方言の発見 知られざる地域差を知る

375-2(1604) 方言の発見 知られざる地域差を知る
小林隆、篠崎晃一、ひつじ書房、2010

方言についての研究は、語彙や音韻については進んでいる。しかし、言語活動や談話展開については知られていない。この本は、それらの未開拓の分野についての研究を示したものだ。

この本には「オノマトペ」をキーワードに出会ったのだが、ここでは「大声で泣くことについての地域差についての研究が紹介されている。中央からどのように拡散していったか、東日本と西日本でオノマトペの利用がどの程度違うかが、結論として示されている。
なるほど、東日本は、「現場性の強い直接的な表現が好まれる」46のか。

その傾向は感動詞にも見られ、西日本対東日本は「概念系・非概念系」「分化・未分化」「定型化・非定型化」という対立があるという。90

東北地方の表現に「動かされる」感覚を持つのはこれらのせいなのだね。

もう一つ、興味を引かれたのは「ポライトネス」と方言。

方言には「敬語」はないのではないかと、わたしは思っているのだが、そのことと、階級や家柄などの格差の不在とは一致しない。とはいえ、ここでの研究では、「方言」をポジティブ・ポライトネスの表現として積極的に活用している若者集団の事例や、特に関西圏におけるポジティブ・ポライトネス、積極的な関わりによる礼儀傾向が、日本語の敬語のゆれの結果、ひとつの代替案として、活用されているのではないかと、指摘、研究されている。93

言語と人間関係。わたしたちはどこかの「言語環境」に生まれ落ちてしまうのであるから、人間形成とも切り離せない。
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by eric-blog | 2010-12-09 09:03 | ■週5 プロジェクト10 | Comments(0)
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