お菓子放浪記

お菓子放浪記

西村滋、講談社文庫、2005、単行本1976

2865冊目


映画『エクレール・お菓子放浪記』

https://www.youtube.com/watch?v=8XDoKk4YGb0


浮浪児

http://waiwai3.exblog.jp/23142606/


終戦直後、日本でも戦争によって孤児になった子どもたちは悲惨な状況で生きていた。いま、世界で難民化している子どもたちも、同じような境遇にあるのだとしたら、わたしたちの社会は何を学んだのだろうか?


もちろん、国際支援も大切だ。しかし、もっと根源的には家族を奪われないことの方へ、わたしたちは努力すべきなのだ。


武力は戦争を抑止しない。外交努力、民間交流、積極的対話のチャネルを開くこと。そして、そのような努力を支持する市民力を高めるための教育が求められているのだ。ナショナリズムや自民族優越主義、排他主義が国際社会の共生の未来を脅かすことは間違いありません。教育のあり方に、そのようなメッセージが入り込まないようにするだけでなく、積極的な共生の価値観と行動を、わたしたちみんなが習熟していくこと、実践し続けることを、教育的な課題としたいと思います。


そのような戦争孤児の問題だけでなく、様々なことを考えさせられるとても良い自伝的な小説だと思いました。


孤児として刑事に捕まった時、買ってくれた菓子パン二つ。十把一絡げで検挙される頭数の扱いではなく、一人の人として、私にくれた好意の象徴としてのお菓子。


少年は、お菓子に愛を見出す。そして、それを励みに収容施設でも、年に二回のお菓子を楽しみにする。


お菓子を独り占めして食べても幸せではない。

偽物のお菓子をもらっても嬉しくない。


お菓子は人を幸せにするものでなければならないんだ。


そのこだわりが少年の人生を、一つのしっかりとした価値観に導かれたものにしていく。


昨年、2016521日に亡くなった著者。1925年生まれ。我が父と同い歳かあ。


母に言わせれば、まだキャラメルを食べたことがあり、それを懐かしむことができる世代だそうだ。


小説の中でも、だんだんお菓子がなくなり、代用品すらなくなっていく時代が描かれる。


1930年に生まれ、1931年満州事変からの15年戦争と生まれてからずっと戦下を生きた母には、「お菓子」という希望も記憶も、ノスタルジーも、喪失感もなかったのだ。



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# by eric-blog | 2017-08-21 11:02 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

ERIC NEWS 555号 by ERIC ともによりよい質の教育をめざして  2017年8月20日

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ERIC NEWS 555号 by ERIC ともによりよい質の教育をめざして  2017年8月20日

ESDファシリテーターズ・カレッジ! すべての学びを参加型で!

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                   (文責: かくた なおこ 角田尚子

                     http://ericweblog.exblog.jp/

twitter : kakuta09  FBもやってます。)


おめでとうございます! ERICニュース555号! Go Go GO!


2006年1月から配信を始めたERICニュース。去年7月500号を祝いましたが、祝う機会が少ないので、555号でも祝っちゃおう!


一年で55号ぐらい出しているのですから、すごくないですか? 改めまして編集人の皆様、ありがとうございます。そして、読者の皆様、ありがとうございます! 


なかなかリアクションがいただけないので、届いているのかどうか、読まれているのかどうかと気に病みつつ。時々、注文が入るので、ま、いいか。自分自身も毎日届くメールニュースなど、ほとんどスルーなので、気にしない。


世の中はますますad hoc、その場限りの出会いとチャンスに支配されてきていますよね。だからこそ、よりよい成長のためには出会いの情報をキャッチするアンテナが大切。


ERICニュースを読んでいる人の多くは「発信者」でもあると思います。でも、対話の黄金律は、1対3、熟慮の黄金律も1対3。発信ばかりでもだめ、受けるばかりでもダメ、受け流すだけでもダメ。熟が大事。


時代の流れとともに生き、時代の流れに棹さして流れを変えながら生き、よりよい未来に向かう気力、充実していますか?


夏、特にお盆の時期は、わたしにとっては誕生日もありますが、先祖霊も含めて生き物の存在感濃度が高い時期なんですよねぇ。ま、湿度が高いだけかもしれませんが。環境がそのまま体調という。


だから、情報が入りやすく、取りに行きやすい時期なのです。そして、秋に向けて「熟」していく仕込みの時期でもあります。


みなさま、夏の仕込み、たっぷりできましたか?

