ガンジー 自立の思想

56-1(231) ガンジー 自立の思想
自分の手で紡ぐ未来
M.K.ガンジー
地湧社、1999年、2003年3刷

編者である田畑健さんは、千葉県鴨川で綿農園を営んでいる人。ガンジーの思想に影響を受けてのことである。わたしが小学校の頃、1960年代のことだが、ガンジーはすでに偉人伝に入っていた。そして、サチャグラハという独立運動を指導した人として知ったように思う。暗殺が1948年、とあるから、死後20年とたたずに子ども向けの「偉人伝」に入っていたのだな。60年代から70年代、まだ続いていた「独立運動」の熱があった時代なんだろうなー。
今回、この本を読んで、ガンジーが独立運動の指導者であったことというのが忘れられ、非暴力主義という思想家・実践家とでもいうような理解が広がっているのかもしれないと感じた。いずれにせよ、編訳者らは、ガンジーの思想の根底は近代機械文明批判があったのだということを再認識することが大切だという思いでこの本、ガンジーの論文集を出している。

ともあれ、いくつかのキーワードでガンジーの考えるところを紹介していこう。

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アヒンサー
非暴力・不殺生 文明とは、人間がこのことを達成できるような道徳の高さのことを言う。翻って、ガンジーは近代文明の内包する暴力・殺生を不道徳なものとしてとらえている。堕落し、破滅の淵にある。

スワラージ(自治)
自分自身を支配できること。32いったん自分たちが獲得したら、他の人々にも同じようにするよう命ある限り説いて回る。33
人は自立している一方で、,,,相互に依存した存在.,,社会をよい秩序に保つために依存が必要な場合は、それはもはや依存ではなく協力です。79
サティヤーグラハ(真理の宣示)
魂の力、愛の力

スワデシ(国産品愛用)
スワラージのためには、自分自身で創ったものを愛用することが大切。できが悪いからと言って、自分の子どもを捨てる親はいない。
利益ではなく、人間のためになることを目指すのです。100

チャルカ、カディー、グヌシュ・タクリ、タクリ(糸紡ぎ車、手織り布、糸紡ぎコマ)
チャルカに関する諸々の科学について深く考えることなしには、チャルカが,,,インドに自由を与える力にはなりません。,,,科学的視野を持つことができた人は、行動のすべてにそれを反映させます。,,なぜ、何のためにそうするのかを十分理解してそのように行動する。72
知的労働が肉体労働の代用には決してなりません。,,,大地の恵みがなければ、知性による産物も収穫できません。76

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先日の研修における「トータルなわたし」アクティビティで、わたしは、たくさんの本に影響を受けてきたことを発見したのですが、自分のものにしたと思える概念は身近な行動に必ず移していることに気付きます。確かに、わたしたの行っている「労働」は知的な労働に分類されるでしょうが、そのような分類が生活、ていねいに社会関係のすみずみを改革することを妨げるのではないだろうかと思います。ガンジーの時代の限界が、「労働」への集中だったのかもしれません。
分業は進んでいますが、わたしは自分の統合性が失われたと思いません。北の国であること、経済の構造的暴力が是正されなければならないことを理解しています。そのためのさまざまな運動があり、それぞれの運動が誠実に行われていることを知っています。「知る」「知ったことから行動を変える」それこそがすべての人の「スワラージ」であると思います。自分の生活にこそ「手作業」「手織り」という、自分で統治できる行動変容をもちこむ自由がわたしたちにはあるのです。自分をつくる作業です。それがまさしく「自分の手で紡ぐ未来」なのだと思います。

とはいえ、わたしたちがわたしたちの情報社会においては、知ること、見ることのできないものがあることも、また確かです。それについては、同時に昨日買い求めた「戦争案内」に託して、いっしょに考えたいと思います。
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by eric-blog | 2004-09-21 12:27 | ■週5プロジェクト04 | Comments(0)
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