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ヴェロニカ・ゲリン アイルランドの麻薬犯罪に挑んだ女性記者、その実録

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339-5(1474)ヴェロニカ・ゲリン アイルランドの麻薬犯罪に挑んだ女性記者、その実録
エミリー・ライリー、ソフトバンク パブリッシング、2004、原著1998

1996年に殺された女性記者について、この間テレビ番組で紹介されていたので、本とDVDを入手。というのも、社会科の教材開発をいま行なっているのだが、「自由権についてかんがえる」ための素材にいいのではないかと思ったからだ。

2003年制作、ケイト・ブランシェット主演の映画は98分で、長過ぎる。CBと言えば、ボブ・ディランを描いた『アイム・ノット・ゼア』はすごかった。この映画もすごい。すこし蓮っ葉なコケティッシュなところもある、強がりなだけの女性が、単なる正義でもなく、単なる名誉心でもなく、のめり込んでいく様子。ハラハラさせられる。

彼女は殺されたが、麻薬犯罪の取り締まりに政府が本腰を入れ、奏功する、と映画は終わる。

彼女について、映画もドキュメンタリーも、本もたくさん書かれ、制作されてきたという。

唯一、入手できたこの本は、もっと彼女の履歴のあいまいなところ、資格詐称というようなブラフ、人当たりの良さなどに焦点があてられている。暴露本と、出版時にはVG(CB)の働いていたサンデー・インディペンデントにいやがられたと言う。

彼女のキャラクターとそのやり方、そしてその結果として得られるセンセーションと情報を、ジャーナリズムは商品として消費した

と、彼女の安全のためにとるべき手段をとらなかったことを批判しているのだから、当然いやがられるだろう。

VG(CB)という女性が、自分に期待されていることと、その結末について、どれほど理解し、覚悟していたのかは、不明だが、動かしたものは大きい。そして、その効果がいまも継続していることを期待したい。
by eric-blog | 2010-03-05 10:49 | ■週5プロジェクト09
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