まだまだ残暑がぶり返しそうなこれから、ご自愛ください。「熟」にも体力要りますからね。



◆◇◆目次◆◇◆


◆◇◆1. 連載「グローバル・セミナーをふりかえる~今と未来の教育のために」No.14

◆◇◆2. マイクロアグレッション 微細な悪意が心を穿つ

◆◇◆3. ESDファシリテーターズ・カレッジ2017 のご案内 [略]

◆◇◆4. by ERIC 在庫処分2016![略]

◆◇◆5. with ERICこれまでの活動[略]



◆◇◆1. 連載「グローバル・セミナーをふりかえる~今と未来の教育のために」No.14◆◇◆


この連載では、ERICが設立当初から10数年にわたって開催したグローバル・セミナーを紹介しています。(担当: 鬼木たまみ)


◆◇第13回 グローバル・セミナー(2002.6.1-2)

  • テーマ:生涯学習社会の実現に向けて
  • 講師:稲垣有一(大阪市立築港小学校)、小田隆博(盛岡大学企画総務部)、杉山尚子(GITC:GLOBE INTERNATIONAL TEACHERS CIRCLE)、赤石千衣子(ふぇみん婦人民主クラブ)、稲邑恭子(フェミックス)、木村幸一郎(ジャパン・エコロジー・スクール)、中村正子(古紙問題ネットワーク)、角田尚子(ERIC)
  • 出版:『レッツ・コミュニケート!』


第13回グローバル・セミナーは、ERICが学び続ける社会としてその実践をめざしている「生涯学習社会」をテーマに、ERICの主催で行われました。


この回のセミナーは、1日目は「生涯学習社会の構築」という視点で、学校教育、社会教育、市民活動の3つの立場からの問題提起を受けて未来へ向けたあり方を探り、2日目は初日の成果を踏まえ、環境やジェンダーの分野で活動してきた人々と過去の共有と現状分析を行い、「2030年にはこうあってほしい」という未来のシナリオをつくり、そのために身につけたい「民主的スキル」を考える、という2日間のプログラム構成になっています。


「ERICは、年一度の割合でグローバル・セミナーを開催してきました。初期のグローバル・セミナーは、海外の教材の翻訳とタイアップした形でゲストを招き、学びを深めるというスタイルをとってきました。99年度以降は、これまでのその蓄積をもとに、独自の出版物を出し始め、主催研修を構造し始めた「ERICの充実期」と言えます。主催研修の柱も徐々に固まり、「独自の形で参加者といっしょに作り上げてきた学びを出していこう」という気運が生まれました。


そこで、今年度は、わたしたちが参加型手法として身につけよう、提供しようとしてきたものをあえて「民主的スキル」と言ってみることにしました。自分たちがこれまで信頼してきて進めてきた「参加型手法」の枠組みをゆさぶり、参加者とともに共有し、再構築する試みとして「民主的スキル」という言葉を、さまざまな場面で使っていこうと思います」(セミナー「開催の背景」より)


「9.11以降、平和とは何かについて問い続けている。暴力を介さず問題解決していける、その方法を「民主的スキル」と呼んでいきたい。参加型手法をあえて「民主的スキル」と呼んでみることで、参加型手法がどれだけ平和の構築に向けて役に立っていけるか、見ていきたい」(パネルディスカッション「生涯学習社会と総合学習」、角田発言より)


「大切なことは未来のビジョンを共有した上で、1.参加者や学習者と一緒に身につけたい「民主的スキル」を考える。2.「民主的スキル」を身につけるための行動計画を立てる。3.いっしょに評価し、改善する方法を考える。この一連の作業を行うプロセスそのものが、民主的であるといえないでしょうか」(ERIC 通信第14号 「グローバル・セミナー2002 報告」より)


2002年のセミナーで描いた「ありたい未来」にどれだけ近づいているのでしょうか。

私たちは平和の構築のための「民主的スキル」をどれだけ身につけられたのでしょうか。


*セミナーの2日間で参加者とともに考えた「民主的スキルとして育成したいもの」は150を超え、それらは「民主的スキルカード」としてセミナーの報告とともに、レッスンバンク「グローバル・セミナー2002 生涯学習社会に向けて」に収められています。


