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障害者福祉

381-1(1621)障害者福祉シリーズ 

全8巻、一橋出版、2002年〜2003年

1948年世界人権宣言・人権はすべての人間にある
1981年国連・国際障害者年
・隔離からノーマライゼーションへ
2001年WHO世界保健機関による「障害」の定義が変わった・消極的な捉え方から積極的な捉え方へ
「障害者」から「障害」へ

障害を持つということは、機能的な障害が社会行動や参加を難しくすること。

障害は社会にある。
行動や参加の障害になっているものは何かを知り、取り除いていくこと。

意識変革に求められるのは何だろう?

第一巻 障害をもつということ
第二巻 障害をもつ人たちの権利
第三巻 障害をもつ人たちのエンパワメント
第四巻障害をもつ人たちの居住環境
第五巻支援・援助者をめざす人たちの基本姿勢
第六巻女性障害者とジェンダー
第七巻障害をもつ人たちと教育
第八巻障害をもつ人の家族の心理

第三巻 p.40に「人と環境の交互作用」という言葉が紹介されている。引用がないので、伊藤智佳子さん、著者自身の考えなのだと思う。いい言葉だ。

p.52-53 障害者福祉における4つのバリヤ
◯物理的
◯制度的
◯情報・文化
◯意識上

第7巻は教育の問題をとりあげ、いかに養護学校などが、初等中等教育の教育内容を、教えることに時間とエネルギーを割いていないか、学校へのアクセス、通学の公共交通機関においてさえ、バリヤがあるかを紹介している。

第二巻から出てくる「エコマップ」というのは本人を取り巻くリソースマップなのであるが、第三巻の交互作用という考え方によって、それらを「エコ」と呼ぶ意味がわかってくる。

もっとも期待が膨らむ第八巻であるのだが、「対等」な姿勢、自分の中に取り込まれている差別や、当たり前だと思っていることを問いなおす姿勢が求められると、言う。「障害者にかかわっているとそれだけで「えらい」と言われる」ことへのいましめ、など。少し、拍子抜けするぐらい、舌鋒はするどくない。

障害者雇用促進制度を逆手にとって私服を肥やし、虐待を行なっていた業者に対する追求が甘いのと、同質の何かがあるのだろうか。

障害児・者の数は563万人。彼らの体験する世界を、一つの「文化」というとらえ、それらの異質な文化と共存できる「多文化世界」のための原則を、わたしたちの社会が獲得しなければならないという姿勢は、大賛成だ。



ericかくた なおこ沅
by eric-blog | 2011-01-23 10:11 | ■週5 プロジェクト10
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