところがわたしが犯人でないことがわかったときに、「あのときに自分はお前が犯人だと思って、いやがらせの電話をした、無言の電話をした、申し訳ない」と言ってくる人は一人もいなかった。だから、それは正義感ではなかったのです。79

・宮崎学94-
道徳律で人を裁くな。...それを人権派といわれる人たちが全部やった。...人権派は反省のできない人たちとトータルで言えると思います。101
日本の反体制側にいる人たちは、清く正しく美しくという三拍子みたいなものをみずからに課してやっていたけれども、その道徳律を人様におしつける体質をもっている...それが結局は異端の排除までつながっていく思想としてある。...この党派は政治的に全人格を問うてくる。103-104
反体制なり、憲法を擁護する運動にしても、僕は負け続けるだろうと思う。...しかし、みっともない負け方さえしなければ、それが人の心のなかに残っていけば、それでいいと思うんです。人の心の中に沈殿していくものとして、...大きな爆弾を人の心のなかに蓄積していくことに...107

・上原公子112
国立市の成り立ちとして、一橋大学の誘致。大正末期。
1952年に文教地区指定、など、市民運動によって自分たちの町のビジョンを共有することを行ってきている。「市民が町をつくる権利」
上原さんが景観の問題で少数与党で市長になり、市議会にも傍聴などの活気が出ている。市民の世論でまちを作るには、世論が大事。
教育における民主主義の徹底。戦後、教育委員公選制が廃止された後も、開かれた教育委員会を継続。PTA連絡協議会や市議会がそれを応援。
日本には家庭への義務、会社への義務、地域への義務という考え方がない。

・田中康夫132-
会社近くでは投票しなかった人が、家の近くでならば空港反対の署名を住民投票でもしたとか。組織で活動しているのではない市民が街頭署名運動にたつ。賛同者がいることが目に見える。「ありがとう」
「政治家評定会議」のアイデアに
「シーラカンスな社民党の...「護憲派」というシュプレヒコールの負け犬的遠吠えを超えた「個々人運動」が求められている。」
こんな枕詞とステレオタイプな形容詞が連なっているのが田中流だよね。

・原田正純152-
権威を疑う。「患者に近づきすぎて、正しいデータでも信用されなくなる」と言われる。宇沢弘文さんは「経済学というのは効率よく利潤をあげて、そしてそれをいちばん弱い人にまで、いかに平等に分配するか」と。
国を相手の裁判で、控訴がない国はある。担当は異動しつつ戦える相手に、控訴権は無関係。力が違う不公平をどうするのか。

・喜納昌吉174-
一条の天皇制と9条の平和主義、あるいは98条の中での人権と日米安保の同居そういった矛盾を受け入れてこれまである程度成功してきた日本の体制。沖縄は一緒に抱え込んで丸損するようになっている。
小林よしのりがなぜ受ける?眠ったような平和運動よりも戦争の方が情熱的で生きた心地がするから。
アメリカにある先住民の独立国イロコイ連邦でも平和の教えが基本。9条の理念は普遍的にすべての憲法の理念にならなければいけない。
未来に向けて準備ができる政治体制、文化状況にならなければ。過去のボーダーーレス地域まで届くことによって、未来のボーダーレス地域を行きぬくことになる。

・辻元清美192
改憲派は老舗旅館の二代目。初代の苦労もわからずに、ええかっこしいで変えてしまって、その結果旅館がつぶれる。

・落合恵子214
女が世に出て行くときに、つけこまれるから、肩に力が入る。それでも「ためらい」もあるし、それは捨てたくない。『雨水を飲みながら』シャルマンのエッセイが、孤島の生活と都市の生活を行き来しながら書いている。
戦争と性差別はワンセット。
「働いている人間は働いていない人間を崇めちゃいけない」ある新聞記者の父親の皇室の番組についての言葉。

・ダグラス・ラミス236-
朝まで生テレビで憲法論議。「非武装中立」は少数で女性が多かった。そしたら西部すすむが「みんな強姦されたいんだね」と。戦争という暴力と女性に対する暴力はどこかでつながっている。
平和はイデオロギーではない。

『良心的でない兵役拒否』もありでいいのではないか。

あとがきで、坂東真砂子『道租土家の猿嫁』が紹介されている。民主主義はアメリカからの押し付けではない。土佐には明治からいわれちゅう。というお話。
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by eric-blog | 2004-11-09 09:40 | ■週5プロジェクト04 | Comments(0)
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