*第13回グローバル・セミナーの当日プログラム、記事はこちらからご覧になれます。

http://eric-net.org/project/global_seminar/gs02_news.pdf


  • テキスト、レッスンバンクのお申し込みはこちらからどうぞ。

・「グローバル・セミナー2002 生涯学習社会に向けて」(LB11-8)、10ページ、200円

http://eric-net.org/text-order.html


[追記: かくた]


海外からの翻訳物の紹介から「自立」して、日本社会における現代的な課題に答えつつ、Learning Society学び続ける社会を目指して、参加型学習の生涯学習にとっての意義を考えたセミナーでした。

NPOの活動が多様な当事者支援活動に細分化され、そして専門化している現状を思うと、どうすれば「教育」がそれらの多様な実践をつなぎ合い、協力と協調によって、より良い社会のビジョンを描く上での共通した取り組みであることを、多様なNPO、運動団体に説得し続けることができたのだろうかと自問します。

また、参加者の数が伸びないことも、一般社会も同じ課題を抱えていることを示していると思います。極端な主張、悲惨な当事者、献身的に支える支援者。どんなに当事者が「かわいそうとは思って欲しくない」と言ったとしても、人が集まるのは、そのような極端でわかりやすい物語を聴く場なのです。


2002年のセミナーから15年。総合学習が導入され、アクティブ・ラーニングや「対話的で深い学び」が喧伝されるようになったなど、変化はあります。しかし、それらの変化は、学校教育という、わたしたちの社会が最大の教育的資源をつぎ込んでいる現場を根本的に変えるものになっているのでしょうか?


教育は、エリートのためのものではなく、社会に有用な専門家の育成のためだけのものではない。教育は、わたしたちの社会の生き残りのためなのです。


よりよい生き残り方とは、どんなものだと、あなたは思いますか?


環境倫理では三つの倫理を言っています。いまの世代のニーズが満たされること、地球に生きる生物のニーズが満たされること、未来の世代のニーズが満たされること。


これらの倫理に叶う生き方が、よりよい生き残りであるのです。


教育は、よりよい生き残り方のための価値観、行動、意欲、スキルを育てるためのものなのです。


よりよい未来を思い描くことは、いまのわたしたちの行動に指針を与えてくれるのです。


個人として、社会として、組織として、学び続けることは、なぜ必要なのでしょうか? 学び続けることが、成長の鍵であるからです。


教育が成長のためでないとすれば、それはなんなのだということになりますが、成長と聞いて「経済的成長」だけを考えるのではないということです。いまは極端に「経済的成長」とリンクした教育活動に重きが置かれていますが、「社会的成長」、そして一人ひとりの「いのちの質Quality of Lifeの成長」もまた、教育的な意味での成長であるはずです。


2002年のセミナーが、先年の9.11の、そして1月以来の中東戦争の、影をどのように受け止めていたのか、今となっては思い出せないのですが、そのようなショックの中で、日本の政府予算などに、大きな変化が起こっていたことに気づくのは、ずいぶん後になってからのことでした。


Never too late. Tomorrow starts today. 気づきなさい、いま、ここで。


[略]


◆◇◆2. マイクロアグレッション! ◆◇◆


『ちがい ドキドキ 多文化共生ナビ ~在日外国人教育実践プラン集~』

大阪府在日外国人教育研究協議会、2017


7. マイクロアグレッション 無意識の言葉が心に刺さる ~気づいてほしいこの思い~」


FBでも書き込んできたのだけれど、どうも「カタカナ語」にすることの抵抗感がある。アグレッシブって決してよい意味の言葉ではないよ。なのに、マイクロがついて、なんとなく格好いいアグレッション? 「無意識の」という枕詞も気になる。


この英語のものを和訳してくれたページの事例を読むと、それは明らかに悪意である。攻撃性という言葉を使わずに、表現すべきではないと思った。

http://karapaia.com/archives/52149171.html


そこで、こんな工夫をしてみた。


アグレッションとセットで考えてもらうということ。


実践してみてわかったことは、「情報カード」の情報量が、アクティビティとして扱うには多すぎる。どのように読ませるのか、その工夫がわからない。分担読み? 一人読み? 一人読みにしてしまうと、その後グループ作業に戻すのが大変だ。


