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ルワンダ中央銀行総裁日記

341-5(1484)ルワンダ中央銀行総裁日記
服部正也、中公新書、2009

1972年に出版されたものに、1994年のルワンダ動乱についての中央公論への寄稿と、その後のルワンダについての大西善久さんの解説を増補。

1961年に大統領選を実施、ベルギーから独立。日本銀行に20年、勤務していた服部さんは国際通貨基金からルワンダの中央銀行総裁にと招聘された。1965年から6年間の経験を綴ったもの。

中央銀行の仕事をこれほどわかりやすく読める本もないのではないかと思う。

途上国が国際資金によって国際市場向け第一次産品の生産に力を入れた結果、価格が低下、債務に陥るという構造はよく聞く。しかし、服部さんは在任中に国際価格の下落で本当に困ったのは1969年の一度だけだったと。

外国人社会とルワンダ人社会の二重構造を解決し、ルワンダ人中心のための財政計画を立案。それは農業中心と、ルワンダ人商人による国内流通の促進。人口密度の高いルワンダは90%が農民。勤勉な農作と小ビジネスの振興、そしてもう一つ、鉱山収入。それが服部さんが立てたビジョンだ。

徹底してアフリカ人差別意識を排して、外国人によるアフリカ人についての情報と見方を鵜呑みにせず、ルワンダ人から聞こう、知ろうとした姿勢。

だめにするのも、よくするのも人なのだ。
by eric-blog | 2010-03-19 10:19 | ■週5プロジェクト09
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