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ERIC NEWS at ERIC ともによりよい質の教育をめざして 教育力向上のための研修プログラム=「対立から学ぼう」&エンパワメントのためのスキル・トレーニング「わたし・あなた・みんなのスキル」 2010.10.03 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ (文責: かくた なおこ) ERICの年間研修計画は前半の3回が「環境」「人権」「国際理解」などのテーマ 後半三回は、エンパワメントのためのスキル・トレーニングや推進の課題を扱っています。 『対立から学ぼう』というのは関係性のスキル・トレーニングの柱です。 特に今回はファシリテーターとしての「省察力・リフレクション」アップもクロスさせて 実施いたします。 ◆研修のキーワード1 アサーション ———————————————————————————————— 対立の解決 Conflict Resolution という考え方は、黒人解放運動、女性解放運動からの「アサーション・トレーニング」から発展してきています。 いくら解放運動がすすみ、差別撤廃のための国際条約が結ばれ、国内法が整備されても、一人ひとりの黒人、女性を取り巻く状況は、簡単には変わらない。 自己主張することそのものが抑圧されたり、自己規制し続ける状況が続けば、黒人解放、女性解放の理念が社会的に実現されていくことにはつながらない。 どうすれば、自己主張することが「攻撃的」に見られず、「攻撃的」にならずに、行うことができるか。そのためのトレーニングが「アサーション」非攻撃的自己主張。 http://ericweblog.exblog.jp/9655935 ◆研修のキーワード2 自尊感情 セルフ・エスティーム ———————————————————————————————— 非攻撃的に、おだやかにもめごとを解決するのはなぜ難しいのだろうか? 攻撃されている、抑圧されていると感じると、それをはね返そうと思う。 はね返すのだ、と思うと肩に力が入る。いい方がきつくなる。 相手の言い分も、わたしの言い分も、even対等なのだ、と思えてはじめて、肩の力が抜けた自己主張ができる。 だから、CRのためのキーワードの二つ目は、「自尊感情」。自分のことを大切に思うことができること。 http://ericweblog.exblog.jp/9228761 ◆研修のキーワード3 対立は悪くない ———————————————————————————————— わたしたちは、「問題」に焦点を当てがちな傾向がある。だから、「対立」もその問題点にばかり目が行って、「対立することはよくない」と思ってしまっている。 対立のよい面、得るものは、まったくないのだろうか。 関係が育つ、自己理解がすすむ、コミュニケーション能力がつく、共通の目標を見いだせる、などなど。対立に前向きに取り組むことで、得られるものはあるはずだ。 指導者自らが、対立は悪くないと信じている姿勢を持つことが、対立は悪くないというメッセージを伝えるのだ。メディアはメッセージ。 ◆研修のキーワード4 省察・リフレクション ———————————————————————————————— 対立は、現実に、日々起こっている。 日々起こっていることを素材に、わたしたちは学ぶ。 学ぶための手がかりが、「省察モデル」。 ORIDクエスチョン Objective 客観的事実を描写する Reflective 反省的に内省する Interpretive 解釈する・価値づける Decision-making 意思決定し、次の行動へ 3つの省察 技術的省察 どのように行ったか 実践的省察 教育目標は達成されたか、目標にあっていたかどうか 批判的省察 そもそもなぜこれを教えるのか 4つの問いを2つの立場から あなたは生徒は 何を考えていたか どう感じていたか 何を望んでいたか どんな行動をしたか などなど、ふりかえって学ぶための構造を検証しよう。 省察力についてはhttp://ericweblog.exblog.jp/11342025 ◆研修のキーワード5 構成主義的カリキュラム ———————————————————————————————— わたしたちは自分の持っている理解に付け加えたり、広げたり、再構成したりして、新しいことを学ぶ。本当に役立つのは、そのようにして身についたものだけだ。 知識の習得と違い、「対立の解決」などのようなスキルの習熟は、できるようにならなければ、意味がない。 『対立から学ぼう』のカリキュラムは、まさしく、自分の体験をふりかえり、そこから学び、学んだものを実践し、力を獲得していく、まさしくそのために構造化されている。 概念は、わたしたちが世界を理解するために役立つものであることは、『ワールド・スタディーズ』が提起したことだ。 「対立の解決」のための10の基本概念は、ものの見方を再構築するのに役立つ視点であるはずだ。 対立から学ぼう10の基本概念 1)対立は悪くない 6)アクティブ・リスニング 2)対立の扱い方 7) 視点メガネ 3)対立は激化する/内在化する 8) ウィン・ウィン型解決 4)怒りの温度計 9)要望と本心 5)わたしメッセージ 10)調停と仲裁 ****************************************** 10代の若い人びとにとって、人間関係を良好に保つことと、自我を確立し、 主張していくことは、大切な発達課題です。 これまで、日本の教育の中には、隠されたカリキュラムとしての人間関係の知恵 は あったかもしれませんが、明示的なカリキュラムとして提示されたものはありませんでした。 この「社会的責任のための教師たちの会」が作成したカリキュラムは、10の基本 概念を中心に、26課のレッスンでていねいに組み立てられたものです。学校における「カリキュラム・アプローチ」あるいは人間関係トレーニングのためのカリ キュラム作成の参考となることでしょう。 毎年の研修、三年間の「日本型コンフリクト研究会」の成果など、 1997年にこのテキストを翻訳して以来、ERIC国際理解教育センターは テキストをベースにした研修実践に14年の蓄積を持っています。 ERICが開発したテキスト「対立は悪くない」は、『対立から学ぼう』を日本に紹介する中で、日本的なコンフリクトの解決を目指したものです。 ERICの『対立から学ぼう』の研修は、日本社会における実践の課題を踏まえた、 その推進を願う人びとにとっては何よりのエンパワメントとなる内容を含んでいます。 「対立は悪くない」というメッセージは、ティーンエイジャーにとって、 大きな安心につながります。その上で、対立の扱い方を知ることが、 前向きな関係性へと成長していくのです。ぜひ、この中等教育カリキュラムを 若い人びととともに活動するさまざまな実践に活かしてください。 ********************************************* そして11月はエンパワメントのためのスキル・トレーニング講座「わたし・あなた・そしてみんな」。Power Within個性、Power With関係性、Power To社会性・市民性の3つのPowerのスキルが、参加の力、市民社会に生きる力につながる。ぜひ、ご参加をご予定ください。 2010年11月27-28日 第11期 ESD ファシリテーターズ・カレッジ ERIC主催研修2010-5「わたし・あなた・みんなのスキル」 それぞれの研修プログラムと申込書はERICホームページから。
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| 2010-10-01 16:31
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