わたしとして、英語版の方がわかりやすいように思うが、日本社会ではない表現だったのかなあ。


プログラムはこちらから。

http://ericweblog.exblog.jp/237591175/


カードを活用した時に活用したワークシートはこちら。

http://ericweblog.exblog.jp/237555674/



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# by eric-blog | 2017-08-19 16:28 | ERICニュース | Comments(0)

参加型人権研修 マイクロアグレッション

プログラム


1. 一学期をふりかえる

2. 傾聴

3. 話し合いの心がけ[板書、模造紙]

4. 点検の視点「アクティブ・ラーニング」学びの姿勢

5. 「遅れてきた定着民」

6. ふりかえり

7. 四つの活動形態でふりかえり



■準備物

○ 「人権を通して人権を学ぶ」研修資料

○ 四つの活動形態ふりかえり表



記録

午前中 10:00-11:30

1. プログラムの流れ

2. 一学期のふりかえり[5']

3. ミニレクチャー「構造化と非構造化、半構造化」

4. 気づいたこと・感じたこと・学んだこと

5. 傾聴

6. 話し合いの心がけ

7. アクティブ・ラーニングのふりかえり

8. 「わたし」「あなた」「みんな」のグループ作業

9. 「遅れてきた定着民」

10.  「アグレッション/マイクロ・アグレッション」でふりかえり

11. グループで今日のふりかえりを共有


午後 13:00-15:30

1. プログラムの流れ

2. 一学期のふりかえり[3']

3. ミニレクチャー「Howの背景にあるWhy

4. 気づいたこと・感じたこと・学んだこと

5. 傾聴

6. 話し合いの心がけ[1'] 追加で[30"]

7. 「遅れてきた定着民」

8.  「アグレッション/マイクロ・アグレッション」でふりかえり

9. マイクロ・アグレッションのカードを各グループに一枚ずつ

10. 共有とふりかえり



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# by eric-blog | 2017-08-19 09:29 | □研修プログラム | Comments(0)

空と風と星と詩 尹東柱

空と風と星と詩

尹東柱、岩波文庫、2012

2864冊目


映画を見た。彼の詩がちりばめられていた。

しかし、シーンがあまりにも速いので、読みきれない。


・序詩  1941/11/20

・自画像 1939/9

・星を数える夜 1941/11/5

・たやすく書かれた詩  1942/6/3

・懺悔録 1942/1/24

・弟の印象画 1938/9/15


恥ずかしい。生きていることの恥ずかしさ。それが胸を打つ。

恥かしくないものなど、いないはずなのに。


映画。

http://movie.walkerplus.com/mv63180/


白黒で撮られた静謐な映画。


NHKの『731部隊の真実』で暴かれた人体実験。

http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20170813


拘束されたユンと宗も、海水を注射されると言う人体実験を受けている。


供述書に署名しろと迫る警察。強制的に連れてきて、そんな手続きにどんな意味があると問いただすのに対して「文明国だから」と。


罪状はまだしてもいない国家転覆のための試み。やっていないのではなく、成功しなかった、成功させたかったと署名する宗。


宗に引っ張られていただけで、主体的ではなかったことが恥ずかしいと署名を拒否するユン。


日本帝国の欺瞞が、じりじりと突き刺さる。


劣等感と支配欲と。


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# by eric-blog | 2017-08-17 18:02 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

『焼き場に立つ少年』は何処へ ジョー・オダネル撮影『焼き場に立つ少年』調査報告

『焼き場に立つ少年』は何処へ ジョー・オダネル撮影『焼き場に立つ少年』調査報告

吉岡栄二郎、長崎新聞社、2013

2863冊目


ジョー・オダネルは、終戦直後の記録を撮るための従軍カメラマンとして長崎、広島などを訪れている。一方で個人的にカメラを携行しており、その写真は43年間、封印していた。


これではいけないと、写真展を開こうとするが、非国民扱いされる。その物語を聞き書きしたのが

『トランクの中の日本:米従軍カメラマンの非公式記録』

ジョー・オダネル/写真、ジェニファー・オルドリッチ/聞き書き、小学館、1995

Japan 1945:A U.S.Marine’s photographs from Ground Zero、2005

などの写真集だ。


その最も有名な写真が「焼き場に立つ少年」である。


結論を言うと、この少年は特定されなかった。


ベトナムの「走る少女」が見つかったりなどしていることを考えると、この日本で見つからないのは、不思議だ。


この本に収録されているオダネルさんのインタビューでも、この少年のことを気にかけていることがわかる。


ぜひ、写真集の方も見てください。



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# by eric-blog | 2017-08-17 17:09 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

