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学級定員意見 文科省 4月16日まで募集中!

子どもを安全に戸外に連れ出し、探究活動をさせるのに、適正な大人の人数は何人でしょうか? 『PLT木と学ぼう』米国環境教育プログラムは、5人に一人の大人が望ましいと言います。

子ども一人ひとりがロールプレイを通して「演習」し、からだでできるようになるには、45分という演習時間に対して、何人が望ましいでしょうか? 米国の子どもへの虐待防止プログラム(CAP)では、半円形になって、誰もが平等にロールプレイを見、参加できるようにとされています。

子ども一人ひとりにキャリア・アドバイスやメンター、コーチをするとしたら、一人の大人が何人の子どもに責任を持てるでしょうか? これも米国の例ですが、高校生に対するアドバイザー制度では、20人に一人です。

これらの活動に、地域の大人そしてNPOなどの専門性を持った団体に協力をしてもらうとして、その窓口、コーディネーターはどのぐらい必要でしょうか?
200人のボランティアを動かすには5-6人のフルタイム職員があたっているというのは、美術館などの例です。

子どもたちに質の高い学びを提供するために、学校が「開かれた学校」になる。自然体験に、地域との交流に、サービス学習に、学校が取り組むことができる機会は増えています。ボランティアやNPO活動との協働は、決して「安上がりな代替」であってはならないのです。

中学校には複数の小学校からの生徒がいます。学級数も多くなります。しかし、昨今では、子どもの数が少なくなったため、一学年三学級すら難しくなっています。教科担任制、クラブ指導など、責任分担制が小学校よりもすすんでいる中学校において、学級数減は、専門性のバラエティを確保することが難しくなることを意味します。

高校においても事態は同じです。特に過疎化のすすむ地域においては、統廃合もすすんでいますが、質の高い教育環境を確保することが難しくなっています。

以上のようなことを考えた場合、小学校においては、幼稚園設置基準同様、35名、そして中学校・高校・中等学校などにおいては30名の定員が望ましいと思います。そのような国レベルの意思決定があれば、以上のようなさまざまな広がりに対して開かれた学校運営に、教員がゆとりをもって携わることができるでしょう。公教育がより高い質の教育を提供する機会につながります。また、免許更新の議論に代表される継続的現職教育、研修、研究の時間も、確保することも容易になっていくことでしょう。

大枠として国が「豊かな学び」の保証が可能な方向性をしめし、その中で地方自治体や地域、学校の裁量によって、「きめこまやかな対応」がなされることが望ましいと思います。
by eric-blog | 2010-04-12 11:26 | ☆よりよい質の教育へBQOE
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