弟の戦争

弟の戦争

ロバート・ウェストール、徳間書店、1995

Gulf1992

2862冊目


作家のできることって、すごいね。猫の視点から戦争を描いてみたり、弟が交信しているイラクのラティーフと言う男の子の目を通して湾岸戦争を描いたり。


とにかくすごいの一言。



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# by eric-blog | 2017-08-17 17:00 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

ちがい ドキドキ 多文化共生ナビ ~在日外国人教育実践プラン~

ちがい ドキドキ 多文化共生ナビ ~在日外国人教育実践プラン~

監修 榎井緑、大阪府在日外国人教育研究協議会、2017

頒価: 500+送料。

2861冊目


注文先: 大阪府在日外国人教育研究協議会

fugaikyo(a)nifty.com 


安い! アクティビティたっぷり!


今回は「マイクロアグレッション」と言う言葉がこのテキストに絡んで飛び交っており、「無意識の」と言う枕詞がつけられていることにすごく違和感を感じて、取り寄せることになってしまった。


以下の英文を翻訳してくれているサイトで見ると、無意識か非意図的か知らないが、明らかに差別であり、攻撃であり、優越感であり、貶めである。

http://karapaia.com/archives/52149171.html


無意識であるはずがない。ただ指摘されれば「そんなつもりはない」「神経質だよ」などと返され、結果再度攻撃のトリガーを引いてしまうことになるような微細な攻撃性。

指導者用のプログラムを作ってみたので、ぜひ。

http://ericweblog.exblog.jp/237555674/


テキストには遊び、挨拶、食べ物など、子ども向けのプログラムが紹介されている。


おおさかこども多文化センターの「高校生による案内ボランティア」など、素晴らしい実践も紹介されている。多文化社会の可能性は広がる。


多文化主義が「文化並列的」だとは思っていなかったが、『限界国家』の著者によると、さらに次の段階として「異文化間交流型」とはっきり相互の交流が大切だと言っている。


多文化教育と言えばバンクスであるが、彼は多文化教育のポイントを三つあげている。

「肯定的な出会い」と、「対立」についての歴史的背景についてそれぞれのものの見方からの学習カリキュラム、学力向上の取り組み。


このテキストの対象学年がはっきりしないが、「肯定的な出会い」に重きが置かれており、「対立」についての歴史的背景についての学びがないと言えるだろう。


ルーツを知ると言うアクティビティだけで十分だとは思えない。





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# by eric-blog | 2017-08-17 16:48 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

ブラック奨学金

ブラック奨学金

今野晴貴、文藝春秋、2017

2860冊目


著者は1983年生まれで、自身が大学在籍中に若者支援団体POSSEを立ち上げる。ブラックバイトやブラック企業の実態を告発。奨学金については年間2000件ほどの相談を受けているという!


わたしが借りていた時は、日本育英会と言っていたが、いまは日本学生支援機構。

http://www.jasso.go.jp/about/organization/history/ikuei.html

有利子奨学金が導入されたのは1984年。90年代に第二種の奨学金が急激に増えた。2003年にはその割合が逆転、無利子43万人、有利子44万人に。

1998年平成10年に、教員になったら返済免除という制度が撤廃され、大学院のみとなったという。あまりのことに唖然とする。

2004年にJASSO発足。割合は12程度にまで膨れている。一種47万人288万人。70


利子分の返済は、JASSOに投資している金融機関への利子払いに当てられているのだ。

http://www.jasso.go.jp/about/ir/minkari/__icsFiles/afieldfile/2017/05/10/touroku_kinyuukikan2.pdf



鳴り物入りで始まった「返済不要の奨学金」は各期、枠が50名だ。給付奨学金というのもあるらしいが、ホームページがわかりにくいことこの上ない。一体何人に貸しているんだ? 大学生の二人に一人が使っているって、ものすごくでかい貸付金融機関になっていないか?

いや、それどころか、育英資金が「育英会(2)は金融投機商品」金融商品になっていないか? というのに対する答えを書いてくれている人がいる。

http://stalemate.hateblo.jp/entry/2015/10/31/193244


7割ほどの資金は投資からのようだ。今のところ、優良。

しかし、投機的ではないとは言え、投資に対する返済はしなければならないので、「救済制度」という返済猶予制度は、なるべく使わせたくないようだ。


本人が亡くなっても家族が訴えられるとか。奨学金という名の借金でしかないのは明らか。

74


シェルターで暮らしていても、生活保護を受けていても、訴える。


そして、そもそも、日本の教育費政策がおかしいのだ! 全く、教育をコケにしやがって。


日本と韓国は高騰教育費の公私負担割合が、圧倒的に私が高い。73


家族に負担を強いる制度。若者を食い物にする日本。こんな国に未来はあるのか?


本は、「正しい奨学金」の見分け方へと進む。

給付型は2.6%にしか届かない。

民間の奨学金には「ペナルティ」があるところもあるから要注意。


そして、いよいよ返せない時にはどうすればいいかまで、お話は進むのである。



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# by eric-blog | 2017-08-15 15:55 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

限界国家 人口減少で日本が迫られる最終選択

限界国家 人口減少で日本が迫られる最終選択

毛受敏浩、朝日新書、2017

2859冊目


もう、移民受け入れるしかないでしょ。


という本。


そして移民受け入れ社会の最終形が「異文化間交流型」。115


平行型に終わってしまいがちな「多文化主義」、文化の並列だけでは、社会格差や一部地域のスラム化、貧困化などの課題が生まれることへの反省からだ。


移民は移民のまま止まるのではない。日本に生まれれば、日本人化するのだ。


どうすれば「ウィンウィン型」日本にとってもメリット、移民にとってもメリットになるかがこれからの移民政策を成功させる鍵だという。


いま、技能実習制度は形骸化した奴隷労働制度だ。継ぎ接ぎだらけの外国人受け入れ制度で、日本嫌いにしてしまっている。


そして、日本の国力が落ちると同時に、日本に移民してくる希望者も減っていく。

世界的に人材不足傾向は強まっているのだから。



「やさしい日本語」の取り組みも紹介されているが、ネットで見てもよくわからないなあ。


ものすごく、脅される本です。



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# by eric-blog | 2017-08-15 15:19 | □週5プロジェクト17 | Comments(0)

「学習された微細攻撃性 隠された悪意」

「学習された微細攻撃性 隠された悪意」

マイクロアグレッションという差別


『ちがい ドキドキ 多文化共生ナビ ~在日外国人教育実践プラン集~』

大阪府在日外国人教育研究協議会、2017


7. マイクロアグレッション 無意識の言葉が心に刺さる ~気づいてほしいこの思い~」を使って


プログラムの流れ


1. 各グループに一枚ずつ「マイクロアグレッション」カードを配る。


2. まず、表面を見て、何が問題かを話し合う。


3. 次に裏面を見て、「言われた側」の気持ちを確認する。


4. 課題は何かを話し合う。その「マイクロアグレッション」に病名をつける。


5. 情報カードで、自分たちが考えたことを採点する。


6. 時間があるなら、ここで全体共有する。病名と点数を板書する。


7. 「生活習慣病」のような差別的態度を克服するための手立てを話し合う。


マイクロアグレッション・カード 分析の視点


気づいたこと・感じたこと・学んだこと

表面 場面カード[ ]


裏面 言われた時の気持ち


情報カードを読んで


自分たちの採点をするとすれば?


表面・裏面で考えたこと/情報カードに書かれていること


そのマイクロアグレッションを診断する。

・どこで身についた?

・改善の手立ては?




■ハーフが美人なんて妄想ですから 困った「純ジャパ」との闘いの日々

サンドラ・ヘフェリン、中公新書、2012

http://ericweblog.exblog.jp/23304308/


■マイクロ ・アグレッション


「ごく普通の人々の中に巣食っている偏見や無知のせいで、無意識のうちに、言葉の中に巧みに悪意が織り交ざってることがある。これらの微妙な言動は「マイクロ・アグレッション」と呼ばれている。海外生活を送ったことのある人ならば、自分に発せられたその言葉が、褒めているのか?それとも嫌味なのか?その土地ではマイノリティである故に、わからなくなる場合があったこともあると思う。」

http://karapaia.com/archives/52149171.html




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# by eric-blog | 2017-08-15 11:29 | ☆アクティビティ・アイデア | Comments(0)